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rokuyouがゆずれない”生徒たちの可能性を信じる”ということ

「正直、この子たちは(探究学習に関して)動機付けされてないから、これ以上進めるのは無理ですよ」

先日、先生からこんな声がありました。
皆さんもこういった声を聞いたことがあったり、その気持ちも分かるなぁ…と共感する部分があるのではないでしょうか?多くの先生方が、探究学習に取り組んでいくことへの困り感や難しさを感じていると思います。

今回の記事では、実際にあったことから "生徒たちの可能性を信じること" についてお話ししたいと思います。

その時の状況

生徒たちがマイプロジェクトのワークシートを記入する段階で、プロジェクトテーマの仮設定の時間でした。

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自分たちの持っている興味関心、半径5メートルのニーズを掛け合わせるようなテーマ案を出し、その案をより良いマイプロジェクトのテーマになりうる、質の高いものにしていくために問いを深く掘っていきます。

そこで先生が介入の仕方に困っている様子
一年目の先生に「大丈夫ですか?困っていることありますか?生徒たちの様子はどうですか?」と声をかけたところ、

正直に言っていいですか?正直、この子たちは動機付けされてないから、これ以上取り組ませるのは無理ですよ。興味関心とかこういうマイプロをやることに対して目的意識もないし、成長欲求があるわけでもない、社会に対する課題意識もあるわけでもないから、ゴールを見せてあげないと彼らはそこに向かっていけません。」

という言葉を受けました。しかし、教室の中で活動している生徒たちの様子を見に行ってみると、共通の興味関心を持つ友達やチームになりえそうな友達と集まり、もうすでにワークが進んでいる子たちも見受けられました。その中には、確かに先生が難しさを感じている、動機付けがされていない生徒も見受けられます。

彼らは確かに、自分たちだけでワークに取り組むのは困難な様子でした。そんな時にこそ伴走者として(教員やメンターが)できることである、

”そのグループに入って一緒に考える、対話すること”をしていない

んだろうなと感じました。グループに入って問いを投げかけたとき、生徒は沈黙を貫くわけではありません。モチベーションや言語化力には個人差があるため時間がかかる生徒もいますが、投げかける問いに関しては何らかの答え(反応)を返してくれます。そのため、興味関心の部分を一緒に探そうというフラットな目線で、"一緒に考えていこう" という向き合い方で、前進する姿勢を持って関わりさえすれば、必ず湧き出てくることがあると感じています。

「彼らは動機付けされていないから、これ以上取り組ませるのは無理ですよ」とシャッターを下ろしていたり、もしかしたら "動機付けができていない" ことに対して先生が恐れや不安を感じていて、その状況で生徒に関わるのが怖かったり、自分が関わっても興味関心が出てこないことに対するマイナスの感情を持っていたのではないかと思いました。(初めて探究学習を主導する先生の立場に立って考えてみると、今後のイメージが持てずかなり不安な心境だったことと察します)

彼らの可能性がどう伸びていくか、芽が出るか、磨かれるかは近くで関わる大人が "可能性を信じる、信じながら向き合う" というあり方をどれだけ体現できるかで全然変わります。

「この子たちには無理」そう思ってしまう人はどうすればいいのか

とはいえ、先生もどれだけ生徒が力を持っているか、化けるかについて経験値が少ないと ”分からない” ゆえに、そんな反応をしてしまうこともあるでしょう。
私たちも経験がなかったとしたら、先生方と同じ思いを持っていたかもしれません。やはり、これまでに奇跡的な現場を本当にたくさん見てきていることが大きいのだと思います。

例えば、沖縄県うるま市の島嶼地域でICT活用を行っている事例

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昨年関わっていた先生は、”ICTを子どもたちに触らせる” ということに対して非常に抵抗を持っていました。「いじめが起きるんじゃないか、セキュリティをきちんとしなければいけない、マインクラフトなんかやっても子どもたちは学んだり成長とかそんなにしないですよ」というような姿勢で、何を聞いても「それはちょっと難しいですね」「できないですね」といつでも否定的な言葉を発していた先生
しかし、生徒たちが食いついてすごいスピードで成長していく様子を見て、先生自身のマインドセットが起き、態度が変容し、今では毎週授業を覗きにきてくれるようになりました。

”ICT×子ども” にはすごく可能性があって、これには投資するしがいがあるということも分かっていて、自分ももっと目撃したくて、もっと関わりたい!という180度違う展開。

というようなことがたくさんすでに起きています!
この事例でいうと、私たちは望みを捨てていなかったので「ほらね」という感覚でしたが、そこで先生しか関わっていなかったり、先生が諦めてしまうと何も変わらないんです。

なので、先生たちも生徒たちの成長する現場を目撃すれば変わると思います。

そのためにも、まずは信じてやってみましょう!諦めて何もやらないよりかは、疑いはあっても信じてやってみたら、思っている以上に生徒は成長します。そしてそれを目撃できたらあなたの心持ちも変わります!

終わりに

今回の記事では、実際にあったことから "生徒たちの可能性を信じること" についてお話ししました。一番大切なのは、可能性を信じて磨き続ける社会の実現を私たちが信じてやまないことです。それがrokuyouのミッションでもありますし、これからも大切にしていきます。

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