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ビジョン型と価値観型というキャリアの捉え方~落とし穴とそれを活かす処方箋~

育成支援事業部のサフランこと、キャリアコンサルタント鈴木さくらです。

先日、バレンタインの夜にこんなことをツイートしたら、ちょっとした反響がありました。

現時点(2月17日21時)でいいねが462、リツイートが38、引用リツイートが27、という状況になっていて、何の意図もなくただ以前から思っていたことをつぶやいた私としては予想もしていなかったことだったので、驚くばかり。予定不調和的な拡散を実現してくれるTwitterの面白さを知りました。

今回、リツイートの総数が65という数字を見て、キャリアにおける【ビジョン型】と【価値観型】への皆さんからの関心の高さが窺えたので、Twitterでは収まりきらなかったそれぞれの落とし穴とその活かし方について、noteでお伝えしようと思います。


目標達成ができない落ちこぼれの私

元ネタは、実は平本あきおさんのこちらです。

【ビジョン型】将来の夢や目標から発想した方が動機づけされる人
【価値観型】自分のこだわりや価値観に沿って、日々それを満たしているうちに充実した人生を送れる人

平本あきおさんが【ビジョン型】【価値観型】を提唱されていて、私は最初この内容に出会ったとき、目から鱗が落ちる思いがしました。

なぜなら、私の知っているキャリアの捉え方は、一般的に5年後10年後というキャリアプランを立てて、そこから逆算して目標を立てて、行動に落とし込んでいくという【ビジョン型】のみだったから。

でも、5年後10年後がイメージできない。ぼんやりすぎて現実味がない。何を成し遂げたいかもよくわからない。そんな未来のイメージを聞かれても困る・・・!

そんな状態だったので、会社員時代に受けたキャリア研修では、それこそ適当にウケが良さそうなキャリアプランを立てていましたし、人事考課の際に必要な目標設定も苦痛で苦痛でしょうがないけど出さなくてはいけないので、何の魅力も感じないとわかっていながら、できそうな内容を絞り出して書いて、提出していました。よって、それらが実現されることは極めて稀で、いつも「目標達成ができない私」として自分にレッテルを貼っていましたし、上司からも貼られていました。涙。

それは今も私だけじゃないということが引用リツイートから判明。

能力低いって、そこまで言わなくっても・・・

そう、しんどいんですよね。

やっぱり、まだまだ企業では【ビジョン型】でキャリアを捉えたり、人事考課をする機会が主流ですね。というのも、企業にとって【ビジョン型】は使い勝手がいいですし、管理がしやすいという理由もあると思います。


あなたはどっち?それとも、ミックスタイプ?

国家資格キャリアコンサルタント養成講座の講師も担当している私は、実は試験対策講座にて「クライアントの中長期的なキャリアプランも聞いてみましょう」と伝えている手前、立場的に「中長期的なキャリアプランは不要」と言い切ることに、なんとなく躊躇します(だから、今回のTwitterでは少し勇気がいりました)。

でも、【ビジョン型】も【価値観型】も、どちらかに優劣があるわけでは決してなく、ただタイプが違うだけ。自分のタイプを知って、自分に合った方法でキャリアを捉えていけばいいですよね。

前述の平本さんによる簡易チェックはこちらでできます。私はどちらのタイプだろう?と思ったら、ぜひチェックされてみてくださいね。

明確にどちらかに偏る人もいらっしゃれば、両者同じくらいで偏っていないミックスタイプもいらっしゃるかと思います。ミックスタイプならば、両方の要素があると思うので、どちらのほうかと決めつけなくても良さそうです(決めつけるためのチェックではないので)。


【ビジョン型】の落とし穴とそれを活かす処方箋

それぞれのタイプに良い悪いはなく、ただタイプが違うだけ。自分のタイプを知ったうえで、キャリアへの活かし方を知っておくといいですね。

では、メインストリームの【ビジョン型】の落とし穴と処方箋を見てみましょう。

▼落とし穴1:このタイプの特徴として、目標が明確だとやる気が一気に上がります。半面、先が見えなかったり、不透明のままだと動けなくなってしまうことがあります。

▼処方箋1:「明確にするために〇〇する(調べる、ワークする等)」ということを目標にして取り組んでみるとエンジンがかかります。

▼落とし穴2:目標達成を目指して行動できるものの、結果を重視しがちであるため、達成できないとその結果に捕らわれて自信を失ったり、意欲やエネルギーが下がってしまうことがあります。

▼処方箋2:【ビジョン型】でも大切にしたい価値観はもちろんあります。その価値観を明確にして、プロセスに反映してみましょう。また、結果だけに左右されない自己信頼や自己承認ができることも重要です。


【ビジョン型】で重要なのは、始めにビジョンを決めて、次に価値観を明確にしていくという順番です。

Q1)1年後、3年後、5年後・・・どんなビジョンが浮かぶ?何を達成したい?

Q2)そのビジョンを達成するために、いつまでに何をする?

Q3)その実現は、自分にとってどんな意味がある?←価値観を明確にする質問

というように、ビジョンに対して逆算思考で行動に落とし込み、目標を立てながら、価値観も明確にしていくという方法をとっていくと、より達成しやすくなりますね。


【価値観型】の落とし穴とそれを活かす処方箋

次に、【価値観型】を見てみます。

▼落とし穴1:目標やビジョンがありありと浮かばなくて、「自分はおかしいのかな」「自分には何もないのかな」と思ったり、周囲からそう思われたりして、誤解されることがあります。

▼処方箋1:「目標やビジョンが浮かびづらい」というだけなので、何の問題もありません。安心してください。その代わりに、「日々、こういうことを大切にしたい」ということは挙げられるはず。自分の大切にしたい価値観を丁寧に明確にして、そこからビジョンに展開していきましょう。

▼落とし穴2:「目標達成がなかなかできない」という苦手意識を持っていて、人事考課を苦痛に感じてしまうことがあります。

▼処方箋2:仕事においては逆算思考も必要です。小さな目標から実践してみると良いでしょう。また、仕事には売上目標などの数値目標や年間計画がありますが、「数字の達成」と「自分の価値観」をしっかりリンクさせることがポイントです。それをしないと、心が置き去りになり、モチベーションが低下してしまいます。


【価値観型】で重要なのは、始めに大切にしたい価値観を明確にして、次に目標を決めていくという順番です。

Q1)仕事(人間関係、人生)で大切にしたいことはどんなこと?何をしていると充実感があって満足できる?

Q2)その価値観が満たされるために(自分がベストな状態でいるために、想いを届けるために)、この3ヶ月(今月、今日)何をするといいだろう?

Q3)その先にはどんな未来がある?←ビジョンを明確にする質問

というように、価値観を明確にして行動に落とし込み、ビジョンを明らかにしていくという方法でトライしてみてください。【価値観型】だって、【ビジョン型】ほど明確ではなくても、実はちゃんとビジョンがあるんです。ただ、聞く順番を間違えると、出てきづらくなってしまうだけのこと。劣っていることは決してないので、安心してくださいね。

「あなたは何者なのか?」

この質問にあなたは答えられますか?キャリアコンサルティングでは、自己理解をとても大切にしています。なぜなら、この世で唯一無二の自分を知ることで、自分らしいキャリアとともに自分自身を生きることができるから。

ぜひ、あなたらしいキャリアを謳歌してくださいね!

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