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無関心層引き付ける工夫を期待|「ちょっと言わせて」


 今年も間もなく「全国安全週間」(7月1日~7日)が始まります。
 今回のスローガンは「新たな時代に PDCA みんなで築こう ゼロ災職場」

 昭和3年の初回開催から一度も途切れることなく続けられ、今年で92回目を迎える国民運動です。
 弊社の「安全・衛生委員のための安全衛生読本」(末松清志著・労新新書005)によると、今現在、「~週間」と名のついた週間行事は年に200以上あります。安全週間はその「第一号」で、当時、国全体で取り組む運動としては世界中どこにも見当たらない先駆けだったようです。

※「安全・衛生委員のための安全衛生読本」の詳細はこちら↓↓

 毎年掲げられるスローガンは時代の雰囲気をよく伝え、「一致協力して怪我や病気を追払ひませう」(第1回)、「國の礎 我等の健康」(第5回)、「興せ産業 努めよ安全」(第10回)、「総力戦だ 努めよ安全」(第14回)、「決戦一路 安全生産」(第17回)などは戦前のもの。身近にあるケガと病気をみんなで団結して退治しよう!

 ――そんな素朴な意志が感じられる初回スローガン(全国安全週間標語)でしたが、日本が戦争へ突き進んでいく時代の空気を色濃く反映したものへと変化していくさまが感じられます。
 しかし、国家主導・労資一体の理念に基づく産業報国運動への批判が戦後になって強まり、第18回~33回(昭和20~35年度)まではスローガンなし、昭和36年度から復活したスローガンは科学的かつ組織的な安全管理の推進を呼びかけるものへと変化を遂げ、今日に至ることが中央労働災害防止協会のホームページで確認できます。

 先刻ご承知のように、「スローガン」で現場の安全が担保されるわけではなく、併せて公表されている「実施要綱」に掲げられた対策を個々の事業者が確実に施してこそといえます。
 ただ、ここでその詳細を紹介するつもりはありませんし、おそらく、大手・中堅クラスで従来から災害の多い業種の会社などは
黙っていても取り組む土壌が根付いているはず。問題は、傾向的に意識の低い中小や第三次産業の事業者がその気になるか否かであり、とりわけ地方にいけばまだまだ多く見受けられる、安全など気にも留めていない様子の会社に対し、どうすれば「安全」についての関心を持ってもらえるかがポイントです。

 「PDCAって?」なんていう事業者も多いと思われるそうした会社の場合、たとえば「整理・整頓・清掃・清潔(4S)」に気遣ってもらうだけでも結果は違ってくるのではないでしょうか。

 あれもこれも求めるのではないいわば「一点集中型」。求めなかった部分で災害が起きたときの責任をどう考えるかという問題はありますが…。
 また、次号でお伝えする予定ですが、「費用を掛けない安全対策」なんていうのも耳目を引くかもしれません。
 「実施要綱」と聞いただけで見向きもしない事業者も少なくないと思われ、できるだけ大上段に構えない、関心を持ってもらえるような仕掛けなど、この分野の運動にはもう一つ工夫があっていいような気がします。

安全スタッフ編集長 福本晃士


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