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2022J1第18節 横浜F・マリノスvs柏レイソル プレビュー ~Rainbow Road~

大学院生の赤松先輩と20歳の青人は同じフットサルサークルの先輩後輩。
マリサポの同志である2人は、会うといつもマリノスの話をする。

【プロローグ】


青人:
天皇杯負けたの許せないです。

赤松:
悔しいな。まずはその話をする?

青人:
ええ。今回は控え組で臨んだじゃないですか?
やっぱり主力組との差が浮き彫りになった気がします。最近のJ2はレベル高くてどこも強いですからね。メンバーを落としても余裕で勝てるほど甘くはないんですよね。

赤松:
僕はちゃんと勝ちに行ったと思ったな。勝つためのメンバーを送り出していた。

青人:
え、そうですか?
メンバー落としていたじゃないですか。

赤松:
そりゃガンバ戦のスタメンを主力とするなら多少は落としていただろうね。でも、今回の天皇杯でスタメンで起用された選手は、ガンバ戦でベンチに入っていた選手とケガから復帰してきた選手など、スタメンとそこまで見劣りしない陣容じゃない?

青人:
松原、角田、渡辺、水沼、レオがガンバ戦から継続でスタメン、
オビ、小池裕太、山根、樺山、マルコスはガンバ戦でベンチ入り、
エドゥアルドが怪我から復帰・・・
たしかにそう考えるとそこまで落としたって感じじゃないですね。

赤松:
この程度の入れ替えだったらリーグ戦でも普通にやるでしょケヴィンは。
交代枠の使い方見てると、60分・70分を目安に、明らかにプレータイムをコントロールしていたけど、それも含めて目の前の試合だけでなく、チームのパフォーマンスを落とさないためのマネジメントなんだよね。

青人:
チームのパフォーマンスを落とさない、ですか?

赤松:
そう。選手を入れ替え負荷分散をしながら連戦を戦っていく。ACLのときとやってることは変わらないと思う。
結局、我々サポーターが勝手に選手の序列を決めて、あたかもチームがその通りに動いているかのように見てしまうけど、ケヴィンには違うように見えているのかもしれないよ。もっと実力は拮抗していて、選手の特徴・強みに応じてマネジメントしているんだと思う。

青人:
サポーターの評価が現場の評価とは違ってるんじゃないかってことですよね。

赤松:
そう。今回の事例に当てはめると、マリノスはちゃんと栃木をスカウティングして、勝つための選手起用をしていたんじゃないかな。

青人:
でも、それってもっとやばくないですか?
だって、J2のチーム相手に勝ちに行って負けたってことじゃないですか。

赤松:
うん、やばいんじゃない?w
まあ内容見てみると、マリノスが望む構図に持っていく時間帯はあって、チャンスも作れていたけど、そこから先が遠かったね。

青人:
何がダメだったんでしょうか?

赤松:
決定機はあったけど、回数が少なかったかな。
本来はもっとチャンスを作れたはず。じゃあそれはなんでって話になるわけだけど。

青人:
そこ聞きたいです。

赤松:
マリノスが栃木をどんなチームだと捉えていたかって話。一応栃木の試合を事前に見ていたんだけど、基本は5-4-1で深い守備ブロックを形成するチームなんだよ。おそらくマリノスはこの試合もいつもと同様にやってくるだろうとスカウティングして、特に相手を押し込んだ状態で力を発揮するメンバーを送り込んだ。ウイングに樺山と水沼を置いたのはまさにそれで、樺山はドリブル、水沼はクロスでチャンスメイクができる選手。

青人:
たしかに。ボランチも、山根と渡辺っていうテクニカルな二人でしたよね。

赤松:
そういうこと!二人ともボールを持った状態で前を向いてクオリティを発揮できる選手だからね。

青人:
なるほど。でもそこがなかなかうまくいかなかったってことですか?

赤松:
いや。マリノスにとって誤算だったのは、押し込むフェーズになかなか行けなかったことだと思う。なぜなら、栃木が5-3-2で前から奪いに行く守備をしてきたから。

青人:
たしかにビルドアップのところで苦労してましたよね。

赤松:
そう。水沼と樺山はスピードがあるタイプではないから、相手を引き込んで裏を取るのも難しい。よって、前半30分ごろに栃木のスライドが追いつかなくなるまでなかなか押し込めなかった。

青人:
なるほど、前半の途中から流れが良くなったのもそういう背景があったんですね!

赤松:
うん、そもそも押し込む時間帯が少なくなって試行回数を増やせなかったことは、無得点に終わった大きな要因としてあるかなと。あとはまあ失点が不運だったと思う。前半から栃木にほぼチャンスを作らせていなかったのに、まさかアレが入っちゃうなんてねw

青人:
先制点大きかったですよね、、あれは相手を褒めるしかない。

赤松:
たとえマリノスが点を取れていなくても、0-0推移なら精神的にも相手を追い込むことができただろう。僕がこの試合に負けたことをしょうがないかなと思ってるのはそこかな。点が取れないことはあっても取られることはないはずの試合展開で相手にリードされてしまった。

青人:
個人的にはやっぱり悔しいです。サッカーって怖いですよね、、
一瞬で形成がガラッと変わってしまう。

赤松:
そうだね。まあ栃木戦の話はこんなところにしとこうか。

青人:
そうですよ!切り替えて柏戦です!

赤松:
上位対決だもんな。切り替えよう。



【最近の柏レイソル】


青人:
最近の柏ですけど、現在は4位と調子いいですよね。今季最初の対戦では見事に返り討ちに遭いましたw

赤松:
2月よな。しんどい試合だった、、

青人:
ほんとに、、畠中と岩田が退場、マルコスが負傷交代とかいう地獄のような試合でした。そんなトラウマを今回打破したいわけですけど。
直近はどんな感じですか?

赤松:
柏は前回対戦時と大きく変わってるわけではないよ。
ベースは5-3-2で、ミドルプレスからのショートカウンターを志向するチーム。

青人:
手ごわいですよね。特に細谷やマテウスサヴィオのショートカウンターの破壊力がエグい。

赤松:
怖いよなアレ、、
「数的同数のマテウスサヴィオ」は絶望的な状況を形容する慣用句として広辞苑に載ってもいいと思うw

青人:
ほんとですねw

赤松:
まあ話を戻すけど、5-3-2で中切り外誘導のミドルプレスが柏の生命線。
2トップの献身的なプレスバックと中盤の運動量を活かしたサイドでのボール奪取が強みかな。あとは5バックが前に強い。感覚的な印象だけど、なんていうかこのチームって分業制な感じがするんだよね。

青人:
分業制ですか、、?

赤松:
同じ役割を負う選手が複数いないって感じ。
例えば2人のIHを見てもそう。戸嶋はボール奪取と運動量に強みがあって、マテウスサヴィオは推進力とテクニックを活かしてカウンターの起点となる。

青人:
たしかに、、ウイングバックもクロッサーの三丸と守備に軸足を置く大南ですもんね。

赤松:
そうそう!チームとしてやりたいことがあって、それを適材適所で体現するスカッドが、奇跡的に上手くハマっているなという印象かな。すごく面白いチームだと思う。

青人:
なるほど。

赤松:
このバランスってなかなか一朝一夕には得られないものなんだよ。それもあってか、このチームはかなりメンバーを固定しがちで。

青人:
あんま変えないんですね!

赤松:
そう、お馴染みの11人。ただし、今回はアンカー・椎橋が出場停止。

青人:
おー!それはそれは、、!
ぶっちゃけ大きいですか?

赤松:
見えにくいところで影響はあると思う。椎橋がやってるタスクって、スピード感を持った同サイド圧縮と、奪った直後にボールを逃がす最初のパスが主たるもの。
今の椎橋と同じレベルでこれらをこなすのは相当な難易度だよ。阿吽の呼吸のようなものも求められるしね。

青人:
なるほど。てことは、椎橋の不在は突くべきポイントかもしれませんね。

赤松:
もちろん!



【試合展開の予想】


青人:
椎橋の出場停止の影響はさっき言ってたと思うんですけど、どんな試合になりそうですか?

赤松:
まずは柏の視点で見るといいかなと思ってる。
最近の試合を見ていると、どのチームも柏に対する戦い方は見出しつつあるっていう背景があったり、、

青人:
えっ!そうなんですか!
それはどんな?

赤松:
そもそも5-3-2で中切り外誘導をやる上での構造上の泣きどころではあるんだけど、中盤3センター脇のスペースにプレッシャーがかかりにくいってところ。

青人:
あーなるほど。構造上の欠陥ってやつですね?

赤松:
うん。立ち上がり20分くらいまではIHやWBに加えてCFのプレスバックもあるから致命傷にはならず、逆に狩り場にできる。だけど、さすがにその強度がずっと続くことはなくて、2~30分くらいから対戦相手はある程度ボールを持てるようになる。

青人:
てことは、立ち上がり20分は我慢の時間帯ってことですか?

赤松:
そうだね。サイドの深い位置で比較的ボールを持てるようになったところから、DFラインの裏へ長いボールを使って柏のプレスラインを押し下げるチームがかなり多い。これにはかなり手を焼いている印象があるな。

青人:
ほう。
さっき柏のDFラインは前方向に強いって言ってたじゃないですか?
逆に裏にはどうなんですか?

赤松:
高いラインを設定するわりにはそこまでって感じかな。だからこそ4バックではなく5バックにしているんだろうね。

青人:
あー、人数をかけてスペースを埋めることで背後を担保するってことですね!

赤松:
そうそう。とにかく柏に対してはサイドの深い位置で引き込んで裏っていうやり方をするチームが多い。柏としては、プレスラインをなるべく下げたくないから、結構嫌がっている節はある。

青人:
なるほど。対策はできてきているんですね。

赤松:
うん、どのチームもやってるw

青人:
じゃあこれをマリノスに当てはめるとどうですか?

赤松:
そうね。まず、前後半の立ち上がりは思うように前進できないかもw
だから、ここはGK高丘を使うなどしてなんとか柏を横に大きく揺さぶりたい。なるべく早くバテさせるために。

青人:
パイセンはそこ諦めますよねw

赤松:
だってしょうがないもんマリノスがそういうチームだからw
徐々に解を導き出していくんだよ、ウチは。

青人:
まあまあ。なんとか30分まで耐えたとして、その後は、、?

赤松:
ポイントは、松原健からのフィードだね。
コンビを組むウイングがおそらく仲川になるんじゃないかと予想しているんだけど、技名:マツバラが今回は効果を発揮しそう。

青人:
サイドの深い位置で受けたところから低弾道でDFラインの裏に放つスルーパスですよね?
なるほど、マリノスだったらそうやって裏を取るってことですか。

赤松:
そういうこと!

青人:
じゃあ攻略する方法はありそうってことですかね?

赤松:
うん、わりと見え見えな感じはするw
ただ今回の場合、松原個人のところが出し手になるっていうのが柏からするとわかりやすすぎる気がしていてね。

青人:
あー、松原を押さえればなんとかなるんじゃないかって、向こうからしても見え見えってことですかね?

赤松:
そう!だから、松原のところにうまくプレッシャーがかかる配置・プレスのかけ方をしてくることは頭の片隅に置いておくと良いかも。しかも今回は椎橋が出場停止で代表帰りの細谷も起用できるかわからない状況。お馴染みの11人で戦えないのなら、割りきって対マリノス用の布陣を敷いてきても不思議じゃない状況なんだよね。

青人:
たとえば4-4-2とかですか?

赤松:
全然あり得るよ。状況は全然違うけど、昨季5月の試合では、4-4-2に変えてきたしね。今回の事例に当てはめても、松原にプレッシャーをかけるって考えたら4-4-2、ないしは5-4-1の方が適切だろうし。

青人:
なるほど。

赤松:
現に、神戸戦の後半は5-4-1にしてサイドの深い位置にプレッシャーがかかるような修正をしていたし。

青人:
うわぁ、、そうなると読めないですね。マリノスとしてもスカウティングがハマらないと苦労するかもしれませんし。

赤松:
そうだね。まあ柏が何をしてくるにしても、彼らがどんなチームかってところは押さえておきたい。何がしたいチームなのか。そこを押さえておけば、たとえどんな布陣を敷いてこようとも出方をある程度予測できるはずだから。

青人:
ネルシーニョって守備のイメージが強いです。だから点を取られたくないチームなのかなと。

赤松:
ほう。僕は真逆で、点を取りたいチームだと思ってる。
そのために、できるだけ高い位置でボールを奪いたい。逆に自陣深くにブロックを敷くことはしたくない。

青人:
ネルシーニョ=守備っていうのは、たぶん偏見ですw
非保持型だけど攻撃的ってことですかね?

赤松:
そう!特にメンバーを固定していることもあって、全方位的な戦いができるチームではない。あとは非保持型のチームの特徴である、相手の出方を見てペースの調節をすることができないってところ。でも、自分たちが得意な構図に持ち込む力はあるし、そこに持ち込めばこのリーグで負けない強さはある。それが今の柏レイソルなんだ。

青人:
なるほど。上位対決ですし、マリノスとしては天皇杯敗退のショックから中2日という意味でも非常に大事な試合になります。

赤松:
耐えるべき時間を耐え、機を見て差しきる。
痺れる勝負が見れる試合になるんじゃないかな。

青人:
楽しみですね!



To Be Continued・・・

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