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株式会社メルカリの経営戦略

卒業論文で書いたメルカリの経営戦略をnoteで全文公開します。
約2万字(卒論用紙40ページ)あるので、お忙しい方は第4章、第5章だけでも読んでいただけると大枠は理解できると思います!

第1章 はじめに

 1-1. この論文テーマを選んだ経緯

私は高校3年生の時に初めてメルカリを利用した。今から約4年前だが、自分の不用品を出品しただけで、それが国内のだれかの手に渡り、喜んでくれることがとても嬉しかった。さらに、わずかながらお小遣いにもなったことに感動した。
それから約4年、メルカリは急激にユーザー数を増やした。「ユニコーン企業」と言われるまでに成長し、一気にグローバルカンパニーとなった。2018年6月には、ついに上場を果たしたのだ。
私は、メルカリがここまで急成長できたのはどのような背景があるのか、とても気になった。人々は新品を買うのではなく、商品を少しでも安く見ず知らずの他人と取引することに抵抗を持たなくなったというのは、シェアリングエコノミー時代の表れだと思う。そして、メルカリはその風潮をより加速させたのではないか。
創業者の山田進太郎氏にもとても興味を持った。大学時代からインターン先でオークションサイトを立ち上げたり、ベンチャー企業を立ち上げて売却したり、ビジネス経験も豊富である。そんな彼が世界一周後に立ち上げたのがこの「メルカリ」である。メルカリという会社が成長しているのは彼の実力ともいえる。
ビジネスモデル、経営者ともに興味深く、経営学部で学んだ分析を生かし、メルカリの経営戦略を分析してみようと思い、論文テーマに選出した。メルカリは、将来AmazonやGoogleのような世界的な超大企業になるのではないかと見据えている。メルカリを分析し、今後どのように戦略を決定していくかについても考察したい。


 1-2. 論文の構成について

この論文の第1章では、論文テーマを選んだ経緯と、論文の構成について論じる。 

第2章では、メルカリの現状と経営戦略について論じる。2-1ではメルカリの社名の由来、創業5年の歴史を振り返る。2-2ではメルカリの登場によって百貨店などリアル店舗の市場はどうなったのかについて紹介する。2-3ではメルカリの取引の仕組みを図解し、理解する。2-4では、アメリカ進出の現状をデータから読み取る。2-5では過去5年間の財政データから営業利益などを算出する。また、保有株式数についても紹介する。
 
第3章では、分析に使用する経営理論について論じる。この論文では内部環境と外部環境を分析するためのSWOT分析と、マーケティングの4P分析を利用し、メルカリが成長し続けられる仕組みがどのように構成されているのかを分析する。
 
第4章では、第3章で紹介した分析手法をもとに、メルカリの経営戦略の分析を行う。4-1のSWOT分析は、強み、弱み、機会、脅威の4つの視点から分析する。4-2の4P分析では、Product(プロダクト:製品)Price(プライス:価格)Place(プレイス:流通)Promotion(プロモーション:販売促進)のマーケティングの4要素からメルカリを分析する。

 第5章では、論文全体のまとめと今後のメルカリについて論じる。メルカリ今現在も物品のやり取りだけでなく、様々な分野に新規事業を世の中に出してきているが、今後、現在持っているデータを元にさらに事業を拡大させていくであろう。

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