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【5】マインドフルネス -1-

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松:価値に向かって進もうとすると、様々な思考や感情が邪魔をしてきます。やろうと思っていることに集中できない経験は誰もが味わったことが有るでしょう。そうした思考や感情に柔軟に対処できる状態を総称して、マインドフルネスと言ったりします。

武:マインドフルネスは聞いたことありますよ、瞑想のことですよね。大手IT企業が実践しているとかで、うちの会社でも研修がありました。正直面倒で、もうやっていませんけど。

松:マインドフルネスという言葉だけが世の中に独り歩きしてしまっていますが、実はマインドフルネスは瞑想だけを指す訳ではありません。ちなみに、その研修では瞑想が実生活でどのように適用できるか説明は有りましたか?

武:いいえ。続ければ、脳の灰白質が増えるとか言っていたような気がしますが、それが何故なのかは全く分からなかったし、信じられませんでした。

松:実生活とのつながりが分からないのに、ただ瞑想を続けてと言われても困りますよね。実際には、瞑想的ではない実用的なマインドフルネスも存在するのです。そうしたテクニックをご紹介する前に、そもそもなぜマインドフルネスが価値に向かって行動をすることに役立つのかをご説明します。
武さん、また一つお願いしたいのですが、5秒差し上げるので”自分は地球上の誰よりも優れた人間だ”と心の底から思い込んでください

武:…5秒!?………………いや無理でした。

松:ではあと何秒くらいあればいけそうですか?

武:何秒どころか、何日もらっても無理だと思いますよ。

松:そうだと思います。最近の研究によって、人は一度学習した物事の関係性を、すっかり未学習の状態に戻すことは出来ないことが分かってきています。武さんが”自分は地球上の誰よりも優れた人間だ”と思い込めなかったのは、おそらく過去に”私は○○よりも劣っている”という考えを人生の過程で一度でも学習したことがあるからです。

武:そんな…。それじゃあ例えば、ネガティブな人間がポジティブ思考に変わることは一生出来ないとでも言うんですか。

松:仰るように、学んできた思考の関係性を書き換えることは非常に困難です。しかし、ここからが朗報ですが、思考の影響力を変えることは出来るのです。

武:影響力?

松:そう。例えば、”私は○○よりも劣っている”という思考が武さんに与えるダメージが100だとします。武さんはそのダメ―ジによって、価値に向かって行動をする活力が失われ、家でぼーっとしてしまうかもしれません。しかし、マインドフルネスによって影響力を弱めることを学べば、そのダメージを80とか50に減らすことが出来るのです。そうすれば、価値に向かって行動をする活力が残りますよね。

武:なーるほど。何となくわかりました。マインドフルネスは、価値に向かって行動するときに邪魔となる思考や感情の影響力を弱めるテクニックというわけですね。

松:その通りです。では改めて、マインドフルネスを実践してみましょう。

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