RolandのMicroCubeのスピーカを大型化

石橋楽器でRoland MicroCube(現行品の1つ前のバージョン)の美品を見つけました。ボディは小さいながら、それなりの音量があります。D級アンプなので、音質もクリアです。若干騒々しいお店で演奏する場合も、この程度のアンプあれば、クラシックギターの演奏もちゃんとできそうかな?と思ったからです。しかし、少々難がありまして、スピーカがかなりしょぼいようです。価格面で折り合うギリギリのものを使っているのでしょうね。
 
アンプの話ですが、どなたもワット数の大きなアンプを使えば大きな音が出るものと思っていらっしゃるようです。ところが、通常はスピーカーの電気信号から音への変換効率がとんでもなく低い。たとえば、音のエネルギーは、百数十人からなるオーケストラのフォルテシシモの大音量であっても、電気信号でわずか60ワットにも満たない小さなレベルです。つまり、60ワットの電気信号をすべて音に変換できると、オーケストラのフォルテシシモの大音量が再現できるはずですが、スピーカの変換効率が低すぎて、そうはいきません。
 
話が少々それてしまいましたが、音を大きくしたい場合、アンプの出力を大きくするよりは、実はスピーカの感度を上げる方が簡単です。ネオジムなどの強力な磁石が広く使われるようになりましたので、高感度のスピーカが容易に入手できるようになりました。今回、製品より感度が10dBほど高いスピーカに載せ替えました。理論上は、同じアンプの出力ならば、製品版より3倍ほど音量が大きくなります。
 
【写真1~3】購入したローランドマイクロキューブです。汚れや使用感もありません。おそらく殆ど使わなかったのでしょう。筐体全体にパーツクリーナーをじょぼじょぼ掛けて洗浄します。そのあとで、エタノールを使って、ウエスで磨きます。新品のように綺麗になりました。【写真4】クラシックギターを繋いでみますと、やはり低音が弱いようです。アンプの出力のせいでもありますが、スピーカの性能の影響が大きいと思われます。前面のカバーを外してみました。やっぱりチープなスピーカが使われていました。これを、ネオジジム磁石を使った高感度で大口径のスピーカに交換します。
 
【写真5】このケースを開けるのが一苦労でした。ネジが多すぎる。どうしてこんなにネジが多いのでしょうか?設計者がネジ好きなんでしょうか?しかも、すべてのネジを外しても、アンプ部分が全く外れません。通常の電気製品とはかなり違っています。写真は、傷を付けることなく、やっとアンプ部分を外したところです。今回はアンプの回路はそのまま使います。【写真6】サイズが1インチほど大きめの、ネオジム磁石を使ったスピーカです。感度も10dBほど違います。
 
【写真7・8】今回の作業は、大きめのスピーカを取り付けるために、前面の板のスピーカ用の穴を拡幅する。ネジ位置を変更する。スピーカとアンプ間の配線を済ませて、スピーカをネジで固定するという内容です。穴の拡幅を始めたところ、作業が意外と大変で途中の写真を撮っていませんでした。写真はいきなり出来上がりです。【写真9】前面のカバーを付けて完成です。音量が大きくなり、低音もちゃんと鳴っています。おわり!

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