【ベリンガーマイクプリアンプのLSIの交換】

【写真1・2】ベリンガーのマイクプリアンプ BEHRINGER TUBE ULTRAGAIN MIC200です。【写真3-7】コンデンサをすべてオーディオ用に交換しました。写真のなかの緑色やゴールドの部品が、オーディオ用のコンデンサです。これで「サー」というヒステリシスノイズが無くなり、音が非常にクリアになりました。ヘッドホンで聞いただけですが、コンデンサ交換による音の違いは、はっきりわかります。


【写真8】さらに、回路で使われているオペアンプをハイエンド部品に交換しました。回路で使われているオペアンプは写真中央のサイズです。足の間隔が1.27mmと非常に狭く、ロボットによる精密作業で両面スルーホールプリント基板に実装されています。交換用のLSIは右側のサイズで、足の間隔は2.54mmです。そのままでは基板に取り付けられません。それで、写真左端の、足幅を変換するアダプターを自作しました。


【写真9】材料は2.54mm幅のICソケットと、1.27㎜幅の基板用のピンです。【写真10】ピンの足を根元から90度に綺麗に曲げます。【写真11】2個を背中合わせで接着します。【写真12】DIP8変換用の基板に1.27㎜幅の足を8か所はんだ付けします。【写真13】2.54mm幅のLSIソケットの足をはんだ付けします。【写真14】変換アダプターの出来上がりです。オペアンプを写真右のように差して、下面の足を基板側に取り付けます。


【写真15】オペアンプの差し替え箇所は3か所あります。写真は入力直近のオペアンプで、コンデンサマイクのハイインピーダンスを、J-FET入力のフィルターでローインピーダンスに変換し増幅します。このオペアンプを基板から切り取り、自作のアダプターを新たにはんだ付けします。【写真16】アダプターをはんだ付けしました。このままでは不安定なので、自作アダプターの下側を金属用エポキシで固めます。


【写真17】取り付け箇所の拡大です。足の幅は1.27mm間隔で、実際には0.1~0.3 mmほどの隙間で、隣の配線と接触しないように、はんだ付けする必要があります。足の間隔が狭く、周りにすでに部品が建て込んでいますので、作業空間が十分に確保できません。治具や専用器具もないので、作業がかなり難しい。それでも、接触抵抗が無いように、確実にはんだ付けする必要があります。写真ではわかりにくいかもしれませんが、金属端子の接触面にはんだを隙間なく充填するとともに、基板との間にはしっかり山盛りになるようにはんだ付けしています。はい、これで完成です。音は良くなったようですが、ヘッドホンではちとわからないですねー。

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