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Stevie Ray Vaughan

Stevie Ray Vaughan - Texas Flood (1983)

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 ジミヘンフォロワー多しと云えども、今まで見た中ではモノマネレベルでジミヘンの真髄に近づいた人はいなかったように思えるが、唯一独自性とジミヘン性を持ち合わせた天才ギタリスト、スティーヴィー・レイ・ヴォーン。

 ジミヘン云々は関係なく、彼自身が素晴らしいブルースギタリスト、ミュージシャンとは承知している。1982年モントルージャズフェスティバルで行われたブルースナイトに出演していたレイ・ヴォーンと彼のバンド(オーティス・ラッシュの曲から拝借した)ダブル・トラブルは白熱したプレイを繰り広げており、その模様は今ではDVD「ライヴ・アット・モントルー 1982 & 1985」とリリースされているので歴史の目撃者になれる。このライブを見てぶっ飛んだデヴィッド・ボウイは速攻でレイ・ヴォーンに次の自分のアルバムへの参加を要請し、それは「Let's Dance」で実現して、奇しくもボウイ最大のメガヒット作品となった。シングル「Let's Dance」で聴けるエグイギタープレイは多くの人に聴かれ、一躍その筋にスティーヴィー・レイ・ヴォーンの名前が広まった。この時衝撃を受けた人の中に名プロデューサー、ジョン・ハモンドもいた事で即座にファーストアルバムが制作された。トリオ編成による普段の下積みライブ一発録音による、文句なしの傑作が完成し、時代はニューロマンティックスMTV全盛期の1983年6月にリリースされる。

 「Texas Flood」と題されたこのアルバムは当時のシリアスなロックファンが求めていたサウンドが全て詰め込まれた出来映えで、往年のロックに必須の伸びやかなエモーショナルブルースギターがバリバリに奏でられ、且つスピード感に溢れたカッコ良いロックソング満載。ジミヘンを彷彿とさせるそのプレイはテクニック的にも最高峰に近いものだった。とにかくこのファーストアルバムは何度聞いてもコピー出来ないくらいのロックスピリッツとギターフレーズが揃ってて痺れる。リアルタイムで入ったのはセカンドアルバム「Couldn't Stand the Weather」からで、ファーストアルバムと共にひたすら聴きまくった。セカンドアルバム一曲目の「Scuttle Buttin'」の初っ端のギターフレーズはヴァン・ヘイレンよりも速いギターフレーズ弾いてる。セカンドアルバムの方が余裕もあるしサウンドの幅も広がっていてゴージャス感が良い。

 しかしレイ・ヴォーンは白人なのに往年のブルースメンやジミヘンと一緒に語られても違和感ないし、ジミヘンのブルースの側面もきちんとフォロー出来てて、魂でギター弾いてた。白人でこれだけ弾ける人もいない。

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