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U.S. 80s Hard & Heavy #1

Anthrax - Spreading The Disease (1985)

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 破壊力があるバンドやアルバムがメタルでもなく、一般的にメタルはうるさい音と認識されている。しかし割とそうでもなくガツンと来ない方が多い。それはバンドがうるさいからアルバムは音を軽くしているし、ロックの重さとメタルのうるささは異なるのも大きい。だから両方の部分で重さを持っているバンドはホントに重くなるけど。スカッとして車で走る時にこの軽さとスピード感が似合うか。

 1985年にリリースされたAnthraxの出世作「Spreading The Disease」。初っ端からひとつのスタイルを確立した作品で、ザクザクした質感のギターとスピード感溢れる楽曲の中に歌の上手いボーカルが宙を舞うパターンはかなり珍しい展開だった。ある種ハードコアパンクとの融合を果たしている質感は1985年にはやや早かったけど、売れ線まで持っていけたから凄い。キャッチーさと快活な音のヌケ感が凄くて、複雑さもないから聞きやすい。

Anthrax - Among the Living (1987)

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 アンスラックスの1987年にリリースされた3枚目の作品「Among the Living」。当時もリアルタイムで友人がカセットテープに録ってきて「とにかく凄いから」とくれたが聴けなかった。轟音のノイズに歌メロにならない歌が入ってて、様式美的な部分も無くひたすら無骨なゴリゴリの世界。そんな印象で後日友人に「どうだった?」と訊かれて、「ダメだコレ」と返したけど、彼は「そうか〜、そうかもな〜、でもこれ凄いんだよ」と笑顔で言ってた。

 三十何年後の今、また聴いてみた。ミクスチャーな音だったのか。スラッシュのイメージがあったからもっとひたすら速くて何やってるか分からない音だと思ってたけど全然違う所に気づいた。歌はハイトーンではなく、インディアン系だから土着的で後のラップ系も入ってる。そういえば昔アンスラックスのファーストアルバム聴いた時もっとうるさかった記憶があった。時代と共に聴かないと、今からではさすがに入り込めない。しかし好きな人が多い事も分かる。メタリカやメガデスほどではないが、変態的展開とスラッシーな音世界。

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