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The Kinks #1

The Kinks - The Kinks (1964)

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 ファースト続きってで乗ってきました。ザ・フーと来たら次はキンクスでしょう。先行シングルが幾つかあったけど不発に終わり、起死回生のスマッシュヒットとなった「You Really Got Me」をきっかけにアルバム制作に入ったけど、そこに収録されたのはカバー曲が大半を占めるこの時代にありがちな作品だった。その中で今となっては大変際立った存在を見せている作品が「Stop Your Sobbing」。カバー曲全盛のこの時代に「You Really Got Me」と言うオリジナルナンバーでいち早く時代を築き上げ、更にアルバムに収録のこのオリジナルナンバーの「Stop Your Sobbing」はレイ・デイヴィスの非凡な才能が開花していく事を明らかに明示している名曲。新し目のロックファンにはプリテンダーズのバージョンの方が有名かもしれない。もしかしたら「You Really Got Me」もヴァン・ヘイレンの方が有名だったりするか。結局キンクスの良いところはあまり表立って媚びないところなのかもしれない。良い曲が多数あるけど、それで?って感じ。実に類い希なる才能だけどそれを売りにしないところがひねくれ者の所以。

 そして、このファーストアルバムは、半分くらいが彼等のオリジナルで固められていてその他はメジャー所からのカバー曲だけど、これもまた渋めの選曲と言うか、ベタな選曲と言うか、そこかしこで聴いた事のあるようなタイトルがズラリと並んでいる。チャック・ベリーとかドン・コヴェイとか。そうそう「Long Tall Shorty」は、曲はともかくタイトルがキンクスらしく、日本語で言うと「のっぽの小人」だ。ナメてると言うかヒネてる。オリジナルはユーモアあると言えたかもしれないが、カバーするのは相当ヒネている。「Bald Headed Woman」はご存じシェル・タルミーの印税稼ぎ用の曲でザ・フーにも演奏させているし、「Too Much Monkey Business」はヤードバーズでもお馴染みの曲。リマスター盤CDではストーンズもカバーしていた「Got Live If You Want It」がボーナストラックに収録されているし、ホントあちこちで聴かれる曲が多い。ちなみに同年代ながらもほとんどキンクスの方が先にカバーしていた事に気付いている人少ないかも。

 ファーストアルバム的な視点で書くと、やはり「You Really Got Me」と「Stop Your Sobbing」に代表されるキンキーサウンドが今後の全てを物語っているし、やはり良いバンドはファーストにその原石ありです。

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