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カップリングという存在

 

自分が音楽を始めるきっかけになったのって、本当の意味ではカップリングの存在が大きかったのではないかと、ふと思った。

 昔はシングルCDを買うと、タイトル以外にだいたい1~2曲収録されていましたね。カップリングとはそれです。

 もともとはレコードをひっくり返して複数の曲を聴ける構造だったことから「A面」「B面」などと呼ばれていましたが、物理的な「面」が概念として存在しなくなってから、呼称も変わったのだそうです。

 

ま、ともあれカップリングというのはタイトル曲以外に入ってる曲のこと。リスナーからしたら、「おまけ」みたいな感覚です。

 

僕が音楽を始めるきっかけになったのがカップリングの存在だったとはどういうことかというと、純粋に音楽的な興味を開かせてくれたのがカップリングだったという意味です。

 

小学生の時、ポルノグラフィティの「メリッサ」というCDを買いました。メリッサに興味を持ったのは、それがテーマソングとして採用されていたアニメ「鋼の錬金術師」が好きだったからです。音楽としての興味はあまりなかった。

 それゆえ最初の頃はメリッサばかりをリピート設定で何度も聴いていました。カップリングのことはハッキリ言ってどうでもよかったです。

 


そんな状態だったにもかかわらずカップリングを聴く(そしてハマる)ことになった理由も偶然で、一言でいうとたまたまなのですが、、、昔のラジカセは蹴っ飛ばすと音がよく飛んだんです。

 それです。笑

 


最初は偶然だったと思うんだけど、振動を与えると音が飛ぶことに気づいて、わざとラジカセを蹴っ飛ばして音を飛ばす遊びをしていて。友達と競争して、だれが一番遠くまで飛ばせるか勝負していました。

もちろん、ホールインワンよろしくイントロからアウトロまで一気にぶっ飛ばすのが理想的な好成績なのですが、より遠くに飛ばそうと力むあまりに一曲飛ばしてカップリングまで到達したやつがいて。それで初めてカップリングを聴きました。

「見えない世界」という曲。ドラムの躍動感やベースの重低音、歪んだエレキギターの小気味よいカッティングなど、すべてのサウンド感が新鮮に感じられて、それ以来ラジカセ蹴っ飛ばし選手権は早々に辞退し部屋にこもって音楽を聴きまくる生活へと変化したのでした。。。

 


そういう偶然が無かったら音楽に対して抱く興味も生まれなかっただろうし、音楽に興味を持たなければその後の人生も変わっていたと思うと不思議な気分になるものです。

 最近はシングルでも1曲だけの盤も多いし、そもそも盤で聴くこと自体が少ない気がします。

お気に入りの曲を集めて自分だけのプレイリストも簡単に作れるようになったし、音楽の存在の仕方自体が昔とは変わってきたんだな~って思います。

 

曲順に意味を持たせた盤としての作品というCD文化もあるなかで、個人的には頭から最後まで通して聴くのが好きなスタイルではあるのですが

 福袋的な発想で「詰め込む」出し方も、理にかなってはいるよなと思います。

 

どちらが良い悪いでなく。

 

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