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マウントおじさんは必要悪か?


ギターの弦をうっかり切ってしまった。


弦が切れる原因は様々ありますが、僕は定期的に交換しているので劣化による強度の低下は考えにくく。今回は、単純に力んで強く弾きすぎたとか、まぁそんなところだろうと思っています。




ま、そんなわけで、弦を買いに楽器屋へ。

ピックや弦などの消耗品はネットでまとめ買いする方もいらっしゃると思いますが、僕は買うたびごとに楽器屋へ行くのが好きです。気分転換も兼ねて。楽器屋ってそもそも楽しいところなので。なんといっても夢と希望でつくられてますからね。


平日の昼には珍しく、ちょっとだけ混んでる。楽器屋が混んでること自体、珍しいのですが。早帰りなのか、店内には高校生が数人。ギターを背負ってうろついてる。

自分も同じくらいの年の頃、用もないのに学校帰りに楽器屋に入り浸っては、意味もなくピックを買ったりしてたっけ(そんなことを毎日のように繰り返していたから高校を出るころには部屋がピックであふれかえっていたっけ)。



そんなことを思い出しながら弦の売り場へ向かうと、高校生の会話が耳に入ってきた。

かいつまんで要約すると、細い弦を張ろうとしているAさんが、太い弦のほうが音が太いからお勧めだと主張するB君と若干、揉めていた。


弦の太さと音の太さは関係ない、ということをコメントするかどうか。僕は3秒迷ってやめました。


向こうから聞かれたのならまだしも、通りすがりのおっさんがウンチク垂れるなんてきつすぎる。

現に自分だって、学生時分には先輩やらおじさんやらに散々ウンチク語られて白目剥いていたもの。

最近はそういうのがむしろ叩かれる傾向にあるから、いったん喉まで出かかったウンチクを飲み込むおっさんも多いのかな。





外野が少なければ物事に集中して取り組めるし、それはきっといいことなのだと思います。

ただウンチクおっさんがいなくなったことで例えばネットに情報源を求める場合に、そこにいる外野の数ってウンチクおっさんの比にならなくて。それぞれが真実か否かいちいち確かめる暇もないくらい。


そう考えると、むかし僕の周りにいたウンチクおっさん(から語られていたウンチク)は、その表情や語る熱意、演奏技術などに漂う説得力などから、それがどの程度信頼に足る情報なのかなんとなくわかったし、そもそも、みんな良かれと思ってアドバイスしてくれていた。少なくともマウントとろうなんて発想のおっさんは僕の周りにはいなくて。


それがこころからの親切心なのかおっさんの虚栄心を満たすための自己満足なのかは、当事者の間(… というか、ほぼ、言われた側の独断)で決まることなのだけど、それこそ外野から見てるとマウント図式に見える場合のほうが圧倒的に多い。






と、ここまで考えると弦の太さと音の太さの関係性についてあの高校生に黙っていた自分は、本当に親切心で黙っていたのか、はたまた保身だったのか、よくわからなくなる。


保身とは大げさですね。身もふたもない言い方をすれば、単に面倒を避けたというだけのことです。





おまけ


弦の太さと音の太さに因果関係がないと書きましたが、ではなぜ太さの異なる弦を何種類も売ってるのか?という疑問が残ると思います。

人によっていろいろ意見もあるでしょうが、僕が思う一番の理由は「演奏性」です。


太くてゴツゴツした指の人は、太い弦のほうがグリップが効くし、細い弦だとそれこそすぐ切っちゃいます。

逆に手が小さい人にとって太い弦は押弦した際に痛みを感じたりして弾きにくい一方、細い弦だとそういうのがなくストレスフリーな演奏ができます。

※ちなみに細い弦はピッチ(音程)を安定させるのが難しいため玄人向きという意見もあります。


僕は昔はギターによって弦の太さを変えていましたが、最近は統一してすべて同じ太さのものを張っています。

ギターを持ち替えたときに感じる、弦の太さの違いによる違和感が好きじゃないからです。


ま、そんなわけで弦の太さについては考えようによっては深い世界とも言えますけど、深いということは人によって意見の違いが激しいということでもあるので、断定的な物言いはしないほうが波風たたないのかな~~って思っています。




おまけ その2


なんか、弦の太さについて、いつか前にも書いたよな~と気になったので調べたら、本当に書いてました。

これはその当時の「おまけ」。



本文はこちらにあります。今日書いたこととほとんど同じですが、もしご興味あればどうぞ。


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