IoT : 2020年にIoT活用で恩恵を受ける産業

"OpenGeekLab" の記事をまとめる。

元記事

導入

・IoT は、コスト削減、新しい利益をもたらす構造、プロセス改善、新しいユーザ体験、またこれらすべてをもたらしてくれるものである。

・この記事では、IoT活用で大きな利益を得る7つの産業を、IoTとは何か、と、IoT ソフトウェアの適切な導入方法と合わせて記述する。

IoT とは

・IoTは、「物理的にインターネットに接続されたデバイス同市のネットワーク(集合体)で、それぞれがデータとして持つ情報の収集と共有が、そのネットワークを介してできるようなものである」

・(私見)

実は、IoT とは何か、を説明するのは、IoT の話題の中で一番難しい。広い、かつ漠然とした「概念」を指す言葉なので、一言「コンピュータ」とか「情報通信技術」とか言ってるのに等しい。もっと言うと、それがもたらすビジネスや、人の行動、社会の変化までひとくくりにしてIoT ということも、ある。なので、自分は、このようなストーリーで言うことにしている。

・状態を収集(センシング)できるあらゆるデバイスがインターネットに接続されている。
・そのデバイスどうしは、その収集した状態のデータを互いに共有・活用することができる
・その情報を活用すれば、課題の改善や、これまで気づかなかった新しいことを発見できるかもしれない
・なので、人々の仕事、生活に大きな利益をもたらす可能性がある。

もっと端的にいうと、「IoT は、人々をハッピーにするもの」なんて言っていいかもしれない。

さて本題。その、ハッピーになる産業7つ。

1. ヘルスケア

属人性(ひとによって違うとか、セラピストによって対処法が左右されるような、人に結果が依存すること)が少なくなり、より患者が主役のものになるだろう。

IoT のヘルスケアへの活用で、2020年に向けて、大きく進歩するところは、次のようなものである。

・費用発生の低減

IoT やネット接続された健康器具によって、セラピストは患者が目の前にいなくても治療を施すことができる。患者側も、必要以上にセラピストを訪問しなくてよくなる。

・無駄や失敗の削減

データ収集だけでなく、自動化によって、不必要なテスト、高価な撮影といった無駄を減らすことができる。

・より効率的な管理

セラピストが、病院での院内感染、薬や備品の調達に手間をかけずに済むようになる。たとえば、あるセラピストは、患者訪問の管理にApple Watch を、、健康管理票の作成にGoogle Glass のようなスマートグラスを、患者の移動場所の追跡にセンサを使っている、といった例がある。

2. 製造現場(工場)

生産プロセスの改善、設備監視や運用といった、生産効率の向上にIoT を活用している。2020に向けては、つぎのような項目が挙げられる。

・遅延を生じる問題発生の回避

・生産効率の向上(不良率の低下)

・作業員の効率よい配置(作業員自体のスキルを向上させるのではなく)

シーメンスのプラントが最高の例である。

全体工程の75%が自動化され、1,150人が監視のもと、費用削減と生産性向上を実現している。

3. 物流・輸送

費用節減に加え、排気ガス排出量の削減、効率よい輸送、より安全な運行といったメリットを享受することができる。

United Parcel Service は、輸送ルートの最適化を行うシステムをうまく活用し、何億ドルもの費用節減、1.5 億ガロンもの燃料の節減を達成している。

4. 小売業

IoT を活用した「スマート小売店」で、顧客のより質の高いフィードバックを得ることでユーザ体験を向上させ、利益の向上につなげることができる。

Locus Robotics は小売向けIoT として、自動ロボット搬送装置を開発し、倉庫での作業者の負担の軽減、注文に対する精度と対応速度の向上を実現している。世界的な貨物輸送で知られるDHLもm、このロボットを採用している。

"Digital Lumens" は、センサ、LED を活用したクラウドベースのIoT システムで、照明に要するコストを10分の1に削減し、カーボン排出量を劇的に削減させた。最近、Gelson's market も、この照明システムを採用した。

5. 街(市町村)

ビル・建物の管理人は、費用削減のみならず、建物の質の維持向上にも、IoT のソリューションを期待している。

"Smart Ligitning" はスマートグリッドでのエネルギー消費の最適化で大きな費用削減を達成している。

アムステルダムは、ソーラーパネル、家庭用エネルギー蓄積器を住宅に提供して、家庭でのエネルギー使用量がピークでないときは蓄えて、さらにスマートグリッドに「還元」することを実験的に行っている。

6. 農業

温湿度、光量(書いてないけど、水分)などをセンシングし、灌漑システムを自動化することがIoT によって可能となる。また、農業従事者が、現場にいなくとも、土壌などの状態をどこでも知ることができるようになる。2020年に向けては、水の使用、栄養供給の最適化が実現されるであろう。

農業向けIoT のベンダであるJohn Deere は、生産量の最大化を図りたい農家に貢献している。土壌の水分をセンシングし、水分の農作物への共有を最適化するものである。また、このベンダは、栽培、収穫に対するIoT 技術も持っている。

7. 金融

「フィンテック」と言われるものである。効率的なマーケッティングに寄与する。

・個人最適化されたマーケッティング

顧客にニーズに最適な製品の提供、案内を、お金の使い方を追跡することによって得たデータを元に行うものである。

・サイバーセキュリティ

IoT 技術で、顧客の財務データをより堅固なものにすることができる。

・より積極的な(高度な)サービス

IoT で、ATM などのサービスで起きた問題を特定し、顧客にその解決法を、コトが大きくなりより前に提案することができる。

Citibank は、Bluetooth でのビーコンを活用した24時間年中無休、スマートフォンで操作できるATM を導入した。わざわざ近傍にトラブルシューティングのための人員を配置しなくてよくなる、指紋での認証、銀行のオペレータとの動画での直接の会話、といったメリットがある。

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