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蛙はひらめいた。作り手と使い手を結ぶ新しい体験スタートします!

井の中の蛙大海を知らず されど空の蒼さを知る

このことわざを知っている人は多いと思う。

井の中の蛙大海を知らず されど空の蒼さを知る         

確かに井戸の中の蛙は広い海があることを知らないが、井戸から見える空の蒼さなど、井戸の中の世界に長くいたからこそ見えるものを知っているという意味

最近になってこの意味をよく考えるようになった。幼い頃は「井の中の蛙大海を知らず」の部分しか知らなくて、ただの世間知らずなカエルのことだと思っていて、それに続きがあったと知ったのは大人になってから。

あぁ、私は蛙だな…と思う。蛙でいたいと思う。今日はそんな話。


毎日一人、作業場に引きこもって布を作って、糸を巻いたり染めたり織ったり、ミシンを踏んだり、毎日毎日その繰り返し。従業員はいないから人と話すことも少ない。突然の宅配物を受け取る時には声が出ないことも多々。最近家族以外の人と話したっけ?の疑問に、そういえば昨日スーパーで「袋要りません」って言ったなとか、そんな感じ。パッとしないでしょ、クリエイターの現実ってこんなものよ。

そして久しぶりに人と会って話をすると、自分のいる世界の狭さを思い知る。でもこんな自分は嫌いじゃない。自分は狭い視野の人間なんだという事を忘れないように謙虚に人と接したり仕事をしよう、そう思うだけ。

キラキラよりも、ボサボサ、な現実のこの仕事、でもどうしても辞められないのは仕事中に出会う景色が綺麗すぎて、心が洗われるからなんだ。

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これから布になろうとする糸の美しさ。この美しい景色を沢山見せてくれるこの仕事がとても好きなんだ。写真の撮り方が綺麗なんじゃなくて、糸がこの綺麗さを見せてくれる。この美しさを知ってしまっているから、もう辞めることはできないだろうなとさえ思う。

そこで蛙は考える。私の強みはこの場所に長く居るからこそ見えるものを知っているということ。この強みをもう少し活かせはしないだろうかと。

蛙はひらめく。買ってくれた人に、作品と一緒にこの製作風景を届けようって。

そこから色々と動いて、今回サンクスサイトというシークレットサイトを開設した。

商品を購入した人だけが訪れることができる鍵付きのサイトで、パスワードを使って中に入る事ができる。そのページには購入してくれた作品の商品になるまでの美しい写真たちが並ぶ。(上のような写真で、作品によって毎回変わる)

そして文章はこの作品を作っている時の想いや、伝えたいこと、それは手紙のよう。洗濯方法なども記載することにした。洗濯の度に何度も確認できるように、サイトの閲覧有効期限は2年間。

次の購買意欲に繋げることは全く考えていないから、修理もできますと書いちゃってる。商売っ気がまるでない。足るを知るで生きてる蛙。

作り手とお客様だけが知っている、商品になるまでの美しさ。商品になってからの美しさは、お客様と商品と一緒に思い出を沢山紡いでいってもらえればと願う。

サンクスサイトは本日2021年7月20日出荷分からスタートします。(↓表紙はこんな感じ)

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Roccaの新しい試み、作り手と使い手を結ぶ新しい体験としてお楽しみいただければ幸いです。


最近オフィシャルブログサイトを開設しました。毎日ポツリポツリと綴っています。製作風景だけではなく、シェアをしたい色々なことも綴っています。よかったらこちらにも遊びに来てください。

今回もお読み頂き有難うございました。それではまた。


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