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新しい時代へ テキスタイルも舵を切ろう

愛でながら使う、直しながら使う、変化を楽しみながら一緒に歳をとる、それは目には見えない魂に触れる瞬間。
その値打ちを共有できるブランドでありたい。
良い商品をお届けすることは勿論のこと、長く使えるという安心感も一緒にお届けしたいと日々思っています。
美しいと思うもの作りは、美しい消費(知性ある消費)あってこそ成り立つもの。
私のお客様はこの想いに共感して下さる方がとても多く、日々支えられています。

私は新しいものは好きですが、物や服はあまり持っていません。
「最小限は美」という考えではなく、シンプルに自分が大切にできる数しか持たないという考えからです。

物を作る人間なのに、物が少ないのは何だか不思議ですよね。あまり買わないのに、自分は商品を作り続けている。
正直モヤモヤとした気持ちをずっと持っていて、
もっと私らしい視点からの商品のご提案という選択があるのではないか とずっと考えてきました。
その答えは、オールシーズン使える布を作るという事でした。
そう、オールシーズンに適している素材はシルク。さすが天然繊維の王様です。
シルクは吸湿性・放湿性に優れている為、夏は涼しく、冬暖かい素材。

気候変動、環境問題やサスティナブルという提起をした時に辿り着く答えも、いつも同じこの答えでした。

そこで3年ほど前からシルクという素材に着目し、春夏秋冬と4シーズンに渡り販売をしてきました。
真冬でも暖かく気に入って使っていますと、ご連絡を下さるお客様も多く、季節の違う海外のお客様からのお褒めの言葉も頂いてきました。
また、今年度から良いシルク糸の出会いもあったことから、
寒い季節の時はカシミヤを、暖かくなったらコットンやリネンを そうやってシーズン毎に当たり前のように手と頭を切り替えて動かしてきた事を辞め、オールシーズンにこだわったショールを作るブランドとして舵を切ることにしました。

ただ一つ声を大きくして伝えたいのが、私は他の作家さんやブランドを否定している訳では決してありません。
私も繊維や紡ぎを長く勉強してきた人間です。
シーズンが来たら衣替えをして、温かなウールのマフラーに冬の始まりを想う生活やその風景は、
とてもとても愛おしい事だと心から思っています。
季節と共に暮らしているのだと実感できてこそ、人間らしい暮らしなのだという事実も、その為には決して失って欲しくない手仕事だと思っています。

少し違う視点から見た人の小さな話だという事でご理解下さい。

むしろ私は、これを読んで下さっている作家さんと手を取り合って喜びたい。
この手織りという世界は、効率生産性を求める大企業には決して見向きもされないジャンルだという事を。(即ちそれは、潰されないという事)新しい時代を思う時、信じる道をコツコツやってきた私たち万歳!ってもうワクワクしかありません。

最後に、
15年という節目を迎え、振り返りながら沢山のお客様に支えて頂いたなとしみじみと思います。有り難うございます。
続けていくこと、前を向くこと、技術を高めていくことこそ、私を育てて下さった皆さんにお返しできる唯一の方法なのではと思い、
秋から母校でもある文化服装学院に再び通うことを決めました。(申込みしてきました!)

新しいセカンドラインの服のタグももうすぐ仕上がってきます。楽しみです。

このnoteという場所では、私を作り、栄養になったおすすめの本や情報、出来事、教えてもらったことを織り交ぜながら、Instagramとは違う情報発信の場としていきます。

良かったらまた布の話を聞いてくださいね。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

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