不思議な隣人でよろしく
この記事を書いている3月8日はちょうど国際女性デーだから、今日は「自己肯定感」こんな話をしようと思う。
さっき息子がお風呂で質問をしてきた。
「お母さんはいつも僕のことが好き?」
「大抵は好きだけど、コンニャローって思う時も実はあるよ。でも君が学校に行って会えない時には5分に1回は思い出してる」
私は一般的なグッドマザーでいることよりも、1人の人間としての正直さを大切にしたいと思っている。
子供は無償の愛の中で育てなければならないとよく聞く。モンテッソーリ、巷の育児書、賢い子供に育てるための本、この手の返事はまず「勿論いつも好きだよ」が正解らしい。
知っているけれど、私は言わない。
この正解の言葉が子供の自己肯定感を養う為には何よりも大切だと聞くけれど、私は実体験から知っているんだ。この母親の無駄にも思える正直さは、自己肯定感を養う為の立派な種まきなんだということを。
私を産んだ母の記憶は少ししかなくて、笑った顔はすこし覚えているけれど、時々見せた胸が締め付けられているような顔だった方が印象に強くて
切なくなる。
母は私を大事に思ってくれていたのは感じていたし、全身で肯定してくれていたのも分かっていた。でも、母自身の自己肯定感は低かった。
それが幼心に悲しかった。
日本女性は特に自己肯定感が低いと聞く。
(ジェンダーバランスの問題にもつながってくる話ではあるけれど、今回はそこには触れないでおく)
私も大人になり子供を産んで、時々母と同じ顔をしていると気がついた。
結婚したら子供は?と聞かれ
ひとり子供を産んだら2人目は?と聞かれる。
そんなに早く保育園に預けるのは可愛そうと言われて、仕事も小さいお子さんが居るならと断られ、
イライラしたら子供に悪影響だからダメだと言われて、メソメソしたら家庭が暗くなるから母は太陽みたいな存在。だからしっかりしなくちゃねという。私はいつ自分になるんだろう。
育児書の手本のように頑張っているお母さんはたくさん居る。
でも私はもうその場所で生きるのをやめた。
私の母のように生き辛さを抱えたまま生きてはいけないと、母から教わったからだ。
自分を認めることは、自分にも他人にも正直でいるということで、タブーとされ閉じていた自分を解放していく作業だった。
気持ち良いと思わない思考や、
どうにも変えられないネガティブな思考、重たくて仕方なかった思考を分析して夫に差し出す。
「私はこういう考えが嫌なんだ」
夫はそれらを明るく受け止めて、そうだよねとただ聞いた。そしてそう思うならいいんじゃないと言った。時にはそんなこと思ってたのかと笑った。
例えば「夫婦は添い遂げるものという考えは嫌だ。
好きだから一緒にいる そういう考えの方が私はシンプルで好き」
と言った時も、そうだよなと言った。
夫はスーパーポジティブ人間である。
一番の理解者でよきカウンセラーでもあり、私を一番褒めて認めてくれた人。
そんなふうに家族だから、親だから、父だから母だからとたくさん背負っている重たい鎧を少しづつ外していったら本当に楽に生きられるようになって、
自己肯定感が少し上がった今の私は、ネガティブモンスターとの戦い方も上手くなった。
自己肯定感とか何だとかの前に、子供には完璧じゃなくていい、自分に正直で、泣いてもいい場所があるって知っていてほしい。
私は正直な人をみると安心する。
自分に正直に生きていない人は、
自分がそうなれない人の正直さに牙をむいて、
それは間違ってるって批判してくるから。
少し前に話題になったトヨタ社長のロバの話はご存知だろうか。
ロバを連れながら、夫婦二人が一緒に歩いていると、こう言われます。「ロバがいるのに乗らないのか?」と。
また、ご主人がロバに乗って、奥様が歩いていると、こう言われるそうです。「威張った旦那だ」
奥様がロバに乗って、ご主人が歩いていると、こう言われるそうです。
「あの旦那さんは奥さんに頭が上がらない。
夫婦揃ってロバに乗っていると、こう言われるそうです。「ロバがかわいそうだ」
何が言いたいのかというと、「言論の自由」という名のもとに、何をやっても批判されるということです。
(この話はもう少し長く続くのだけれど、ここには一番心に残った部分を抜粋することにして、よかったら皆さんの手で調べてみてほしい)
本当にそうだよね。
最近の世の中は、少々人のあれやこれやに引っかかりすぎる。目を凝らして見てみたら、世間とはいつも近いようで遠くて、理解をする気があるようで、どこか他人顔なんだから。
だからあんまり気にしないで、好きにしよう。
「どこからやってきたのかよく分からない正しさ」に苦しめられることなんてない。
正しいは苦しいから、優しい空気を吸いあいたいよ。
もう一歩近く、
もしもあなたと仲良くなれるとしたら、
「この人は不思議な隣人だな」
くらいの優しい距離感で、どうぞ宜しく。
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今回も読んで下さり有難うございます。
次回は3月23日にまたお会いしましょう!