見出し画像

【日記】pomeraマジック


 今日はフードコートに行きました。わざわざ歩いて行きました。フードコートにラテを持って乗り込みました。迷えるほどに席が空いていました。一番奥の方はそれでもやや人が密集しているようなのであえて奥の方へ進まず手前の方の席にしました。ここと決めた瞬間からそこが自分の大切なスペースになるのでした。さあ、日記を書こうか。


 十分に余裕にあるテーブルの上に、ラテを、pomeraを、A4ファイルを、iPhoneを、メモ帳を、ボールペンを置いたら、さてどこから手をつけようかと思いました。自分の部屋ではなかなかそうはいきませんでした。テーブルの上のスペースは半分以上が余計な物で埋まっているからでした。テーブルが届いた日にはまだそうではありませんでした。最初は何もない完全なスペースがあったのでした。余計なものと言っても、1つ1つに着目すれば余計なものは1つもないようにも思えます。1つについて言えばそこにあっても歓迎されるべきものでした。それが1つ1つ集まって大半のスペースを消した時、1つ残らずそれは悪者になってしまうようなのです。ここまで歩いてきたのも、純粋なスペースへの憧れのようなものがあるからでした。


 テーブルの上のメモ帳はまだ閉じられたままでした。A4ファイルも、iPhoneも、pomeraも、同じように閉じていました。空席の目立つフードコートにかけて、感情が高ぶっていくのを静かに待ちました。


 ペン先は遠く厨房の方を指していました。料理ができあがるのを待つ人の姿はどこにもありません。一帯を冬の時代が覆っているようでした。席を離れる人の姿はあっても、新しくやってくる人はいないようでした。感情を待ち切れずにpomeraを開きました。ウィンドウの陰になってメモ帳もペンもiPhoneもみんな消えてしまったようでした。この街にクリスマスはやってくるのでしょうか。

#日記 #冬の散歩道 #エッセイ #pomera #アイフォーン

#師走


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?