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【詩集】忘れ物がかり

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忘れた頃に詩を書いています
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#小説

微炭酸ムーブ

3日振りに会ったら ポメラは虚ろな目を向けた もう僕を忘れたか ・ ああ 開けっ放しにして…

ロボモフ
3年前
8

遠いゴール/名前をつけて

 つかまえようと手を伸ばしたが、イメージは指の間をすり抜けて行く。見えているようで、ある…

ロボモフ
3年前
15

忘却勇者

「行ってくるよ」  やり遂げるまで帰らない。弱くても崇高な目的を持っていた。  駆け出しの…

ロボモフ
3年前
9

異分子の訪れ

 子供の頃、僕は強い人でありたかった。人前で弱いところをみせるのは絶対に許せなかった。(…

ロボモフ
3年前
7

ごめんなさい(小説が読めない)

いつからだろう 小説が読めない 設定につまずく 人の名前が覚えられない 筋書きが入ってこな…

ロボモフ
3年前
11

ぼくだよ(締め切り)

 いいなと少し思っても一気にすべてをつかみ切ることは難しい。ほんの少し触れたところで一旦…

ロボモフ
4年前
8

傘とイヤホン

 日記には雨の日のことが書かれていた。  君は土砂降りの雨の中を傘もささずに歩いた。さされなかったものについてはそれしか触れていなかった。  実際にはその他さされなかったものは多くあった。君は花をさしていなかった。君は机をさしていなかった。君は刀をさしていなかった。君はパソコンをさしていなかった。君は象をさしていなかった。君はオレンジジュースをさしていなかった。君は総理大臣をさしていなかった。その他さされなかったものはまだまだある。それらはみんなさし控えられた描写だ。日記

A案の消滅

( )でいいですか? 「どちらでもいい」 そう言ったあと あなたはB案も示し 通例ではB案…

ロボモフ
4年前
9

ブルートゥース・ストリート

 右手袋が落ちているのを見つけながら触れないように通り過ぎた。それが路上に落ちた右手袋の…

ロボモフ
4年前
6

ニュー・レコード

ライオンは 柵の向こう 行ったり来たり 落ち着かない (早くみんな帰らないかな) 愚か者たち…

ロボモフ
4年前
2

スーパー・イヤホン

胸に突き刺さった 新しいイヤホン 新しいイヤホンは 耳にやさしいという 新しいイヤホンは …

ロボモフ
4年前
7

生者のミッション

磨かなきゃ…… 寝る前に磨かなきゃ 自らに言い聞かせながら ずるずると 布団の上に伸びてい…

ロボモフ
4年前
3

風のバトン

風を送るもの それは扇子 それは歌 それは冬 風を送るもの それは車 それは手 それは嵐 風を…

ロボモフ
4年前
6

昨日へ届け

イヤリングをさがして 彼女は来た道を戻る 薄暗い夜道の中でさがすには それはあまりに小さすぎ 手がかりがなさすぎる 余計なゴミが多すぎる 道が広すぎる ひっきりなしにサイレンの音が 鳴り響いている 街の治安は悪すぎる また明るくなってから と一旦そう考えたけれど 来た道をずっと戻れば 明るかった頃まで戻れるのでは…… そのような着想をはじめて抱き 想いながら歩く内に日付をまたいだ 月夜から夕暮れへと遡り やがて白昼の自分を見つけ はっとした 「絶対にそれを落とさ