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働くことは、社会での居場所をつくること。|vol.2 月額会員・0さん|ロバートくんとディープな仲間たち

ロバート下北沢に関わる人たちをピックアップしていく連載『ロバートくんとディープな仲間たち』。第2回目は、ロバート下北沢の月額会員・Oさんにお話を聞きました。ロバート下北沢にはどのような人たちが集まっているのか。下北沢に住んでいるというOさんから、お仕事のことから下北沢についてまで、たっぶりとお伺いしました。


ーまずはじめに、Oさんのお仕事を教えてください。

O:もともとスポーツが好きでスポーツ業界にいたんですけど、最近転職をして今はファッションブランドのマーケティングをやっています。規模が小さい会社なのでPRやプロモーション、キャンペーンも含めてまるっと担当しています。

ースポーツ業界からファッション業界に移った経緯はなんですか?

O:いろいろあったんですが、ご縁が大きいですね。大きい会社にいたんですが、そこだと駒の一部にしかなれないもどかしさを感じていて。もう少し規模が小さい会社に移れば、自分の判断で動かせる領域が広がるし、チャレンジもできるかなと思っての転職でした。

ー具体的にはどんなお仕事をされているんですか?

O:商品をどう売るかの戦略を立てたり、その戦略に基づいてどういうプランでマーケティングしていくかを考えたりしています。今の時代はリアルイベントをやるのはなかなか難しかったり、webだけで完結しがちになったりと、はがゆさも感じるんですが…。また、モノを売る立場にありながらそこだけに走らずに、ブランドとしての方向性やメッセージを発信していくのもマーケティングのひとつの役目なので、そこにおもしろさを感じています。

ーマーケティングと聞くと、主に数値をみる職業を思い浮かべてしまうんですが、ブランディングに近いこともされるんですね。

O:よく言われるんですが、数値的な部分と広告的な部分の両方があると思います。webだと最近はAIが数値を自動的に出してくれるので、そこをふまえてどういうクリエイティブを作ったり発信していくのか、具体的な施策を考えるところにフォーカスできるんです。数字を追うだけじゃなくて、その先のことを考えられるようになっているところが、webのいいところだなと思います。

ー逆にリアルイベントだと数値化が難しそうですが、リアルイベントだからこそできることは何かありますか?

O:やっぱりリアルだと実際にモノに触れられたり、空気を感じとれたりと、世界観が伝わりやすいですね。もちろん、Webでもすごく引き込まれる映像だったりたくさんあるんですが、実際のリアルな場に行くとさらに心を打たれるものがあったりするので、五感に訴えかけるためにはリアルの方がいいですね。

ーなるほど。ブランドのメッセージを伝える上で、大切にしてることはなんですか?

O:グローバル企業なので、本社から降りてきたメッセージをぶらさずに伝えることを意識しています。
今の時代のファッションブランドは、多様性や環境問題についてメッセージとして伝えながらも、きちんと取り組んでいる業界だと思っていて。でも日本だと、多様性を謳うにはまだ早いとか、環境問題も全部クリアしていないから発信できないんじゃないかという問題がでてくることもあるんです。だけどそこはなるべく本社の意図を信じながら、あまりひねらずに発信していくことを心がけています。実態はその後からついてくるものだと思うので。そのためにはブランド全体だけなく実店舗とも密にやりとりして、伝えたいメッセージを理解してもらった上で、販売してもらえるように気をつけています。


ー販売店舗が一番お客様に近いところですもんね。店舗には実際に足を運ばれるんですか?

O:以前は出張も頻繁にあったんですが、最近はみんな慣れてきたのでメールやオンラインで済ませることも多いです。でもやっぱり会うとより深く伝わるので、そういう意味でもリアルな対面は大切だと思います。


ーロバート下北沢を利用されるようになったのも、リモートワークがきっかけですか?

O:はい。下北沢に住んでいるので、もともとロバート下北沢の看板は見かけていて気になっていたんです。ある日外出先で突然オンラインMTGが入った時に思い出して、1度使わせていただきました。それ以来、近くにあるオフィスみたいに利用しています。

ーそうだったんですね。ありがとうございます!

O:1年前は子供も夫も家族みんなが自宅にいて、すごくカオスな状態だったんです(笑)。みんなスマホやiPad、PCを使っているから、家庭用のWi-Fiだと追いつかなくなっちゃって。仕事上での重いデータのやりとりができなくて、大変だったんです。自宅だとやっぱり家族のことも気になるし、メリハリをつけるのが難しかったんですが、ロバート下北沢に来てからは生産性があがって仕事がはかどるようになりました。


ーそれはなによりです! 仕事中はどうやって息抜きされていますか?

O:仕事中の息抜きでいうと、YouTubeやオンラインのテレビを観ていますね。会社だと休憩時間でも人と喋ってたりして意外と自分の時間がなかったり、家でそういうのを見ていると罪悪感を抱いてしまうんですけど、ロバート下北沢だと「仕事しに来てるんだし」と、なんだか許される気がしていて。あとはゆっくり本を読んだりもしています。なんだかいろいろ明かしてしまってますね(笑)。


ーOさんが下北沢に住んでるのは、下北沢が好きだからですか?

O:そうですね。もう学生時代からずっと住んでいて。下北沢は若い人のイメージがあるから、歳を重ねるにつれて違うかなと思った時期もあったんですが、移動する理由もなくて住み続けていますね。


ー下北沢との出会いはいつ頃だったんですか?

O:18歳の時に上京したので、その頃ですかね。はじめは三軒茶屋やその周辺に住んでいたんですけど、やっぱり遊びにいこうとすると下北沢なので時間があるとよくブラブラしてました。当時、古着のイメージだったのが途中で変わっていったけど、最近また古着のイメージに戻ってきたり。昔は駅もボロボロで、いろいろ変わりはじめた頃は反対も多かったけど、いざ変わってみるといいじゃんと思ったり。長年いると、街の変化や流れが見えたりといろいろ楽しめるので、もうちょっと居てもいいかなと思います。

ーお気に入りのお店はありますか?

O:カレー屋さんだと「般゜若」が好きです。あとは焼き鳥屋さんも好き。家族経営をされてたり、個人店が多いところが下北沢のいいところですよね。いまはチェーン店も増えてきてさみしさもあるんですが…。でも昔よりも街に清潔感が出てきたので、子供を連れて歩けるところが増えたのは嬉しいです。

ー下北沢には子育てのイメージがなかったですけど、最近は親子連れもよくみかけます。

O:一見子育てしにくそうなんですけど、子供も住宅街やショッピングモールにどっぷり使っているよりは、商店街や地元に根付いたお店がある街で育っていくのが楽しいんじゃないかなと思います。保育園や小学校に行くと、似たような感覚のお父さんお母さんが多いので、気が合う人たちともたくさん出会いますね。あの人はどこそこのカレー屋のお家だよとか、あのお家のお父さんはミュージシャンらしいよとか。あとはスーツを着てない仕事の方が多かったり(笑)。おもしろい人たちがいっぱいいますし、みんな好きで住んでるんだろうなと。なので楽しく暮らしています。

ーでは最後に、Oさんにとって働くとはなんですか?

私にとって働くとは…。社会で生きていると実感するための居場所かもしれません(笑)。 働かずに、のんびりと過ごせたらいいなーと思うこともありますが、働いたあとの休暇や、子供との時間のほうが密度濃く過ごせる気がしますし、子供との会話も広がります。あとは完璧な主婦になれないので、働くことで逃げ道を作っているかもしれません…。ストレスもとても多いですが、逆に精神的な余裕を作っているのではないかと。最近は自分よりも若い世代の方たちが活躍していることが多く、いろんな考えを知ることができるので、一緒に仕事をしていても刺激になります!

ーOさん、ありがとうございました!


(取材/李生美 新野瑞貴 文/李生美)


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