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透明女と砂

海から吹きつける強い風は
浜の砂を巻き上げて
容赦なく私を叩きつけてくる

ああ、少し痛いけれど
気持ちいい

そう私は透明女 
誰も私の姿を見るものはない

私はここにいるのか
永い時間の中で
時々私もわからなくなる

ところがどうだ
この風は
砂で私を叩きつける

砂が私の身体を弾くとき
私は実感できるのだ

ああ私はここにいると

風がどんどん強くなってきた
私の輪郭があらわれくる

ああ痛い
ああ嬉しい

誰か今の私をみて

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