【やってはいけない!前編】部下のモチベーションを下げる上司の特徴9選
1.部下のモチベーションを下げる上司
「部下がどうもやる気を出してくれない」と感じていませんか?この場合、もしかすると上司が部下のモチベーションを下げているのかもしれません。上司の部下に対する働きかけが、実は逆効果になっていることも少なくありません。コーチングの分野では、このように部下のモチベーションを無意識に削いでしまうコミュニケーションパターンを「パフォーマンス・キラー」と呼びます。
このシリーズでは、当記事を含め3回にわたって部下のモチベーションを下げる典型的な「パフォーマンス・キラー」のパターンを解説していきます。前編となる今回は、「批評」「レッテル貼り」「賞賛」という3つのパターンに焦点を当て、具体的な行動例と改善策をお伝えします。上司としてのコミュニケーションを見直すヒントを見つけてください。
2.私が部下のモチベーションを下げる上司の特徴を述べる理由
私が「部下のモチベーションを下げる上司の特徴9選」をお伝えする理由は、かつて私自身が部下のモチベーションを下げるような行動をとっていたことがあるからです。
私は21年間ガソリンスタンドの運営会社に勤務し、うち13年間は店長を務めました。店長経験が浅かった頃は、結果として「パフォーマンス・キラー」となっていましたが、コミュニケーションのスタイルを見直したことで、部下のモチベーションは大きく改善し、業績も拡大しました。
ガソリンスタンドで取扱う商品の多くは、競合と差別化が困難ですから、人材で差別化することが有効な打ち手となります。人材がモチベーションを高く保って販売にあたることは大きな差別的優位性になるということです。
現在、私は中小企業診断士として経営コンサルティングを提供していますが、多くのリーダーが無意識のうちに犯してしまうコミュニケーションミスを正しく認識し、それを改善することで、部下のモチベーションを高めることができると確信しています。では、具体的な内容を見ていきましょう。
3.部下のモチベーションを下げる上司の特徴9選(前編)
(1)批評:否定的な言葉で部下を傷つける
部下の言動に対して、上司が自分の価値観で一方的に評価や判断を下すことです。例えば、上司が部下に「そんな考え方だから結果が出ないんだよ」と言うと、部下は自分の意見や行動が全面的に否定されたと感じてしまいます。これにより、部下のやる気は削がれ、自分の意見を伝えることに対しても消極的になりがちです。
大切なのは、部下の言動の背景や意図をしっかりと理解しようと努め、価値観の違いを認め合う姿勢を持つことであり、以下がポイントとなります。
共感する:部下の気持ちに共感を示し、「~という考え方もありだね」と肯定的な言葉をかける
質問する:なぜそのような言動をしたのか、その背景にある理由を尋ねる
具体的な改善点を提示す:抽象的な否定ではなく、具体的な改善点を提示する
(2)レッテル貼り:部下を一括りにする
部下を一人ひとりの個性として尊重せず、全体をひとくくりにしてしまうことです。例えば、「うちの若い連中はみんなそういうこと言うんだよね」といった発言は、個々の特性や意見が無視されていると部下に感じさせてしまいます。これでは部下のやる気や信頼関係が損なわれます。
それぞれの部下が持つ異なる視点や状況に耳を傾け、個別の対応をすることが、モチベーションを引き出すために重要であり、以下がポイントとなります。
個別に対応する:部下一人ひとりの状況や性格を考慮し、個別に対応する
肯定的な言葉で励ます:部下の良い点や努力を認め、励ます
多様性を尊重する:異なる意見や考え方を尊重し、オープンな雰囲気を作る
(3)表面的な賞賛:心のない言葉で部下を傷つける
部下の努力や成果に対して具体的なフィードバックをせず、表面的な褒め言葉だけで済ませることです。例えば、「よく頑張ってるね」と言いながら、具体的に何を評価しているのかを伝えない場合、部下は自分の仕事が本当に認められているのか疑問を感じることがあります。
これでは、賞賛の意図が伝わらず、逆にモチベーションを下げてしまうことにもなります。具体的な行動や成果を挙げて、その努力に対する感謝や敬意をしっかりと伝えることが大切であり、以下がポイントとなります。
具体的な行動を褒める:「先ほどの顧客対応はとても丁寧でしたね」など、具体的な行動を褒める
感謝の気持ちを伝える:「おかげで、プロジェクトが成功したよ」と、感謝の気持ちを伝える
誠意を持って接する:心から感謝の気持ちを持って、言葉をかける
4.部下のモチベーションを下げる上司の特徴9選(前編)のまとめ
部下のモチベーションを高めるには、上司自身のコミュニケーションが大きな役割を果たします。批評、レッテル貼り、そして表面的な賞賛といった「パフォーマンス・キラー」は、部下のやる気を削いでしまう要因です。
しかし、上司がこれらのコミュニケーションパターンを見直し、部下の意図や背景に耳を傾け、個別に対応することで、信頼関係を築き、部下のパフォーマンスを引き出すことができます。
次回は、さらに3つの「パフォーマンス・キラー」として「相手を無視したアドバイス」「押し付け」「脅迫」について詳しく解説していきます。日々のコミュニケーションを振り返り、少しずつ改善を重ねることで、部下との関係性が変わっていくはずです。
なお、個別企業のモチベーションを高める方策について、ご相談も受け付けております。以下のフォームからお気軽にお問い合わせください。
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