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開発途上国よりもまず、日本の美術教育をどうにかしたい

美術についてのオンライン講座から考えたことを紹介します。

私の考えとして子供が自由にアートを楽しむためには以下5点が必要だと思っています。

・教科書や学校の指導・評価を変える
・時間的ゆとりがあると子供が感じている
・教師の認識を変える
・自分に自信がある、表現したい物・思いがある
・教室が自分の思いを表現できる空間である

しかし私はこの5点をクリアしたことは無い。それにはいつも違和感がつきまとってきたからです。

①教師が子供の作品を評価するという違和感

子供たちの作品を「評価している・できる自分って何者なんだ」と、ずっと思ってきました。

嬉しそうに「~を工夫したの。」と言ってきた児童、無言で作っていた児童、楽しそうに作っていた児童…
そんな子供たちのつくった作品に「大変よい・できる・もう少し」と評価する・・・。

教師も人間なので感性は人それぞれ。図工や音楽を全ての教師がフェアに評価するのは、そもそも無理だと思います。

(最近は成績をつけない学校もあります。)

②現場はアートを楽しむ指導になってないorできてない

「美術は『つくる、かくこと』を楽しめば良い」

それ自体は心の底からよく分かります。がしかし、現場はそうにもなっていません、以下2つ理由を述べます。

1 時間数が足りない

創作活動は「子供の心ゆくまでやらせてあげたい」と思う派。そのため時間的ゆとりはかなり重要視しています。

ただ小学校は時間割・数が決まっているので柔軟には変えられません。

いつも歯がゆい思いで、「終わらなかったら休憩時間!」「参観日には飾るよ!口より手を動かす!!」と強めに指導していました。

2 学年が上がるほど上手い・下手はばれる

実際、図工の授業は運動会の絵・物語の絵など「与えられたテーマ、ものを描け」が多い気がします。特に学年が上がると、写実的な絵も求められる…。
そのため、
上手い・下手がはっきり分かる
      ↓
苦手意識をもつ子供が増える
       ↓
子供が自由にアートを楽しめなくなっている
と私は考えます。

また、8~9才くらい(たしか)になると「自分は他人と比べて絵が上手い・下手」を感じやすくなると学んだことがあります。(客観的な視点を持ち始めるから)ますます指導法に工夫がいります。


③ 教員の認識が古い

講座にもありましたが「参観日で映えるような作品にしなくてもいい。」
そうだと思います!!ですが実際はかなり難しい。

学校に来たら保護者は一番に我が子の作品チェック&スマホで撮影(本当は禁止。)
保護者によっては他クラスとのできばえを比較。
それに伴い、先生同士も他クラスとのできばえを気にし始める。
特に絵は先生の指導力が露呈します。(作品展の入賞数など)


このような理由もありますが、何よりの問題点は「自分が一番図工を楽しめていない」ことだと思っています。

最近は「13才からのアート思考」のような「アートを楽しめ」論調もたまに教員界で聞きますが、まだまだ。


日本は開発途上国に比べたら、図工・音楽・体育もちゃんと行われています。(開発途上国では時間割にあってもやらない、そもそも教科としてない、先生が教え方を知らないなど問題山積。)

ですが、国語、算数などに比べたら軽視されがちです。現場にいたら、これらの教科に時間を割くほどの余裕は無いような気が…。

東京などは図工専科の先生がしっかり教材研究されて、子供が楽しめる授業になっているらしい。(ネット情報)
教育界は人手不足なので、こればかりは地方自治体・学校によりけりでしょう。
(こうなると「公教育とは?」という問題に直面しますが)

何はともあれ、久々に美術教育について深く考えられたので、おもしろかったです。





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