rni

自分の好きな文章を書く練習です。 きっと作家になります。

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最近の記事

もしあなたが親友を殴る夢を見たとしたら

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 朦朧とした意識の中、気がついたら、自分は右手を握りしめ、親友に殴りかかろうとしていた。 現実の自分は絶対にそんなことをしない。 だから、これはすぐに夢だと気がついた。 ……夢だと気がついた。 夢だと気がついたのに、夢の中の自分を、現実の自分は制御することができない。 目の前の出来事から目を背けるために、夢の中の自分は必死に眼を閉じようとした。 永遠にも感じる祈りのなか、現実の自分はようやく眼を覚ました。 まだ、朝の5時だった。 ー

    • 壁打ち②(ベクトル、抽象化、悲観)

      ーー はじめに ーー壁打ち②です。今回のテーマは、「ベクトル、抽象化、悲観」です。どれだけ歳を取っても、22歳当時の頭の中を覗けるようにするのが目的です。就活や2023年のメモから抜粋したものです。全部が自語りなので、苦手な人は読まないでください。色々書いていたら自己啓発本みたいになっちゃった。でも、これが自分だし、内容自体は面白いと思います。何か得られることが少しでもあれば幸いです。 (フレームワーク)誰かに覚えていてもらうためには、ほんの少し人生を変えてあげればいい。

      • 燃え殻(短編)

        私はどこまでやってきたのだろう。 滑走路にも見える道を、月明かりを頼りに、マフラーを靡かせながら流浪していた。 世界を、耳あてで遮音し、マスクで断絶した私への入力は、視覚、すなわち光のみとなっていた。 歩き続けている私にとって、手足から伝わる振動は、既に身体と完全に同期されたものであり、最早ノイズに過ぎなかった。 一体、目前の光景が、MVの撮影に使われるのだとしたら、どのような歌詞が似合うのだろうか。 画面の四隅に向かって霧が漂い、中央には白くリリックが刻まれる。その後方で私

        • 壁打ち①(60年問題)

          60年問題 22歳の誕生日を迎えた瞬間、「あと長くて60年ほどしか生きられないのか」と思ったことを覚えています。年齢を後ろから数える日が来るとは考えてもいませんでした。ただ、僕は毎日のように松屋に通う不健康児なので、予定よりお先に失礼させていただきます。 以下は、「壁打ち」というタイトルで思考の掃き溜めの役割を担ったメモ帳から抜粋したものになります。自分の文章だったり、人の文章だったりします。大学1年生の頃からメモし続けて、最近15000字に到達しました。 今回のテーマ

        もしあなたが親友を殴る夢を見たとしたら

          おはよう、世界の皆さん。(短編)

          私より活動的な羽毛布団。 隣の公園からは元気な少年たちの声。 言うことを聞かない頭のなか。 まだ動き出せない私の身体。 少年たちの駆け回る声。 2回目の目覚まし。 もう起きているよ、と私。 私よりちょっと早く起きている暖房。 用意されている服。 それを横目で見て、寝室を出る私。 今日も寒いよと教えてくれる朝。 顔を洗う。夢と現実が中和する。 歯ブラシを連れて、もう一度部屋に戻る私。 暖かい暖房。ドアの隙間から流れ込む風。 静かなタイムライン。まだ私だけの朝。 口を注ぐ。目に映

          おはよう、世界の皆さん。(短編)

          風化 (短編)

          空っぽな日々を生きている。そのことに気がつくまでには、そう時間はかからなかった。 何をしていても時間はすぎていくし、何もしなくても、同じように時間はすぎていく。 それなら、何かしていた方が幾らか価値はあるのだろう。 なんて思い、自分の歩んできた道を忘れないように、小石のようなちっぽけな思い出を置き、1歩ずつ、おぼつかない足取りだけども、前へと着実に進んでみることにした。ときには風に身を任せるようにもしてみた。そしたらきっと、自分だけでは辿り着けない場所にも行けるような気がした

          風化 (短編)