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Dream Guest 『二人目』

「野郎ども楽しむ準備はできてるかー!」


冒険とお喋りが大好き。
予測できないようなドキドキを求めてディズニーリゾートへと足を運ぶ彼女は、さながら”女海賊”
さあ声高らかに「ヨーホー!」
共に騒げばおれたちゃ仲間だ!


・女性
・二十代
・4〜5回/月(ランド:シー=4:6くらい)



「海賊になろうよ。」



『メディテレーニアンハーバー』の一角にある大要塞。
その前に停泊させてある一隻の海賊船。
大航海時代を模したその造詣は、見るものすべてのワクワクを刺激してくれる。

「あの船は海賊船かな?」
なんて考えたらもう興奮を止めることはできませんよね。

そこからさらにディズニーシーを右回りに進んでいき、『ミステリアスアイランド』を超え『マーメイドラグーン』の鮮やかなパステルカラーに目を奪われながら更に歩を進めていけば、ディズニーシーの一番奥にあるテーマポート『ロストリバーデルタ』にたどり着ける。


1930年代の中央アメリカのジャングルをテーマにしたこのテーマポートには、緑が生い茂り怪しげな遺跡がたくさん。
これから始まる大冒険に胸を躍らせ、手に入れた金銀財宝で何をしようか作戦会議をするために、「野郎どもー宴だー!」と海賊たちが足繁く通う酒場があるのをみんなは知ってる?


その酒場の名前は『ミゲルズ・エルドラド・キャンティーナ』
階段を下りていくとまるでそこは秘密基地。
テラス席から目の前を流れる川を見ながら飲む酒はこりゃ一入(ひとしお)だぜ!

「自然と笑顔になれるように楽しませてくれるところ」

とディズニーの良さを語ってくださり、

「雰囲気やショーが好き」

とディズニーシーへと多く訪れる今回のゲストは、この酒場で友達と一体何をお話ししているのかな。


そんな彼女はインタビューの時からとっても楽しそうでした!
ハキハキとした話し方や終始笑顔が絶えない彼女。
「本当にディズニーを楽しんでいるんだな。」なんてこっちにもワクワクが移っちゃって、きっと楽しい話に花を咲かせているんだろうな。


おっと、そんなことを考えていたら、どこからともなく陽気な声が聞こえてきました。


「ヨーホー!」
「よお、お前たち、楽しんでるかー!」

そう、今回のゲストおすすめのアトモスショー『パイレーツ・キャンティーナ・フィエスタ』の始まりです。

日本語にすると『海賊の酒場祭り』ですね。
名前の通り酒場『ミゲルズ』をたちまち大宴会に変えてしまう海賊たちの祭りです。
『ONE PIECE』でよく主人公ルフィたち”麦わらの海賊団”が宴を催す描写がありますが、なんとあれを”生”で”実際”に体験できると聞けば、行ってみたいと思いませんか?


今はもうやっていないのが本当に悔やまれますが、歌あり演奏あり合唱あり掛け声あり振り付けありのまさしく大宴会です。
今までグラスを振りながら歌を歌ったことがありますか?笑
テーブルを叩いて場を盛り上げたことがありますか?笑
それができちゃうのがこの『パイレーツ・キャンティーナ・フィエスタ』だったんです。


「自分も海賊団の一員になったような気分になれるから」と、彼女は今までで一番好きだったショーにこのアトモスショーの名前を上げてくれました。

わかる!
激しくその気持ちはわかります!!

バンダナ巻いてソーセージ食べて、ジョッキやら樽やらに注がれたお酒を片手に「ヨーホー!」ってぼくも叫びたかった笑


好きなイベントはどれですか?
という質問にも「夏ですね〜、水浴びのショーが好きなんで!」と楽しそうだった彼女。
この海賊の宴も夏限定。
暑さがむしろ演出の一部に様変わり♫


もう一度復活することがあれば、ぼくは行きます!
汗を掻いたっていいじゃない。どうせ濡れるんだしさ。
後先考えないのが楽しむってことだぜー!


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「さあ、あんた達!今日は心ゆくまで楽しんでいきなさい!」って言ってそう。なんて良い写真!



アドベンチャーランド

「まだまだ冒険は続くよ」

「さーて、どんな冒険に出かけようかな」



「楽しむためには」



彼女はまだまだスリルと興奮を求めて、次はアトラクション巡りです。


一番好きな時間帯はいつですかという質問に、
「『メディテレーニアンハーバー』で1回目のショーが始まる前に音楽が流れるんですけど、それが10時30分なんでその時間が一番好きですね。」と答えてくれた彼女。

ショーも好きだしアトラクションも同じくらい好き!

そして、”冒険”と聞いて思い浮かぶアトラクションがありませんか?


『人生は冒険だ』

そう!
ディズニーシーにある『シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジ』です。
Dream guest 『一人目』のゲストも一推しとして教えてくれたあのアトラクション。もちろん冒険が大好きな今回のゲストさんも大好きなんだそうです。

けど、『シンドバット』のアトラクションは前回も紹介しています。
ならば、ディズニーランドだったら彼女は何を一推しに上げると思いますか?


〜素敵な船長さんとの大冒険〜

もうお分かりですね。
彼女があえて終園間近に乗り込み、船長さんと自分たちの貸し切り状態にしてまで乗りたいあのアトラクション『ジャングルクルーズ:ワイルドライフ・エクスペディション』です!


このアトラクションには、ぼくは人生で一度も乗ったことがありません(そもそもまだディズニーリゾートには3回しか行ったことないので・・)

なので、初めてこのアトラクション名を聞いた時には、「あー、聞いたことはあるけれど、一体全体どんなアトラクションなんだ?」と、彼女がなぜこのアトラクションを選んだのかがピンときませんでした。


だけど、こんなにディズニーリゾートを楽しんでいる人が言うのだから絶対にワクワクするのだろうと、公式の動画などを見てみると・・・

ちょっと待って!何この面白そうなやつ!!


とまたしても絶対に乗りたいアトラクションが増えてしまいました。

大きなクルーズ船に乗って、お喋りな船長さんと一緒に大自然を冒険するアトラクションだって?
そんなの楽しいに決まってるじゃない!!


動画には名物船長として自分の好きな船長の動画を上げている人がたくさんいて、「なるほど、この船長との触れ合いすらもアトラクションの一部なのね」と感心。
やるなディズニーと思っていたけれど、いろんな船長さんを見ていて少し違和感を抱きました。


「あれ?これって大本通りに喋っているだけだったりする?」って。


そこで少し調べてみると、詳しいことはわかりませんが、どうやらアドリブが禁止になってしまっているらしい・・・。


どうなんでしょう?
今もそうなのか、昔からほとんど変わっていないのかはぼくにはわかりませんが、これってものすごく難しい問題だなあと思います。

夢の国を夢の国にしてくれているのは、そこで働くたくさんのキャストさんです。
ほとんど行ったことのないぼくからすると、ディズニーリゾートではキャストさんがそれぞれプロ意識を持って自ら考え、夢の国の住人であるように努め、決してゲストの夢を壊さないように最新の配慮をしている。そしてそういった完璧な教育というか、雰囲気を作れているからこそのディズニーなんだという想像をしてました。

人気になればなるほど、注目を浴びれば浴びるほど、それに付随するように不自由になってしまうのは、やはり時代の流れなんでしょうか。


「さっきの船長さんは面白かったのに、今回のはあんまり面白くなかった」
「あの船長さんがいいんで、次の船に乗ってもいいですか?」
「せっかくの雰囲気が台無しになってしまった」
「自分の思い描いている世界観を崩されたんですけど」
「同じ時間並んでいるのに、あの人たちだけ楽しいっておかしくないですか?」


パッと思い浮かぶだけでもこれくらい。
誰もがディズニーに期待をしているからこそ、やはり落差やハードルは自然と上がってしまう。
もし自分が運営の一人だとして、こういったことを言われた時に一体どうするのだろうか。

夢の国には”差別”や”争い”なんてもちろん存在していません。
そんな中で、キャストさんすらもアトラクションの一部に仕上げてしまっているディズニーだからこそ、そこに好みや優劣が自然と生まれてしまうんですよね。


その状態すらもアトラクションとして楽しむ気持ちがあればいい。
「あー、今日はあの人に会えた!やったー!」って子供みたいに。

だけど、情報社会の現代ではそういった演出としての”運”というのはそぐわないのかもしれない。
誰もが平等に会いに行ける。見ることができる。体験することができる。
それが当たり前になっているとしたら、『アドリブ』という文化は排除すべきなのかもしれない。


でも、なんだか寂しい。
だって、大本通りに読んだり、シナリオ通りに動くことなんて、プログラムされたロボットにだってできるじゃないか。

安全は大事。
平等だってもちろん大事だ。

だけど、ロボットじゃできないことがある。
ぼくたち人間にしかできないことがある。


それが『アドリブ』という名の”機転を利かす”という行為だよ


決まりきったプログラムはいつか飽きる。
ゲームに飽きるのと同じように、刺激は永遠には続かない。

だけど、そこにたまに生まれる違いだったり、非日常だったり、想像もつかないことが”時々”あるからこそ、ぼくたちはまたあの夢の国に足を運びたくなるんだよ。

人生と同じ。
何があるか、何が起きるかわからないから人生は楽しいんじゃないか。
最初から決まった道を生き続けることを否定はしないけれど、「明日は何があるのかな」「今日は良い日になるかな」それが希望に変わるんだよ。


だけど、難しい問題だよね。
それこそ正解なんてないお話だ。
”みんなに楽しんでもらいたい”

誰もがそう考えているからこそ、このお話に答えは生まれない。
決まりきった大冒険じゃ物足りない。



と、なんだか熱く語ってしまいましたね。
いかんいかん。

ちょっとナイトクルーズに乗って頭を冷やした方が良さそうだ。
ついでに何か冷たいものでも・・・っておや?
「あなたが持っているものはなんですか?」

「これはアイスだよ。わたしはこのオレンジ味のアイスが大好きなんです!」
「わあー!美味しそうだな〜。一口ちょうだい!」

「だめ!これはわたしのです!」
「そんなこと言わずに、ねっ、一口だけでいいから。」

「ダメで〜す。あっそうだこの後『センター・オブ・ジ・アース』乗ろうよ!わたしコースターが最後にグッとスピード上げる瞬間がたまらなく好きなの!」
「乗ったらそれくれる?」

「だ〜め!」
「そんな〜。」


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ゲストお気に入りのミッキー型のアイス。夏場に食べると美味しいだろうなあ。



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「世界中誰だって微笑めば友達さ」



「幸せな記憶」



さあ、ショーにアトラクションに、たくさんの冒険をしてきました。

今回のゲストは恐らく誰とだって分け隔てなく友達になるれような素敵な方だと思います。
本人は「なんとなく」と答えていたけれど、好きなディズニーの曲は『It's a small world』ですって!

そして”世界中のお土産”をテーマにした『テーブル・イズ・ウェイティング』という『アメリカンウォーターフロント』にある、S・Sコロンビア号の横手にあるドッグサイドステージにて行われた素敵なショーのことも教えてくださいました。

「ショーには曲だけじゃなくてちゃんと歌もないとダメ。MC(アドリブ)があるからショーが好きなんです。」
という答えからも、その瞬間瞬間を楽しんでいて、ゲストやキャストも含めたみんなで楽しもうじゃないか!という想いがぼくには伝わってきました。


本人は「ちょっと〜褒めすぎじゃない?」って言うかもしれないけれどね笑


さあ、そんな二人目のゲストのお話もそろそろ終わりが近づいてきました。



ぼくは彼女にも、聴いてみたかった質問を投げかけました。

Q「もし関われるとしたら何をしてみたいですか?」

「え〜」と迷っていたけれど、ちゃんと答えてくれましたよ。

「だったら、キャラクターのキャストさんになってみたいです。」


Q「ではこちらが最後の質問になります。あなたにとってディズニーとはなんですか?」

「生きがいです。」


彼女は大勢のゲストと同じように、童心に返り、自分の心のリフレッシュやリセットのために、夢の国へと訪れます。

きっと、あの笑顔の裏には、人には見せない辛さや苦しさが隠れているはずです。
生きることは難しい。
楽しいだけじゃないよね。


ディズニーが、夢の国が求められているものの重さをこうして感じると、本当にそこで笑顔を向けてくれる、手を振ってくれるキャストさん一人ひとりに感謝と尊敬の気持ちが溢れ出てきて止まりません。

彼女の好きなキャラクターは「ミッキーマウス」です。
「性格や人間味、仕草などが理想の男性像だからです。」とまで言われている「ミッキー」に、ぼくもそう思われるような人間になろうとプチライバル宣言です笑


彼女は今日もきっと笑顔でいろんな楽しいを満喫していることでしょう。
そんな彼女に元気がなくなった時は、またキャストさんたちが自然と笑顔になれる魔法をかけてくれる。

合言葉は「ヨーホー!」
「野郎どもー!また楽しい大冒険に出発だー!!」
みんなも一緒に、せーのっ!

「ヨーホー!!」



ディズニーに関わるすべての方へ感謝。
これまでも、そしてこれからも夢の国を夢の国にし続けてくれているすべてのキャストさんへ感謝と声援を込めて。

ありがとうございます。
あと「ヨーホー!」

そして素敵なお話をしてくださったこちらのゲストにも拍手をお願いします。
ありがとうございました。



この記事が素敵な体験になりますように・・・




写真:あんどうみく(1、3枚目)えじこ(2、4、5、6枚目)
文 :前田亮
4コマイラスト:めしゃ



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あとがきと質問と回答と


こんにちは。
勝手に”フリーライター”と名乗っている前田亮です。


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