マンチェスターユナイテッドvsリヴァプール~準備したものを表現する強さ~[プレミアリーグ第3節]
第3節は今季最初のビッグマッチ。オールドトラフォードに乗り込んでのナショナルダービー。
その前に、リヴァプールはマーケット終盤にキエーザを獲得してマーケット終了。キエーザ、密かに推してたので嬉しい。EURO2020の輝きをもう一度見せてもらいましょう。
あと、新フォーマットのなったCLではレアルマドリードを引き当てた。
リヴァプール、ずっ友だよ🤍🤍🤍
メンバー
・マンチェスターユナイテッド
ブライトン戦ではアディショナルタイムの決勝点で初黒星。その前節からはスタメン3枚変更。デリフトとザークツィーは加入後初スタメン。右はガルナチョでスタート。
・リヴァプール
前節と同じメンバー。コナテ以外は3試合連続で同じセット。
前半
リヴァプールがミドルサードでセット気味、ユナイテッドが高い位置からプレスに出ていく立ち上がり。思ってたのと逆な展開。
ユナイテッドは4-2-4でリヴァプールのビルド隊に制限をかけに行く。
CBのファンダイクとコナテはザークツィーとラッシュフォードが担当。トップ下のブルーノはCHの監視を優先する。ラッシュフォードがCBまで出た分、右SBのアーノルドにはメイヌーが向かう。カゼミロは後方で余りながら、浮いたところを消していく形。
対してリヴァプールは2-4-4で保持。これまでの2試合と異なり、トップ下のソボスライが左に登場する。ちなみにCFのジョタも左に登場する。
ということでリヴァプールは左サイドを中心に進んでいく。左WGのルイスディアスはサイドの高い位置で張り、SBのマズラウィをピン止め。これでマズラウィとガルナチョの距離間が開き、そのスペースにソボスライが流れる。
ソボスライがサイドに流れて出口となるのは、これまでの2試合では右サイドで頻繁に見られた形。ただ、CHに広いスペースを守らせるという環境をカゼミロとメイヌーのどちらに突き付けるのが効果的か?というところから、今節は左サイドで用意した。
これでカゼミロ周辺でスペースでソボスライとマクアリスターが関わってボールを進める。また、ルイスディアスもライン間で縦パスを受け、マズラウィを抑えながら、広いスペースのある右にサイドへ展開していく。縦への突破はマズラウィに阻まれたルイスディアスだったが、後ろ向きでも奪われない強さで起点となり続けた。
右サイドではSBのアーノルドがラッシュフォードの背中で出口となり、大外のサラーと2人称でアタック。そこにフラーフェンベルフが3人目として絡み、ポケットへと突っ込んでいく。
20分あたりから、ユナイテッドはプレスを諦めてミドルセットへと設定を変更。逆にリヴァプールがハイプレスに出ていく。
ユナイテッドのビルド隊に対して、リヴァプールも4-2-4でハイプレス。形としてはユナイテッドと結構似ている。
2トップのジョタとソボスライ、CHのマクアリスターとフラーフェンベルフの4人でCHを前後から監視。ジョタはCHを背中で消しながら、デリフトへのプレスも担当する。リサンドロマルティネスにはサラーが外切り。
CBまで出たサラーの背中のダロトにはフラーフェンベルフがカバー。これにより浮く中盤のメイヌーにはソボスライがしっかり戻って埋める。
基本的に4バックは後方に残って背後のスペースを与えず。4枚のプレス隊を超えてきたら、マクアリスターとフラーフェンベルフが気合いで潰しに行く。
ユナイテッド側をみると、4枚のプレス隊(1stプレス)を超えてどのように前向きを作るか?が全く見えてこなかった。CHのカゼミロとメイヌーはマクアリスターとフラーフェンベルフに背中から睨まれているため、1stプレスの先で縦パスを受けても反転することはできない。
それならば、ブルーノあたりが中盤までサポートに降りてきて、リヴァプールのマークをずらしにいくだとか。レイオフでCHへ前向きに落とすなどのビルドアップを助けるアプローチが全く見えなかった。
ダロトが中盤に絞って、メイヌーをライン間へと押し上げる形はあったが、特に効果はみられず。むしろリサンドロマルティネスから左の大外へのコースがなくなり、逆効果なんて場面も。
そのため、ユナイテッドのビルドアップはボールを左右に動かしながらマークをずらし、CHがフリーになれば縦パスを送りボールを進めていくというもの。
しかし、リヴァプールの先制点はユナイテッド的には上手く回避しかけたところから。保持でマークをずらしてメイヌーがフリーで前向きを作ることができたが、その後の流れでカゼミロがロスト。
4枚のプレス隊がそのままアタッカーへと変わり、サラーのクロスにファーでフリーのルイスディアスが頭で合わせる。
畳み掛けるように2点目もリヴァプール。ネガティブトランジションでルイスディアスがカゼミロから奪ってカウンター。サラーからのボールを再びルイスディアスが流し込んで追加点。
ここはルイスディアスの守備のスキルが光った得点。あと1、2歩早くカゼミロに寄せることができたが、あえて遅らせてカゼミロが1stタッチしたところで一気にプレッシャーをかける。
カゼミロとしては少し余裕があった分、前を向けてしまったのが逆に痛恨となった。ルイスディアスがもっと早く寄せてきたら、無理せずCBに戻すという選択を取る可能性が高くなり、この得点はなかったかもしれない。
ハーフタイム
0-2で前半終了。リヴァプールの準備してきた形が十二分に結果として現れた。
保持では左からカゼミロ周辺を狙う前進。被保持ではWGを高めに配置してカウンターからSB裏を狙う、ってスロット自身が言ってた。逆にユナイテッドは保持・被保持ともに組織としてやりたいことが見えない。
後半
ユナイテッドはデビュー戦となるコリヤーを投入。カゼミロに責任を押し付ける残酷交代。
しかし、55分に決定的な3点目。中盤でマクアリスターがメイヌーから奪いカウンター。ソボスライからもらったサラーが決める。
ワンタッチであのコースに飛ばすのすごすぎる。
ユナイテッドは前半と変わらず、CHの前向きを作る形が見えてこない。最終ラインから、ブルーノやザークツィーに縦パスが出る場面はでてきたが、距離が遠いため、ファンダイクやコナテの迎撃が間に合い、起点となることはできない。
2失点の原因となったカゼミロとコリヤーを代えて人で解決しようとしたユナイテッドだが、メイヌーでもミスったよということで。人で解決できる部分もあるが、根本的な問題点はそこじゃないよね?っていうのを突きつけられた。
3点差となり、ユナイテッドがミドルサードで保持する展開が増える。前進ルートを左右から。
左はリサンドロマルティネスから配球。ここにはサラーが外切りで出てくるので、その背中をダロトやラッシュフォードが取る。ここにコリヤーやブルーノが近づいてくるので、フラーフェンベルフはどこを抑えれば良いですか?ってなって危ないところが空いてしまう。
このあたり。フラーフェンベルフは自分で動いて抑えようとした結果、スペースを空けてしまっているので、味方を動かして抑えさせる守備を身につけたら、もっとヤバい選手になりそう。保持の貢献度はすでにスーパーになっているので。
ユナイテッドに話を戻して。右からはマズラウィが大外レーンから配球。マズラウィ-ガルナチョ-メイヌーorブルーノの三角形で進む。
3人が絡んでマクアリスターをサイドに呼び込んで、4人目で脱出。批判されながらもなんだかんだで1番得点を演出できるラッシュフォードに1on1を用意する。
マクアリスターがサイドに参加したら、フラーフェンベルフがスライドして出口を閉じたい。しかし、フラーフェンベルフの背中にはブルーノやラッシュフォードがいるので、なかなか左にスライドできなかった。
サラーの意識が前に向いているため、マークを受け渡すのもできず。フラーフェンベルフにとっては左から進まれても、右から進まれてもどこ抑えればいいんや!って感じで困る噛み合わせだった。
上手くいかない中でも、ラッシュフォード→ザークツィーという形で決定機を用意できる質の高さはさすが。しかし、アリソンの壁は超えられず。
劇場は沈黙のまま、リヴァプールが3-0で開幕3連勝を飾った。
おわりに
リヴァプール開幕3連勝!しかも3試合連続クリーンシートのおまけ付きです。
両選手ともに質の高さが見られただけに、采配の差が出てしまった感じ。この試合に向けて準備したものを十二分にピッチで表現したリヴァプール。
対して表せなかったユナイテッド。ハーフタイムの人を代えるだけの修正もちょっと残念な感じでした。
試合結果
2024.9.2
マンチェスターユナイテッド 3-0 リヴァプール
オールド・トラフォード
【得点】
35' ルイスディアス
42' ルイスディアス
56' サラー
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?