クリスタルパレス×リヴァプール〜繋がらないラインの突破は容易です〜[プレミアリーグ第7節]
代表ウィーク前ラストはアウェイでのクリスタルパレス戦。クリスタルパレスってチーム名めちゃカッコいいよね。
メンバー
・クリスタルパレス
今季3分3敗。未だに開幕していないクリスタルパレス。新加入のチャロバーが初スタメン初出場。鎌田は3試合ぶりのベンチから。
・リヴァプール
対照的に5勝1分で首位を走るリヴァプール。好調のガクポがリーグでは初スタメン。カーティスジョーンズも初スタメン。
前半
リヴァプールが圧倒的にボールを握る前半。7分で早速前に出る。
ガクポが大外から斜めに走り込み、簡単にWBダニエルムニョスの背後を取る。クロスにジョタが合わせて呆気なく先制点。ダニエルムニョスはガクポに食いついてしまったことで、通されてはいけないCBとのゲートを広げてしまった。
ガクポのところには出されてから対応にいく形で間に合う。5バックなら右CBがカバーに入りやすいのでなおさら。ダニエルムニョスの判断ミスが招いた失点となった。
先制した後もボールと共に試合を進めるリヴァプール。対してパレスは5-4-1で被保持ミドルセット。
CFのエンケティアはアンカーのフラーフェンベルフを背中で消しながらCBへ。エンケティアがCBまで出たら、CHのレルマかウォートンがアンカー監視役を引き継ぐ。
エンケティアとともにCBへのプレス隊となるのはシャドーのエゼとサール。またレルマやウォートンがCBまで出ることも。つまり2列目の4人ともがプレス隊となり得る。
CBに自由にフィードは蹴らせたり、運ばれるのは制限しにいくパレス。ただ、5-4-1でセットした2列目の4人はCBまで距離が遠く、時間を奪うことはできない。
また、フラーフェンベルフ、マクアリスター、カーティスジョーンズの中盤も抑えることができていないため、CB→IH→SBという形でシャドーの背中を取られたり。CB→アンカー→IHでライン間を取られたりと被保持が機能せず。簡単に撤退を余儀なくされる。
また、左シャドーのエゼはコナテへの矢印が強め。エゼがコナテまで出たら、連動してWBのミッチェルがアーノルドまでジャンプ。このSBのところで嵌めることができれば良かったが、CHの背中を取るカーティスジョーンズを捕まえきれずに逃げられてしまう。
縦パスを後ろ向きで受ける選手に対しては、3CBが迎撃で潰すことができる。しかし、SBから斜めのパスを前向きで受ける選手に対して迎撃に出るのは難しい。入れ替わってしまうと一気にピンチになるので。で、結局は撤退を余儀なくされる。
5-4-1で撤退するパレスに対して横幅広くボールを動かしていくリヴァプール。ここでもやっぱりパレスの2列目がライン手前の相手に対して出ていくことで、ライン間を使われてペナ内まで侵入を許す感じ。
2列目が全く繋がっていない。上の場面だったらウォートンが前に出たら、サールは絞ってウォートンの後ろを管理したい。しかし、繋がっていないのでライン間を簡単に使われてしまう。
サールとエゼも自陣まで押し下げられることで、カウンターに出ていくこともできないパレス。終了間際にラクロワ→サールへの縦パスが刺さった場面以外ではシュートまでたどり着くこともできずに45分を終える。
ハーフタイム
0-1で前半終了。
リヴァプールは2点目、3点目も狙えそうだったが、早々に1点を奪ったことで省エネで試合を進めて1点リード。失点のリスクを最低限に減らして試合を折り返す。
後半
リヴァプールはマクアリスターとソボスライを代えて後半へ。
1点を追うパレスは前半よりもプレス位置を上げてより高い位置からボールを取り上げに行く。3トップはCBへと向かい、フラーフェンベルフはウォートンが最初から監視に出るように。SBのところには両WBがジャンプしてくる。
サラーとガクポの両WGはサイドに張っているため、WBがSBまで出てくるにはCBにマークを受け渡す必要がある。左のチャロバー-ミッチェルは前半からやっていたこともあり、受け渡しはスムーズ。ミッチェルをアーノルドまで押し出して、蹴らせて回収という形ができていた。
それに対して右のラクロワ-クラインはスムーズにガクポを受け渡すことができず。ビルド隊の中では時間を貰えたツィミカスが出口となり前進を探っていく。
図
左から進んでいくリヴァプール。ガクポ-ツィミカス-カーティスジョーンズで時間を作りパレスを集結させ、時間を貰った中央のソボスライやフラーフェンベルフがシュート。
後半もCHのウォートンとレルマが繋がっていないことで左サイドを抜け出されて、左→中央のソボスライ→アーノルドがペナ内まで侵入。また、ファンダイク→サラーの斜めのフィードでゴールへ迫る。
ただ、最後のところで身体に当てて追加点は許さないパレスは60分にミッチェルとウォートンに代えてマテタとヒューズを交代。
この交代で入ったヒューズが流れをパレスに傾ける。被保持ではフラーフェンベルフを監視しながら2度追いでプレスを活性化。保持ではビルド隊に加わりながら、ドリブルで持ち運び、エゼのフィニッシュを演出。
パレスのプレスが勢い付き、より早くボールを前に送るようになるリヴァプール。ボールを早く送れば早く帰ってくる。前半とは異なり、殴り合いのように両チームがゴールへと迫る展開。
その中でクローズに出てきたのが遠藤航。トランジションでパレスに攻撃のターンを与えず。敵陣で過ごす時間を増やして試合を進めて終了のホイッスル。リヴァプールが白星で首位をキープし代表ウィークへと入る。
おわりに
開始早々7分に前に出て、そのまま逃げ切ったリヴァプール。ただ、試合の進め方には失敗した感じ。
後半の殴り合いのような展開になる前に2点差としておきたかったし、1点さのまま進むならば、試合のテンションを上げずに終わらせたかった。その中で遠藤はわずかな時間ながら、自分の存在を示したのは嬉しい部分。
というわけで次は代表ウィーク明け。カレンダーを見ると
チェルシー→ライプツィヒ→アーセナル→ブライトン→ブライトン→レヴァークーゼン→アストンヴィラ
からのサウサンプトンを挟んで
マドリー→シティ→ニューカッスル→エヴァ―トン→ジローナ→フラム→スパーズ→レスター→ウェストハム
で2024年を終える。ちなみに2025年初戦はユナイテッド。鬼ですか!?
試合結果
2024.10.5
プレミアリーグ第7節
クリスタル・パレス 0-1 リヴァプール
セルハーストパーク
【得点】
リヴァプール
7' ディオゴジョタ