ブライトンvsマンチェスターユナイテッド〜少しの運で手にした勝利〜[プレミアリーグ第2節]
プレミアリーグで現実逃避
メンバー
・ブライトン
開幕戦はエヴァートンに3-0で快勝スタート。その前節からはヴィーファーに代わりギルモアがスタメン入り。三笘は2試合連続でスタメン。
・マンチェスターユナイテッド
こちらも開幕戦はフラム相手に白星スタート。ベンチ含めて同じメンバーで継続。
前半
キックオフ10秒からハイプレスを仕掛けるブライトン。
ブライトンはCHのミルナーとウェルベックでユナイテッドのCHカゼミロ・メイヌーを監視。ウェルベックは背中で消して、ミルナーは後ろから睨む格好。
ジョアンペドロがビルド隊となるCBとGKに左を切りながらプレスをかけることで、ユナイテッドの前進を右に誘導する。
左CBのリサンドロマルティネスにはWGのミンテが、左SBのダロトにはSBのフェルトマンがそれぞれスライド。ここで嵌めに行く。
ユナイテッドの左SBダロトは右利き。まっすぐ向かってくるフェルトマンに対して、左足で外から巻く形で裏を取るボールは飛んでこないため、強気に縦に出ていって嵌めようという設定。それでもSB裏のスペースに抜けて来たら、残りのバックラインがスライドして対応する。
対してユナイテッドは2-4で保持。後方はCBとGKのオナナで3枚。オナナが参加しないときはカゼミロが降りて3枚を形成。ダロトまで出てくるフェルトマンの背中を出口として前進を図る。
キックオフ3分で最初の解答。ブルーノがトップの位置からフェルトマンの背中に流れる。このとき、ラッシュフォードとマウントが2トップでブライトンのCBを止めることで、ファンヘッケがサイドにスライドできず。ブルーノはフリー。
これでミルナーにブルーノとメイヌーどちらを見ますか?という環境を突き付けてマークをずらす。ダロトから平行のメイヌー→ブルーノで前進して、逆サイドまで展開。
また、SB裏を取る働きを繰り返したのがトップ下のマウント。基本の配置は右サイドよりのマウントだったが、左サイドまで参加してきて縦パスの引き出し。そしてそのまま背後を取るランニングと連続したプレーを見せる。
一方でブライトンはギルモアがアンカーポジションとなり2-3-5で保持。WGは高い位置。対してユナイテッドは4-4-2で被保持。
2トップのブルーノとマウントがギルモアを背中で消しながらCBのダンクとファンヘッケに向かう。また、右WGのディアロもSBのヒンシェルウッドをマークしながらダンクに向かい、ブライトンの左からの前進を封鎖。逆に左WGのラッシュフォードは内側。大外のフェルトマンに出たら気合でプレスバック。
左を封鎖されたブライトンの前進は右サイドから。ブルーノのプレスは割と緩めなので、ファンヘッケが持ち出してフェルトマンが大外から運ぶ形でミドルサードに入るまでは前進できる。
ファンヘッケ→フェルトマンが開通していなくても、前進ルートは多彩なブライトン。18:10ではミルナーがサイドに流れて出口を作り出す。
また、ジョアンペドロが右サイドまで参加して出口となる場面も。
IHの2人がポジションをずらしながらユナイテッドのマークをずらして、出口を作り出す。また、全員がマークにつかれて選択肢を全消しされたときには、ビルド隊からウェルベックまで飛ばしてプレス回避する形も装備。
ブライトンのよいところはポジションが変わってもホルダーに対してポイントに立って、選択肢を用意できること。ミルナーがサイドに流れれば、ジョアンペドロが右ハーフスペースまでスライド(18:10の図)。縦パスが入れば、位置を上げてサポートに入るフェルトマン。大外でミルナーが持てば、内側に絞ってダロトの背中から裏抜けするミンテ(11:30の図)。こんな感じで全体が連動して動いている。
そして先制点はブライトン。左で受けてドリブルでサイドを横断したジョアンペドロが右からのアーリークロス。ファーに流れたボールを三笘が拾いグラウンダーのクロスをファーでウェルベックが合わせる。
ジョアンペドロが構築に参加した分、SBのヒンシェルウッドがペナ内まで入った結果、三笘が余る形に。この辺りも全体が繋がっている。三笘は最初の仕事でアシスト。
ハーフタイム
1-0でブライトンがリードして前半終了。ブライトンは2回ほどマウントに左サイドを突破されたが、それ以外はしっかり止め切った。保持では左からの前進を塞がれた結果、三笘の見せ場はなし。それでも1回のチャンスで得点を演出したのは流石。
後半
ユナイテッドはマウントに代えてザークツィーを投入。ブルーノがトップ下に。
後半立ち上がりはブライトンがIHのミルナーとジョアンペドロを中心にチャンスを作る。キックオフ10秒でジョアンペドロがドリブルで持ち運び、相手を引き付けてミルナーへ。フリーでシュートを放つが枠の外。
55分にはGKからウェルベック→レイオフでジョアンペドロが受けて、ユナイテッドのプレスをひっくり返して速攻。右から斜めに走り込んだミルナーが決定機を迎えるが、ダロトがギリギリでクリア。
ミドルサードでのブライトンの保持はSBがアンカー脇を取る2-3-5。左IHのジョアンペドロは右まで出張したり、低い位置でボールを受けたりとフリーマン役。その分、ジョアンペドロが空けた左のハーフスペースにヒンシェルウッドやミルナーが侵入していくことで、相手はより捕まえにくくなる。
ユナイテッドは保持でダロトとメイヌーが頻繁にポジションを交換するようになったが、特に効果は現れず。ブライトンは全体の重心を前半よりも下げつつ、ミルナーがミンテが出ていったときのWG裏をカバーする形で対応。これで背後のスペースを空けさせない。ミルナーおじさん働きすぎ。
ユナイテッドとしてはマウントを下げたことも逆効果だった。前半のラッシュフォードが中央でCBを止めて、ブルーノとマウントのコンビで左サイドに流れて攻略する形が薄くなった形。
ザークツィーはトップから動かず、ラッシュフォードも真ん中あたりをウロウロ。一度ブルーノがフェルトマンの背後へ抜け出したが、ブライトンが重心を下げたことで、ミルナーのプレスバックが間に合っている。
それでも次の得点はユナイテッド。右サイドでマグワイアからメイヌー→マズラウィがライン間で前を向いてディアロが裏抜け。切り返してヒンシェルウッドを交わしてネットを揺らす。
同点としたユナイテッドはラッシュフォードとガルナチョを交代。この交代からブライトンを押し下げていく。
ガルナチョ投入から、ユナイテッドはミドルサードではメイヌーが左落ち、カゼミロがアンカーポジションで3-1保持。メイヌーでWGのミンテをつりだして、ガルナチョ-ダロト-メイヌーの三角形で左サイドから押し込んでいく。
押し込んだらカゼミロが4人目として参加。65分にはペナ角あたりからカゼミロがミドルシュート。
形としては良いが、ハーフスペースあたりからのシュートなりクロスなり崩しの部分のおいしいところを担うのがカゼミロっていうのがうまく噛み合わない感じ。
その後はお互いにカウンターを撃ち合うような展開。69分には完璧なカウンターからガルナチョがネットを揺らすが、ザークツィーの悲運はオフサイドで取り消しとなる。
劣勢のブライトンは90分に3枚替えで最後の一押し。フレッシュなエンシソ、ラター、アディングラで両サイドからゴリゴリに押し込んでコーナーキックを獲得。
アディングラのクロスにファーサイドでフリーのジョアンペドロが勝ち越しゴール。ブライトンが劇的な開幕2連勝を飾った。
おわりに
ブライトンが開幕2連勝。普通に強い。
あとジョアンペドロが全部やるマンになってて圧倒的。38歳ミルナーおじさん攻守に働きすぎだし、ギルモアのプレス隊の背中で現れるうまさ。この2人がいないときどうなるかは不安な感じ。ギルモアが移籍したらキツイね。
競り負けたとはいえ、ユナイテッドも希望のないシーズンではなさそう。デリフト・ガルナチョあたりがスタートから出てくるようになればより安定しそうだし、たくさんいる怪我人が戻ってきたら、選択肢も増えておもしろそうです。
ということで今回はここまで。最後までご覧いただきありがとうございました。次回もよしなに。
試合結果
2024.8.24
プレミアリーグ第2節
ブライトン 2-1 マンチェスターユナイテッド
アメックス・スタジアム
【得点】
ブライトン
32' ウェルベック
90+5' ジョアンペドロ
マンチェスターユナイテッド
60' アマドディアロ
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