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トイレマークのわかりやすさについて

今日は、日常的によく見かけるトイレのマークについて。
先日、ある駅でトイレに行こうとしたら、一瞬どう入れば良いのか戸惑ったことがありました。その場所の写真がこれです。

これ、ぱっと見たときに(張り紙をじっと見なかったとしたら)、マークの右側に男子、マークの左側に女子トイレがあるように見えてしまいません?
そう思って、右に曲がろうとすると、壁。。。
実際には、マークの左側がトイレの入口で、その中に男女それぞれの入口がありました。
間違う人が多いのか、大量に張り紙されています。

そして、別の駅でも似た話が。さて、下の写真の場所、女子トイレはどこにあるでしょう?

これも張り紙をを見ればわかるように、マークの右側にトイレ自体の入り口があり、そこで男女に分かれています。
けど張り紙があっても、ぱっと見たとき、マークの左が女性トイレの入口って思ってしまいませんか?

これらの問題って、マークの中の男女間に縦線があることが、赤青マークでトイレという概念以上に、男子トイレと女子トイレを分ける表現になってしまい、さらに左右の方向という意味を持ってしまったんだと考えられます。
試しに、最初の例から棒を取ってみると、、、

最初の画像と比較すると、右に男子トイレがありそうな感覚は少し減ったような気がしませんか?(男性と女性マークの間が気になって、左右の方向感がまだ少しはあると思いますが)

後者の事例も、赤と青の間の白線を消すと方向性の意味合いは(多少は)減ると思います。ただ、ガラッとデザインを変えたほうがよりわかりやすくなるとは思いますけど、、、

この問題、厄介なのが、トイレのマークを単体で見た場合、棒の有無で大きな意味の違いを感じることはないところです。下記のようにマークだけ見ても、トイレのマークという認識以上に、左右の方向に関して大きな意味合いは感じないのではないでしょうか?

ところが、これがトイレの入口に貼られると一気に、左右という方向性を感じてしまいます。恐らく、これらのトイレをデザインされた方も、線に対して大きな意味合いが持たれるとは思わず、デザインされたんだと思います。

今回紹介したのは、デザインって一部分だけ切り出して単独で完了させることはできず、ちゃんとコンテキストを考慮しないといけないという例でした。こういう問題はデザインをしていると、あらゆる場面でよく起きることで、かつ、デザインしている本人は気づかないことが多い問題です。
自分事だと思って注意していきたいと思いました。

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