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ピアノ調律師を描いた映画「羊と鋼の森」を見て

Netflixで、ピアノ調律師が主人公の映画「羊と鋼の森」を見ました。高校時代に出会った調律師に感銘を受けて、自らも調律師の道に進んだ主人公が、いろんな出来事を経験する中で、調律師として成長していく様を描いた作品。

タイトルの「鋼」とはピアノの弦のこと。「羊」はピアノの弦を叩くハンマーという部品の先についているフェルト素材のこと。そして「森」は主人公が生まれ育った故郷の森のことであり、かつピアノの素材そのものを指しています。

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ピアノの調律という作業は本当に素晴らしい仕事で、私も年に何度か立ち会うことができますが、ぼーっと調律作業の音を聞いているだけで幸せな気持ちになります。

調律したてのピアノから流れる、澄んだ水のような音は本当に一瞬のきらめきで、時間の経過とともにだんだん音は狂ってきますので、儚いものだなと思います。

ギターやバイオリンであれば自分でチューニングすればいいわけですが、ピアノはそうは行きません。

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昔、同じジュニアオーケストラでバイオリンを弾いていた幼馴染の友人がいて、その子はとにかく耳がよくて、本当に微細な音の高低を聞き分けられる能力を持っていたので、結果的に調律師の道に進んだのですが、彼女いわく、「調律師の学校で重要だったのは、耳の良さではなく木工加工および力仕事ができるかどうかだった」と笑って言っていましたが、調律師って本当に大変なお仕事ですね。

映画は後半に、「尊敬する先輩調律師が、実はロックバンドのドラマーだった」というくだりがあり、そのバンド演奏シーンは(元ロック畑の私に言わせると)リアルさに欠けて、気持ちがふっと冷めてしまいましたが、本当の調律師の方がこの映画を見たら、随所に登場する調律シーンは、案外ちゃんとしてるのかツッコミどころ満載なのかは聞いてみたいところです。

とはいえ、劇中で流れるピアノ演奏の録音などにも耳を澄ましながら、楽しむことができました。
https://www.netflix.com/title/81292897?s=i&trkid=14170034

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