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一次情報を用いたサイト改善の可能性について

川手@RKawtrです。

以前ブログにも書いたように、運用型広告は現在、人が手間暇をかけるポイントが大きく変わりつつあります。


何に投資し、運用型広告で成果を出すか

かつて下記ブログに書いたように、かつてのように管理画面におけるキーワードごとの入札を細かく1つずつ変更し、雲泥の差が出たのは今や昔の話。

もちろん今でもそのようなケースは時たま耳にしますが、そのようなケースは、今や極めてレアケースと化しているのではないでしょうか。

広告主側のニーズも変わり始めており、特に運用型広告を配信した結果、業績そのものが伸びている広告主の場合、徹底した費用対効果の追及は「ほどほど」に留め、「今現在の費用対効果を維持しながらも、どこまで広告でビジネスをスケールさせることができるのか」という点に重点を置いているケースも増え始めているように感じています。(ここまで書いて、Mugenについて語りたくなりましたが、タイトルからあまりにも逸れてしまうので、ここまでで留めておきたいと思います)

もう一部の媒体では管理画面の簡略化が進んでいますが、個人的には人間が細かく設定し、詳細な仕様を追求せずとも、ほぼ全ての媒体においてかなり高精度な自動的な最適化が実施される時代が到来するのではないかと考えています。その時に、本来であれば今まで管理画面に向き合うために投資してきた時間を、広告運用者は何に投資すべきなのでしょうか。

広告運用の現場で、それをひとり黙々と考え続けています。

例えばAIが「100点満点」中80点の広告運用を展開してくれるのに対して、人力を突き詰め20点の加算を狙うのはとても重要なことなのですが、実社会において「100点満点」の広告運用という概念は存在しません。そして、管理画面外の要素が実際のユーザーの購買に強い影響を与え、時には管理画面の細やかな調整の積み重ねを秒で突き動かし、とても大きな変化を、良くも悪くももたらします。

例えば「サイト」です。

「サイト改善」の可能性、実例について

自分はその「サイト」への取り組みとして、かなり「サイト改善」を重要視しています。中でも特に表面的な利便性を追求するだけの改善に留まらない、泥臭くも手足を実際に使い、情報をかき集め、可能性を追求する形式でのサイト改善には、無限の可能性があると考えています。

例えば実際にコンバージョンしたエンドユーザーとお酒を片手に一夜語り尽くし、「なぜコンバージョンしたのか」といった話を直接ユーザーから伺い、顧客アンケート、機械的な応対の類では決して聞き出せない声なき声を受け止め、それらをサイト改善に用いたこともあります。以下がその詳細をまとめたブログ記事になります。

またヴィーガン関連の商材を取り扱った際は、自分自身も1週間ヴィーガンを体験し、エンドユーザー目線を自分自身の中に植え付け、どのようにヴィーガン関連情報をユーザーが収集しているかを知ることで、ある種、自分自身がペルソナにもっとも近い存在となり広告施策・広告戦略を提案する他、それらの体験をベースに、ヴィーガンがサイトのどこをよく見ているのかをまとめて指摘し、サイト改善を提案するなど展開しました。

自分は、広告は飲食店における「ドア」のようなものだと考えています。どのようなドア(広告形式、広告訴求における切り口)を、どこに設置するか(配信面)はとても重要だと思います。しかし、ドアの装飾や塗装への必要以上の、異常なまでの執着は、リピート率やLTV、顧客満足度、入店率(コンバージョン率)に大きな変化を与えることまでは期待できません。これは目標も基準値も、計測期間も、ルールも設定せずに、無目的に実施されている過度な広告ABテストに価値はなく、それによって成果を伸ばすのは難しいという話にも通じる点があるのではないでしょうか。

しかし店員の接客態度、お店の清潔感、品数の豊富さは、顧客のリピート率やLTV、顧客満足度、入店率(コンバージョン率)に大きな影響を与えます。(少なくともドアの塗装よりも...そのはず!!)

そのため自分はサイト改善を重要視し、サイト改善のための一次情報収集に時に奔走しています。

自分以外にも、一次情報を用いてサイト改善を実施されている第一人者の方がいらっしゃいます。ギャップライズの鎌田さん@kamatecです。

クライアントさんのさりげない一言や、エンドユーザーの言葉に耳を傾けられるか否かで、いかに大きな情報を拾い上げることができるかということが伝わってくるツイートです。コピーを変えるだけで、サイトの雰囲気は大きく変わります。特に多くのお客さんにとって、「これ...私!」となる場合はなおさらです。

他にもアナグラムの秋山くん@yutaro_akiyama(一緒に働いていたことがある間柄なので、君呼びをご勘弁)もブログの中で、「商品やサービスを体験する」ことで思わぬ気づきに恵まれることがあるという点について、かなり具体的な指摘をされています。

実際に利用してみれば商材が自分ごと化し、関連する情報がスムーズに頭に入ってきやすいですし、商材のここが使いやすいとか、プロモーションされている機能よりこっちの機能の方があって嬉しいなどクライアントも気づいていない発見もあるかもしれません。(記事より一部引用)

このように自身の「体験」から、「こうした方がいい」「ここをプッシュすべき」といった"気づき"は、いくらでも芽生えます。そしてそれらの"気づき"は、管理画面を見ていて見つけられる"気づき"と、決してイコールではありません。そのため時には管理画面を閉じ、時には実際にエンドユーザー、商材から学ぶ機会を設けることは、とても大切なことなのです。

音声コンテンツ(stand.fm)において、栗原さん@kotakuriharaもBtoBマーケティングにおいて、実際に顧客に会うことの重要性について触れ、かつ具体的な方法論についても言及されています。

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