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一般企業で働いていた私が、障害者枠で特例子会社で働いた時のことをお金のことも含め赤裸々に記します。【約1万文字】

このノートでは下記の方を想定して書いています。

・現在障がいを抱えていて、障がい者枠で働くことを検討している方
・就職先として特例子会社を検討されている方
・身近に障がいを抱えた方がいらっしゃる人
・障がい者雇用や特例子会社の内実に興味のある方
・精神的な障がいがあってもそこそこ稼げるようになりたい方
・特例子会社への入社を検討している健常者の方


私が特例子会社に入社するまで

自己紹介でも触れていますが私は10代前半でうつやPTSD(心的外傷後ストレス障害)と呼ばれる症状に長年苦しみ、20代後半の時に発達障害(ADHD・ASD)のグレーゾーンであると診断をうけました。そのころ、変なプライドをもっていた私でも一般企業での就労は難しいと考えざるえなく、精神障害者保健福祉手帳を取得し、就職先を探すことにしました。

精神障害者の就業率は約4%、失業率でなく就業率です。私は幸運にもはじめから正社員として就業することができました。

私は精神障害者では雇用されることは厳しいと考えておりましたが、その時点では20代後半という若さであり、一般企業での社会人経験もあったので、障害者枠で働く場合、そういう要素が就職において有利に働いたと考えていいと思います。

また、当時と比べて精神障害者の雇用の機会も増えていることがここで具体的な数字は出しませんが政府統計からもあきらかになっています。
ただ私の意見としては精神障害者を雇用するまではともかく、「働き続けられること」へのハードルは依然として高いと考えています。

私が就職できた特例子会社はだれでもその名を聞いたことがある大手企業の特例子会社でした。仮にその会社を「プレステさん」と呼ぶことにします。命名の理由は私が十台の頃、プレステに没頭していたのでそれをあてはめました。

特例子会社がどういう会社形態か不明な方のためにここで簡単に説明しますと大手の会社が子会社として会社をつくり、その子会社で雇用した障がい者の数を親会社の障がい者雇用数にカウントできる、そのために作られた会社です。
要するに本来同じ会社内で雇わないといけない障がい者を別会社を作りそこでまとめて雇用することで障がい者の労働環境を整えやすくし、親会社の法定雇用率達成も可能とすることができます。

私の勤めていた特例子会社は社員の2/3以上が何らかの障がいを抱えている会社でした。その中で精神障がい者にカテゴライズされる人は全体の約4%程で身体的な障がいを抱えている方が多い会社でした。

九州内で大手の特例子会社が集中して設置されている地域で、現地の障害者向けの就職相談会へ参加後、ウェブサーナという就労を希望する障がい者と企業のマッチングサイトを通じて「プレステさん」に応募しました。
加えて、就職相談会参加時、別の特例子会社にも応募し書類選考を通過することができました。

理由は後述しますが結論から言うと「プレステさん」に入社したことは私にとって失敗だったと感じています。「プレステさん」はハローワークにも年間を通じて求人募集をかけていました。
一般的な企業にも当てはまることですが、ずーっと求人をかけているような会社はやはり要注意、だということです。

「プレステさん」ともう一つの会社の2社で面接をする機会を私は得ることができました。当時鹿児島に住んでいた私にとって、九州の別の県にあったそこに行くには負担でした。「プレステさん」は面接の交通費を負担し、もう一つの会社は自費でいくことが定められていました。そのため、「プレステさん」のほうがいいじゃん、とその時は感じたものでした。

面接では3人の面接官との面接、SPI試験と作文が行われました。面接自体は自身の障がいへの理解やストレス耐性について尋ねられました。
作文は入社後に行いたいこと、SPIは簡単な計算をたくさん回答するようなものと行いました。

その後、「プレステさん」への入社が決まり、もう一つの会社については辞退させていただきました。

当時は精神障がい者とカテゴライズされる者が雇用されること自体ハードルが高く、「プレステさん」への入社を渋るような態度はみせなくなくこちらに入社する判断をしました。
ただ、今もし同じような立場の方がいれば精神障がい者であることで自分を割り引くような思いを持つことはなく自身の納得がいく会社を慎重に選んだほうが良いと伝えたいです。
面接合格の知らせは本当にうれしく、絶対逃したくないチャンスと感じるかもしれませんが自身の興味関心のある仕事か、本当に継続して働くことができそうな環境か、自分に付加価値をつけることができそうか、可能な限り精査して判断するべきだと考えています。

「プレステさん」への入社にあたって会社に求める配慮としては「配属先の上長に定期的に面談する機会を設ける」というものでした。

また、会社側からは社内で精神障がいを雇用することに不得手なので協力関係にある社会福祉法人から月1で精神保健福祉士に会社に来てもらい面談を行うことを提案されました。
私自身、うつ病や発達障害(ASD・ADHD)の特性についてはある程度病識はあるつもりでしたが仕事をするなかで具体的に会社にどのような配慮を求めればいいのかについては、自分も会社も手探りの状態だったので定期的に面談する中で配慮してもらえることをあきらかにしていけたらと考えていました。

お給料のお話

基本的に特例子会社での給料は低いです。まず構造的な課題があり基本的に特例子会社は赤字企業であることがほとんどです。そして赤字となろうとも親会社から資金が供給されたり、貸付が行われる為、特例子会社の経営者、管理職に潰れる可能性を肌身で感じるような本当の意味での危機感はありません。

経営成績は悪くとも親会社が結局面倒を見る、そのため変化を起こすことを嫌いどこまでも保守的となり、そうなると従業員の給料を上げる機会は無くなります。私の場合は中途で月給、

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