Drunken Whale

跳ね上げたまつ毛になめらかな肩が露わ
人工の甘い匂いと上向きの体温
「きらきら」が全部濁音になっちゃって
海はお祭り騒ぎのただの口実
陽に透けた髪が燃えて
リピートされる波を当然だと疑わず
瓶をあおった喉の向こう
いつしか爪は艶やかな貝となり
塗ったものも全部はがれ落ちたら
帰りの電車ではもたれかかって
潮味のくちびる
ひりついた肌
砂の名残
次の夏までには消される画像

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今年の海は「Close」のままなので
そんな君らを見ることもない

静かでたいへんよろしい
だけども空が重くて重くて
どこもかしこも船酔いしてる
なんだか調子も出ないので
うずまきの奥に沈んだ嬌声を
時々 再生しながら 
次の夏まで 眠ろうと思う

(もしかしたら 次の次の夏まで)



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