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消極的ポゼッション戦術でJ1を戦ってみた

使ったのはゲーム2年目、昇格直後のファジアーノ岡山。

予想順位17位で9位は立派

失点数は浦和、川崎Fに次ぎ、名古屋に並ぶ39点で3位。かなり硬い守備のチームと言える。昇格直後のチームは大量失点しやすいのでかなり効果があったのではないだろうか。

基本の考え方

ローリスクなサッカーを守備的なサッカーととらえる。
ここでのハイリスクな状態とは相手に高い位置でボールを持たれることとする。

では、それを実行するために重要な点は何か。

  1. ある程度高めの位置でボールを持ち続けること

  2. 一気にボールを進められてしまうカウンターを通しにくいこと

1についてはポゼッションサッカーをすることで自然と解決する。実際、現代サッカーに於いては試合を支配する強豪チームはさほどディフェンスに重点を置かなくても失点は少ない。また、そこからあまり強引に攻めないことでさらにローリスクになる。
2は前がかりのボール保持を行うと必然的にカウンターが通りやすくなる。守備を重視するポゼッション戦術を取るなら、攻撃の枚数を少し削ってでもカウンター対策の人員を置く必要がある。

この点を重視して組んだ戦術がこちら。

実際に組んだ戦術

見た目は中盤スカスカだが、実際は中盤の人数は2(MF)+2(WB)+1(リベロ)なのでむしろ多い
対浦和戦(0-0)パスマップ。とにかくパスを回して時間をかける。

ポゼッション重視

出来るだけ高めの位置でポゼッションしたいのでティキタカをベースとした。ラインは高めにしつつ、ハイプレスまではせず陣形を保つ方を重視。
ティキタカはショートパスとスローな展開の粘り強いボール保持が特徴の戦術で、昔、バルセロナが使ってた頃は相手DFの細かい隙間を通して相手のディフェンスをぶち抜いていたが、うちのチームにそんな器用なことはできないのでここはかなり改造している。

インバーテッドWB(偽WB)&ウイング

カウンター対策とポゼッション安定を兼ねるインバーテッドWBが戦術の核となる。インバーテッドWBは攻撃時に前ではなく中央寄りに動いてビルドアップに参加するため、カウンター対策とポゼッションを両立しやすい。

弊害としてはサイドが空くこととサイド攻撃がしづらい事だが、

  • サイドの攻守はウイングに任せる

  • インバーテッドWBからウイングへのパスが斜めなので、相手ウイングやMFにカットしにくい軌道になるため間接的には貢献している

といった形で解決している。

ここはSBでもいいのだが、必要とされる技術はほぼボランチのものなので、ボランチの選手をコンバートしやすいWBを採用した。
Jに足元器用な本職SBとかほとんどいないので

リスクを取ることを嫌う戦術なので、サイドライン際でSBとの勝負に勝つだけというローリスクでそこそこのリターンがあるウイングが起用されている、という面もある。

変更点:ターゲットFW+ターゲットFWに配球

バルサではディフェンスラインから組み立てることで相手チームを誘い出す戦術だったが、下位チームのファジはむしろプレッシング回避のためにGKは遠くに出す。
必然的に1トップは空中戦に長ける選手が必要になるが、元々ファジには190越えの櫻川ソロモンとルカオがいるため、彼らの特徴を生かすだけでよい。クロスを上げられるウイングとの相性もいい。

ロングフィードが相手に拾われたとき用にカウンタープレスがOnになっている。より安定を目指すならOffでもいいかもしれない。

変更点:リベロ

ラインから少し上がってディフェンスする選手がいないとバイタルエリアでやりたい放題される配置なので採用。大体のリーグで偽SB入りの4バック+DHの方が採用しやすいとは思うが選手層的にこっちの方が都合がよかった。

中盤の動きについて

一見薄めだが5バックのうち3枚が中盤に入るため、低めのポジショニングだと低い位置に選手が固まってしまい、1トップが孤立しやすい。ボールを自陣から離して持ち続けるというコンセプト上、攻守ともにメリットがない選択。MF二人は思い切って前に上がったほうが安定する。

考えられるバリエーション

キーパーがプレーメーカーにボールを出し、1トップはスピードタイプの選手
時間稼ぎ全開で塩試合を量産する
5バックを4バックにして1枚はボランチ
カウンターをOnにしてもう少しリスクを取る
3CB+1トップという配置上、セットプレイを重視するのはかなりアリ

コンセプト上入れないほうがいい指示

アーリークロスやパスを長めにするのはターゲットFWとは相性がいいが、ボールを手放すことになりやすく、消極的ポゼッション戦術としては不適切。