君との距離

 君はどんどん進んで行って、私を置いてけぼりにするんだ。
夢中で目の前のことに没頭する君。楽しそうにハードルを越える姿を横目につぶやいてしまう、私のこと見えてる?
 巻戻しボタンがあればいいのに。

 そうだよ、ただの劣等感。君に苛立ち、嫉妬し、それでも君が好き。

 俺のことよりお前がどう思うか知りたいなんて、そうやっていつもはぐらかすんだ。私は君の気持ちが知りたいのに。
 そばにいるって言うけど、いつも距離を感じるよ。表情すら読ませてくれない。いつだってひとりぼっち。

 知ってる、いじけてるだけなんだ。自信がないから黙ってしまう。本当は伝えたいことが山ほどあるのに。

 いつまで続けるんだ自己嫌悪。君が見えなくなったらどうしよう。なりふりなんて構っていられない。倍速ボタンがあればいいけど、そんなのないからがむしゃらに走る。

 自分自身に負けてたまるか。
 君の隣を歩くのは私。

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