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【鹿児島】奄美大島 産婦人科医・小徳羅漢先生が語る離島医療の魅力~島に愛を注げば注ぐほど自分にその愛が返ってくる~◆Vol.1 #file2

 現在、奄美大島で産婦人科医として勤務されている小徳先生に、離島医療に従事するきっかけとなったエピソードや離島医療の魅力などを伺いました。

小徳羅漢先生プロフィール

 1991年 茨城県生まれ
 2002年 神奈川県に引っ越し
 2010年 浅野学園卒業
 2016年 東京医科歯科大学医学部卒業
 2016年-2018年 鹿児島市医師会病院初期臨床研修医
 2018年-2019年 長崎県上五島病院ゲネプロ2期生
 2019年4-6月 ゲネプロオーストラリア研修
 2019年8月から鹿児島大学産婦人科研修
 2020年10月から鹿児島県奄美大島へ

 好きな言葉:大器晩成 Think globaly, work locally
 離島僻地産科総合診療医(rural GP obstetrician)を目指して修行中。

離島医療を目指すきっかけとなったのは高校2年生のときの修学旅行

----離島医療に従事することになったきっかけは何ですか?
「高校二年生のときに修学旅行で長崎県に行きました。その中で一日自由時間があって、みんなで伊王島という小さな島に行ったんです。観光地のような島で、真っ青な海と真っ白な砂浜がすごく綺麗な島でした。『ああすごいいい島だな』って好きになったんですけど、この島はお医者さんが昼に船に乗ってきて働いた後、夜になるとまた船に乗って帰ってしまうんですよね。もしこの島の人たちが夜に怪我や病気になったらどうするんだろうと思ったのが最初のきっかけです。そこから医学部に行って、今に至ります。」

悩みながら学んだ学生時代

----学生のときに離島医療をイメージしながら学んでいた部分はありますか?
「そうですね…。僕は都内の医学部に進んだのですが、雰囲気が離島医療とか地域医療の感じと馴染まなくて、一回夢諦めちゃっているんです。いつかは離島に行きたいという気持ちは細々と思い続けていましたが、東京にいるから離島のイメージが全然つかなかったんです。だから、患者さんに対して手を当てることが大事なのだろうという自分の中にある離島のイメージでマッサージ屋でバイトをしたり、漢方を勉強したりしていました。今でもそれはやってよかったと思っています。」

学生時代には様々なアルバイトを経験したという小徳先生

「居酒屋とか、カメラマンのバイトをしたり、子どもの遠足付き添いのボランティアをしたり、医者とは別のことばかりしていました。ずっと医療の現場にいると、世間の常識とずれてしまうと思うんです。学生時代に医療関係以外の社会の人たちと接してきたおかげで世の中には多種多様な人がいるんだと思えるので、これは良い経験だったと思います。」


大切なのはコミュニケーション能力

「学生時代はあまり勉強は出来ませんでした。ただ、コミュニケーションはアルバイトとかで修練していました(笑)きちんと患者さんと向き合うという意味では、人とコミュニケーションをとる力を学生時代に身に付けておくことが大事だと思います。患者さんや周りのスタッフと楽しくコミュニケーションをできるかが一番大切になってきて、どんなに頭が良くて勉強をしている先生でも、自分の知識とか経験とかをスタッフや患者さんに押し付けてしまう人だと結局うまくいかないと思うんです。現場の空気も考えながら、コミュニケーションを取る能力は大事だと思います。」

離島ではインターネットを利用して学ぶことが必要
「学び続ける力も大切です。特にインターネットで学び続ける力が離島では大事なのではないかと思います。教科書は古くなるし、勉強会に参加するのも今はオンラインでできるようになったので、そういう意味ではインターネットで常に最新の情報を吸収し続ける意欲が大事なのではないかと思います。」

なぜ奄美大島に?

----現在は奄美大島で勤務されていますが、なぜ奄美大島を選ばれたのですか?
「大学5年生のときに病院見学で1回この大島に来ました。ある1人の救急の先生が離島にドクターヘリが必要ということで県立大島に県や国を動かして持ち込んだんです。すごいアツい病院だと思って見学に来たことがきっかけです。そのあと鹿児島大学の産婦人科に入局して、教授に頼んで奄美大島に赴任することになりました。


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奄美大島はどんなところ?

 九州から南へ約380㎞離れた奄美大島で勤務している小徳先生。奄美大島は、全国の離島の中で沖縄本島、佐渡島に次いで3番目に大きな島です。先生が思うこの島の魅力とは。

----奄美大島はどんなところですか?
「奄美大島は皆さんが思う南の島という感じですね。11月でも半袖半ズボンで大丈夫なくらい暖かいです。今も27℃くらいあります。綺麗な海があって、南国のフルーツや、島バナナが生えていたりなど、環境としてもすごくわくわくする場所ですね。」

 この取材当時は11月下旬で、東京では季節が秋から冬へと移り変わっているタイミングでしたが、小徳先生は奄美大島から半袖半ズボンで取材を受けていらっしゃいました。

次回、小徳先生が考える離島医療の魅力を詳しくお届します。


この記事を書いた人


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古都遥 聖路加国際大学看護学部看護学科3年
大学1年の夏休みに小笠原諸島を訪れた際、自然の豊かさや島民の温かさに感銘を受け、離島での生活や医療に興味を持つ。離島医療振興に貢献したいという思いを抱きながら、日々勉強に取り組む。


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