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ECサイトの売上が回収できない「チャージバック」

中古時計のECサイトを運営している取引先の社長から電話がありました。「カード決済が完了したから商品を発送した。しかし後日チャージバックが発生して売上が取消された。50万円の商品は取られて入金がない。僕は泣き寝入りしなくてはいけないの?カード会社が決裁したのに。これを補償する保険無いの?」
 
「チャージバック」とはクレジットカードを保有するお客様が不正使用などを理由に利用代金の支払いに同意しない場合にクレジットカード会社がその代金の売上を取消すことです。
 カード利用者にとってはとても良い制度ですが、ECサイト業者にとっては最悪の制度ですね。カード会社が一度決裁しているのに、売上を取消されて、すべての損失はECサイト業者が負わされる。
これからECサイトを立上げようとしている経営者にとってはチャージバックのリスクも考える必要がありますね。
 
チャージバックの被害対象となる商品は家電(パソコン)・ブランド品(時計・ジュエリー)・ゲーム機です。これらの商品は2次流通市場が存在していて、盗んだ商品を高額で換金しやすいからだと思われます。
 
一般社団法人日本クレジット協会の調査によると2023年のカード決済に関わる被害額は年間541億円(私が4年前に調べた時から2倍以上)でインターネット取引の増加に伴い年々増加傾向にあります。
インターネットでの取引は便利ですが、毎年500億円以上の被害があるとは驚きの数字ですね。
 
これを回避する方法は
1.セキュリティーコードの入力
2.3Dセキュア(本人認証サービス)の登録と確認
3.自社サイトのセキュリティー対策を講じる
 
があります。
 
EC作成サービスはパッケージで簡単にECサイトを作成してくれますが、チャージバックの保証がないケースが多いです。
 
私が大手EC作成サービスに質問したところ「自社のセキュリティー対策」はありますが、仮にチャージバックが発生した時の損失の補償はされません。また「チャージバック保険」の手続きはEC作成サービス会社では出来ないので個別に手配してくださいとのことでした。

 「チャージバック保険」は個別に加入することは難しく、利用している決済代行会社やECモールがある場合は、「チャージバック保険」に加入できるか確認してください。すでに契約している決済代行業者やモールなら、スムーズに「チャージバック保険」に加入できる可能性があります。

便利さの裏側にある犯罪。
ECサイトを運用する経営者様は「チャージバック対策」「チャージバック保険」のご検討をお勧めします。
 

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