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ここ数週間はカレッジゴルフ界にとって熱い時期となりましたね〜

PGAチャンピオンシップ - コリン・モリカワ選手とUCバークレー

まずは何と言っても、PGAチャンピオンシップ(全米プロゴルフ選手権)を優勝されたコリン・モリカワ選手。

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そんなコリン選手は若干23歳。つい最近までカリフォルニア大学バークレー校のゴルフ部に所属していました⛳️

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大学卒業後、ツアー出場資格が無い彼は主催者推薦をもらいRBCカナディアンオープンにてプロデビューする運びとなりました。デビュー4戦目となる3Mオープンでは、学生時代の良き戦友でもあるマット・ウォルフ選手に善戦の末、ブライソン・デシャンボー選手と共に2位タイフィニッシュ。6戦目のバラクーダ選手権にてPGAツアー初優勝。ちなみに、Qスクール(出場資格の優先順位を決める試合)を経由せずにツアーのシード権を獲得したほんのわずかな選手のうちの1人にもなりました。

二勝目はジャック・ニクラウスさんのお膝元ミュアフィールドにて、その週世界ランキング一位に返り咲いたばかりのジャスティン・トーマス選手をプレーオフにて下しての勝利。
そして三勝目は二勝目から僅か28日後のPGAチャンピオンシップ。

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最終日16番ホール336yd。高いフェードボールのティーショットを繰り出し、見事ピン側2.1mに付けます。左右に揺れる微妙なラインを読み切り、見事イーグル。

https://youtu.be/YFn3NtG4bJ8

このホールが優勝を決定づけたと言っても過言では無いでしょう。
メジャー大会での決勝ラウンドでの最小ストローク記録を更新します。

23歳以下で全米プロゴルフ選手権での優勝は、ジャック・ニクラス選手、タイガー・ウッズ選手、ローリー・マキロイ選手に続いて史上4人目。

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今回のPGAチャンピオンシップの優勝のおかげで、世界ランキング5位まで登ってきました。
彼がプロデビューを果たしたRBCカナディアンオープンでは1039位。大学を卒業してからわずか449日でここまで、上り詰めてきました。

その他に彼はPGAチャンピオンシップまでにまだ予選落ちを1回しかしておらず、優勝数が予選落ちの数を上回っている形になります。(先日のノーザントラストにて2回目)
また、予選連続通過記録も22回を記録しており、これはタイガー・ウッズ選手の持つ25週に次いで歴代2位となります🥈

ポテンシャルに満ち溢れているコリン・モリカワ選手ですが、彼は昨年の2019年の5月19日に世界大学ランキングTop10に入る超名門校、カリフォルニア大学バークレー校(以下、UCバークレー)を卒業し、UCバークレーではハースビジネススクールにてビジネスを専攻していました🎓📚
ハーススクールに入るにも熾烈な争いを勝ち抜かなければならないとか🤓学業でも優秀だったんですね〜

大学時代は、4年連続でオールアメリカン、半数以上の試合をTop5フィニッシュ、その安定したプレーのお陰で世界アマチュアランキング1位に輝いた経験もあります。大学時代はオクラホマ州立大学出身のマット・ウォルフ選手、同じくオクラホマ州立大学出身のビクター・ホブラント選手と同世代で、黄金世代と呼ばれています。

大学時代のインタビューで以下のように話していました🎙
『小さい頃から大学を卒業してからプロに転向するのが夢でした。自分が知っている選手達がPGA TOURで活躍していて、早くみんなと戦いたいからムズムズはするけど、大学での4年間は僕の人生の中で最高の時間だし、学士号を取得してから、プロに転向することは大学に入学したその日からの目標でした。ゴルフはいつでもできるし、PGA TOUR(で戦う機会)はどこにも行かないので、その時を待ちます。』

こちらのインタビューです💁‍♀️

https://youtu.be/jNulVPg1XgM

ちなみに最近PGA TOURでは目まぐるしく世界ランク1位が入れ替わっています。
PGA TOUR再開後、ローリー・マキロイ選手→ジョン・ラーム選手(アリゾナ州立大学)→ジャスティン・トーマス選手(アラバマ大学)→ダスティン・ジョンソン選手(コースタル・キャロライナ大学)と入れ替わっています。
ご覧の通りアメリカの大学でカレッジゴルフを経験した選手ばかりです⛳️

LPGAツアー再開 - 開幕2連勝と元世界ランクNo.1ママ

お次は、LPGAツアー。

ダニエル・カン選手。
8月の頭にLPGAツアーが再開されてから、二週連続で優勝を果たしました🏆🏆
3戦目となるアバディーン・スコティッシュオープンでは、首位タイグループと一打差の5位タイフィニッシュとスーパーロケットスタートを切りました🚀🚀🚀


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彼女はアマチュア時代、2010年、2011年と二年連続で全米女子アマチュア選手権を連覇しており、2010年の日本女子オープンにも出場し華麗にローアマチュアを獲得したの記憶しています。

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ちなみに、2010年の日本女子オープンの際に、宿舎が同じで、朝食会場で席が隣になったことを覚えています。

そんな彼女、あまり知られていませんが、実はカリフォルニア州にあるペパーダイン大学に通っていました。

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ペパーダイン大学といえばマリブの海岸線沿いにあるとても美しい大学。
次回米国に行く際には、ぜひ訪問してみたいものです。

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ペッパーダイン大学 綺麗だ〜

彼女は2018年からブッチ・ハーモンさんに師事しており、それ以来さらに安定感が増した気がします。

そんな彼女は、一試合目は、2日目に66をマークして、抜け出し、最終日もそのまま走り切り、優勝。
二試合目は猛烈な追い上げを果たし、優勝。

LPGA再開後3試合目はスコットランドに🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿舞台を移しアバディーン・スコティッシュオープン。
4人のプレーオフと大混戦を勝ち抜いたのは、元世界ランクNo.1のステイシー・ルイス選手。
アーカンソー大学出身ですが、ママになってから初の優勝🏆
世の中のママさんにも勇気を与える優勝ですよね〜

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全英女子オープン - シンデレラストーリー 2020

先日終えたばかりの、全英女子オープン。
今年もまたシンデレラが誕生しましたね。
ドイツ人🇩🇪の女性の選手として初めてメジャーチャンピオン🏆となったソフィア・ポポフ選手は、南カリフォルニア大学卒業で、学生時代はUSC3人目となる4年連続のオールアメリカン、2013年にはチームとしてNCAAディビジョン1の全国チャンピオンにも輝きました🏆
PAC12でオールアカデミック2ndチームに輝くなど、学業も同時に優秀な生徒でした👩‍🎓🤓✍🏻

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さてここからが、なぜシンデレラストーリーかと言うことになります。
ポポフ選手は今年はLPGAの出場資格を持っていませんでした。
そして、LPGAツアーが再開した週は、大親友のアニー・ヴァン・ダム選手(オランダ🇳🇱)のキャディーとして1戦目の会場に行きます。

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アメリカの独立記念日を一緒に過ごす程の大の仲良し

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アニー・バン・ダム選手のキャディーをするソフィア・ポポフ選手

続く二週目のマラソン・クラッシックも全く出れることを期待していませんでしたが、ランキングが繰り下がり、彼女も出場できることになりました。
そこで9位フィニッシュをしたお陰で全英オープンの出場権を手に入れます🎫

さらに周りを驚かせたのがその後です。
選手の多くがチャーター機でスコットランドに向かう中、ポポフ選手はアリゾナに向かいシメトラツアーを戦います。
そこでは2位フィニッシュ。
『全英オープンに出場できるのはボーナス。私の中ではあくまでもシメトラツアーのスケジュールが優先なので、当初の予定に沿ってアリゾナに向かった。』ということでした。

そして、火曜日にロイヤルトゥルーン入りし、なんと練習ラウンド一回で初の全英オープンに挑みます✍🏻

彼女が大学を卒業してからはライム病などにも悩まされ、今回の試合までプロ公式戦は1勝もしておらず、世界ランクは304位。
女子ゴルフ界で世界ランク300位以下の選手がメジャー大会を優勝するのは初めてだそうです。

優勝スピーチで

『去年は本当にゴルフを辞める事まで考えたが、本当に辞めなくて良かった』と語っていたのを観てこちらももらい泣きをしました🥺😭
今後の活躍を祈ります🤲

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全米女子アマチュア - タイトルディフェンディング

最後は全米女子アマチュア選手権。
今年で120回大会。

今、カレッジ女子ゴルフってめちゃくちゃ熱いんです。世界アマチュアランクTop10のうち何人がアメリカの大学に通っている、もしくはコミット(既に学校に行く意向を伝えている)していると思いますか?

答えは10人です。

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2020年7月1日調べ*

そして、全米女子アマチュア選手権のファイナル4に残ったのは以下の4選手です。

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ミシガン州立大学のバレリ・プラタ選手(コロンビア🇨🇴)

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南カリフォルニア大学のアリア・アブダルグハニー選手(マレーシア🇲🇾)

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同じく南カリフォルニア大学でディフェンディングチャンピオンのガブリエラ・ラッフルズ選手(オーストラリア🇦🇺)

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そして、あのタイガー・ウッズ選手も通ったスタンフォード大学にコミットをしていおり、全米女子アマ直前は世界ランキング6位のローズ・ザン選手(アメリカ🇺🇸)

準決勝は
ローズ・ザン選手 VS アリア・アブダルグハニー選手
バレリ・プラタ選手VS ギャビー・ラッフルズ選手でした。

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準決勝第一マッチはローズ・ザン選手がアリア・アブダルグハニー選手を3&2で下し、
第二試合はガブリエラ・ラッフルズ選手がバレリ・プラタ選手を18Hの末下しました。

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決勝は、ローズ・ザン選手VSガブリエラ・ラッフルズ選手。

38Hまでもつれた末に、軍配はローズ・ザン選手に上がりました。

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欧米でのプロスポーツの捉えられ方 - 私たちが子供たち未来のために考えるべきこと

今回この記事では、惜しくもタイトルのディフェンドを逃してしまったガブリエラ・ラッフルズ選手に着目していきたいと思います。

彼女は、昨年初出場で全米女子アマチュア選手権のチャンピオンに輝きます🏆昨年は三重県ココパ・リゾートで行われた日本女子オープンにも出場しています。
現在はロサンゼルスにあり、ポポフ選手の母校でもある南カリフォルニア大学に通いビジネスを専攻しています。

そんな彼女は、コロナの期間中、USC女子ゴルフ部のインスタグラムストーリーを一日テイクオーバーしてましたが、大学を卒業する予定でおり、プロ転向はもし機会が巡ってきたら、プロでやっていきたいとのことでした。

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欧米の選手の多くは、スポーツキャリアの延長線上でたまたまプロアスリートという選択肢があるだけで、全員がプロで食べていけるわけでは無い事を理解しています。必然と人生計画も、プロで食べていけないことを前提に立てています。それは、コリン・モリカワ選手もそうでしたし、高校生ながら世界アマチュアランキング10位にランクインし、今年スタンフォード大学に入学したカール・ヴィリップス選手も同じです。(余談ですが、カール君が在籍していたアカデミーに見学に行きましたが、そこで彼のGPAは4.0と(日本でいうオール5)だと聞きました。)

しかし、日本ではどうでしょうか?日本では、プロで活躍をすることを大前提に人生の計画を立てている人が多いように感じられます。プロアスリートキャリアを終えた後に何をしたいかを質問すると答えに詰まってしまう子が多いです。しかし、それは本人ではなく、そういう考えに導いてしまうような環境にしてしまっている私たち大人の責任です。

もちろん、夢を持つことはとても大事なことですし、食べていけないとも言っていません。ただ、万が一アスリートキャリアをダメにしてしまうほどの怪我をしてしまった場合はどうしますか?プランBの準備はしていますか?
日本は特に、若い中うちからの『練習のしすぎ』として知られています。それではプロになってからのバーンアウトも起こりやすいですし、怪我の確率も高まってしまいます。
『万が一』になってから考える、では遅すぎますし、選手がかわいそうです。
アスリートはしばし、自分の人間としてのアイデンティティーをアスレティックの成績と直結して考えてしまいます。スポーツが成績が悪い=人間的に価値がない
と自分の中で捉えてしまっているアスリートは少なくないと思います。それでは、アスレティックキャリアはおろか、人生にまで迷子になってしまいます。
そんなかわいそうなことを我が子の身に起こっても大丈夫ですか?
それが本当にご自身のお子さん、もしくは生徒さんにとって幸せな人生と言えますか?

欧米の選手はその『万が一』の時のために準備をする意味で大学に通っています。

コリン選手の言うように、PGAツアーやLPGAツアーは逃げません。
目先だけの結果だけを追い求めて決断をしていませんか?
人生を長いスパンで見つめた時に、今下そうとしている決断がしっくりきますか?

ゴルフ界をカレッジゴルフの観点から見るのも面白いと思います😊
皆さんもぜひ色々な角度からゴルフを見つめてみて下さい🤓👀

記事を気に入って頂けましたらサポートを頂けますと幸いです。 皆様からのサポートが向上心に満ち溢れているもっと沢山の若い世代のアスリートのサポートをすることに繋がります。 スポーツの力でもっと日本を元気にして行きましょう! Team work makes dream work!