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トンネルを抜ける / Day18 ティンダーです♪

   以前仕事を一緒にした人が、その時の会社をやめた。そういうことは日常茶飯事で、その後プライベートで続くか続かないかは、特に期待はしていない。先日、それこそ転職して新天地に行く、とメールをもらっていた30代の女子が「是非会いたいです!」という嬉しいお知らせをくれたものだから、自宅に呼んで食事をすることにした。

  さほちゃんは、あるイベントの時に長期に渡って苦楽を共にした人なのだが、私は初対面の時から好印象しかなかった。満面の笑顔にとってもよく似合う幸せオーラたっぷりのふくよかな体型。これがまたなんともいえず可愛い。そして、とにかくどんな大変な状況でも、慌てず、騒がず、対処する。ちなみに、彼女のチームには底無しに厳しい上司や、それに怯える若手がいたりしたのだが、さほちゃんはそこでも上手な橋渡し役として、そしてムードメーカーとして活躍していた。

   駅に迎えに行くと、さほちゃんは新天地で更に輝いているようで、なんだか表情が生き生きしているなと思った。私の自宅についてそして乾杯した時、開口一番に出た言葉が「Sandyさん、転職はもちろんなんですけど、もう一つ言わなきゃいけないことが。結婚したんです!」

   そうか、ただでさえポジティブオーラ全開の子が更に輝いて見えたのは、それか!超納得。だってさほちゃん眩しいもん。で、よくある質問。どこで出会ったの?すると更に超満面の笑顔で「ティンダーです♪」。

   それこそ、わくさんから、「ティンダーやばいやばい」と呪文のように聞かされてた私は笑顔いっぱいの「ティンダー」発言に、なんか脱力した。若い世代の素晴らしいフレキシビリティと、何も背負わない感満載の自然体。聞くところによると、最初は数名並行して連絡をとって色々リサーチ、そして一人が残ったという。日本人の父親と外国人の母の間に生まれ、長年海外で暮らしてきた彼女。好みのタイプは南米系の男子だそうで、夫はブラジル人。リサーチ段階では、ブラジル以外の南米系の男子たちとも交流し、それはそれで勉強になったらしい。ちなみに彼女の男子に求めたモットーが、名言みたいに心を打つ。「世界の広さのように、心が広い人」。写真を見せてもらったが、私自身のネガティブな部分が恥ずかし過ぎて穴があったら入りたいくらいの、ビッグスマイルの二人がいた。

   「ティンダーを変にネガティブに言う必要ないって思ってますし、むしろ自分にとっては幸せなことだったから、ポジティブに言うんです」。そうだよね。ごもっとも。そうそう、私が「結婚するという責任をいまだに背負う気がないから、籍を入れるのも恐ろしい」というと、もう一つ素敵な言葉を私に残してくれた。「Sandyさん、私責任を負うって思わないんです。結婚したら、悩みは半分ずつ、楽しいことが2倍になるって思ったから結婚したんです」。

   数年したら日本を出て、世界を相手に働きたいと目を輝かせているさほちゃん。どんな状況になっても「悩みは半分ずつ、楽しいことは2倍」だよね。あなたなら大丈夫。再び彼女を駅まで見送った時そんな確信が頭をよぎった。

   わくさんの人生をこれから背負うって考えてた私は、一体何だったんだろうね...(笑)。



   






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