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私は、ちゃんと私に再会できた

「私はこんなにも変われたんです!」
「こんなことを達成しました!」

胸を張ってそんな武勇伝を語れたらいいんだけれど、現実はそんな煌びやかなものではなくて。

でも、バッターボックスに立ち続けることからは逃げずに、全力を出せなくともバットを振り続けてきた先に見つけられたものは、確かに、あった。


これから書くことは、約半年かけて開催された、阿部広太郎さんが主催する連続講座「企画でメシを食っていく」(通称「企画メシ」)の期間中に、私が感じたこと・経験の記録です。


そもそもなぜ「企画メシ」に飛び込んだのか


それをお話しする前に、まずは阿部さんとの出会いについて少し。

私は2019年手話に出会い、手話や耳の聞こえない方との関わりを通して、自分の世界がどんどんカラフルになっていくのが嬉しくて、とにかく夢中になっていた。

そんな時に「手話でコピーを書いた阿部広太郎さんという方がいる」とTwitterを通して、知り合いが以下の記事をシェアしてくれたのが、阿部さんと出会う始まりだった。

もちろん私とは全く違う立場ではあるけれど

「阿部さんも手話を通して自分の当たり前の外に出会う経験をしたんだ!」

と一気に親近感を感じ、その足で、阿部さんの著書『コピーライターじゃなくても知っておきたい心をつかむ超言葉術』を買いに行った。

そして「初めに」の章で、既に私の心はがっちりと掴まれたのだった。


「超言葉術」から受け取ったもの、阿部さんとの出会いについては以下に綴っています。


それから、阿部さんが主催する「企画メシ」や「言葉の企画」の存在を知り、次に募集するタイミングでは絶対に参加しようと思っていた。

とにかく阿部さんの考え方や姿勢を吸収したかったのだ。

*****


2020年10月に開催された1day企画生のイベントに参加した際は、言葉や感情に真摯に向き合う企画生たち(講座の参加者のことを企画生と呼んでいる)の一体感みたいなものを感じられて、その中にいる人たちが羨ましくて沸き立って、思わずその時の気持ちを手話でツイートしたりなんかしたなぁ笑


そしてその7ヶ月後。

待ちに待った企画メシエントリーがスタート。
わくわくと緊張の両方を携えながら、応募フォームを送った。


どんな企画をする人になりたいか?


私にとっての「企画」とは?

その問いから全ては始まった。

私が出した答えはこうだった。

企画とは:
あの人へWOW!を届けるスタートライン


私は海外生活や仕事を通して、実現させたい夢を持つようになっていた。

それは、
『誰かが決めた正解を目指したり、「社会が定義する頑張る」を頑張るのではなく、自分の心の「WOW!」や「好き」の気持ちに素直に、自らで人生を豊かにする日本人を増やす』
というもの。

それを掲げながらフリーランスで働いていたとき、その世界の実現に向けて、最前線で取り組んでいると感じた会社と出会い、気づいた時には飛び込んでいた。それが企画メシのスタートを切る数ヶ月前のこと。

会社の広報としても、一人の人間としても、誰かがWOW!となって、そこからアクションを起こしてくれるような、そんなきっかけになれる企画をつくっていきたい!と思っていた。

改めて想いを言語化した私は「勝手に自分をみくびらない」という約束を自分自身と交わし、仕事と企画メシの両立をスタートさせた。

阿部さんからも、ゲスト講師の方からも、企画生からも、全員から学ぶぞ!
意気揚々とした気持ちに溢れていた。


全力を注ぎたい私と、注げない私との葛藤

合計8回の講座。その講座前には毎回課題が出された。

正直、一度として自分の提出するものに満足できたことはなかった。

毎回、もっとできたんじゃ...?本当にこれでいいのか...?と思っていたし、他の企画生から出されるアンサーを見ては、嫉妬したり、落ち込んだり、感動したり...。

いろんな感情が混ざり合って、心の中はよく渋滞してたな笑


*****


そんな中、仕事で大きな壁にぶつかっていた。
端的に言うと、人間関係だ。

進みたい未来に向けてチームに入ったはずなのに、心を通わせたいと思う人との心の壁はどんどん分厚くなっていく...そんな状態だった。

わかり合いたい。分かち合いたい。

その感情とは裏腹に、動けば動くほど大きくなっていったのは「自分はなんて役に立たない人間なんだろう」という絶望感だった。

家に帰っては泣く夜が続いた。

そして、これ以上心に傷を負うまいと、とうとう私は心を閉じた。

自分の「好き」や「やりたい」が全くわからなくなってしまった。

それと同時に、プライベートでも、パートナーと心を通わせることが難しい時期が続いた。

悲しくて、悔しくて、苦しかった。

*****


私は思った。


どれだけ素晴らしいことややりがいのあることに取り組めていたとしても、身近な人との間に心の壁があることや、本音で話せない状態って全然幸せじゃないじゃないか...。


心を閉じたことで、完全に自分を見失ってしまった私は、自分の感情と出会い直すために、しばらく一人旅に出たり、忙しなく働く中ではできなかったインプットや、人と会い、対話することなんかをやっていった。

▲旅から帰ってきた時の投稿

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全力で場づくりをする阿部さん。

全力で企画に挑む企画生の仲間たち。


本当は私も全力を尽くしたいはずなのに、気持ちは置いてけぼり。
できていない自分がさらに嫌になっていった。

阿部さんにも企画生のみんなにもなんだか後ろめたくて。
自分のことがよくわからなくなった自分のことについて、何か質問されるのが嫌だったし、がっかりされるのも怖くて。企画生との交流も消極的になっていた。

それでも、バッターボックスには立ち続けた。

意地もあったし、課題に取り組む上で広がっていく世界の中で、自分が何に心が動くのかを知りたかったのもあった。

最後まで、課題に向き合うことからは逃げなかった。

それだけでもよくやったって自分に言ってやりたい。
うん、吉川、よくやったよ。


心動くものは、あった

一つ目は、「感動メモ」のやりとりだった。

企画メシでは、全員が課題を提出した後、自分がいいと思った人に「感動メモ」を贈る、というものがあった。

これにめちゃくちゃ救われた。

誰かに自分の気持ちを受け取ってもらえること。
誰かが自分に気持ちを贈ってくれること。

これがこんなにも嬉しいのかと。

凍った心が溶けていくような
心と心で握手できたような
そんな感覚に何度もなった。

感動メモを贈ってくれた方、受け取ってくれた方、本当にありがとう。

*****


二つ目は、「対話の企画」を通して経験したことだった。

この回のゲスト講師は、ダイアログ・イン・ザ・ダークの檜山晃(ひやまっち)さん。ひやまっちさんは生まれつき目が見えず、ダイアログ・イン・ザ・ダークという暗闇の中で対話をする体験型ミュージアムで、アテンドとして働かれている方だった。

聞こえない人の世界の見方や心の通わせ方に魅了されていた私は、この「対話の企画」が楽しみで仕方なかった。

この講座をきっかけに、実際にダイアログ・イン・ザ・ダークを体験したのだが、これが衝撃的だった。

ちょうどこの時は、精神的にいちばん落ち込んでいた時期で、せっかくダイアログ・イン・ザ・ダークを体験できるというのに、気持ちは塞ぎ込んでいた。

でも体験後、人が変わったかのように、子どもみたいに心が開いた状態になっていたんですよね...!

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そこで体験した不思議な感覚はこんな感じ。

・暗闇の中では、果てしなく、自分と他者との境界線がなくなって、「私たち」という感覚が強く感じられた
・人と繋がることでようやく前に進んでいけるという経験


この感覚がとても幸せで、終わった後もずっとふわふわしていたっけな。



心が閉じてしまっていても、ちゃんと心が動くことに出会えたことが、とても嬉しかった。


どんな企画をする人になりますか?


最終課題で出された問いがこれだ。

企画メシの期間中に経験した痛みと喜び。それらを通して辿り着いたのは、「人と人との間にある壁を溶かしたい」という想いだった。

それを考えながら、思い出した感覚があった。

長年不仲だった家族が、父の病気をきっかけに絆が戻っていったこと。
分断された壁が溶けて、ハグをするように、また家族を始められたこと。

あぁ、これだったんだ。私が一番欲しいものは。


「私」と「あなた」で分断してしまうのではなく、そこに「わたしたち」を見つけられた時。

それが何よりも幸せだなぁと気づいたのです。


だから私は、家族の始まりという節目を祝うプロデューサーとして、いちばん近くの人や大切な人たちと、心と心で握手をできる機会を作ってきたい。
(2022年1月からウェディングプロデューサーとして始動することになりました...!)


さらに、人と通じ合うことの喜びや、弱さは強さだという可能性を教えてくれたマイノリティの人と一緒に、壁を溶かしていく企画をしたい。
(これはまだかなり漠然としてるけど、いろんな方の手を借りながら実現させたい...!)


そうやって世の中に「We」を増やしていく
そんな企画をする人になっていきます。


1day企画生へのお誘い


企画メシでどれほど成長できたか?と聞かれると正直わからない。

だけど、企画メシを通して、
私は、ちゃんと私に再会することができた。

そして今の私なら企画をこう定義する。

企画とは:
人と人との壁(境界線)を溶かすこと


成長というよりも、進化というよりも、原点回帰
より純度の高い自分に出会えた。

...という感覚の方がしっくりくるように思う。


ここまで辿り着けたのも、隣で伴走してくれ、何度も心に火を灯してくれ、背中を押し続けて下さった阿部さんの存在があったからこそ。そう思います。改めて阿部さん、諦めずに声をかけ続けてくださり、ありがとうございました...!

*****


...と、色々語ってきましたが、これをさらにぎゅっと濃くした内容を
本日、12月20日(月)20:00〜企画メシ2021 完走報告会にて
阿部さん、そして卒業したての企画生4人と一緒にお話しします。

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ここまで読んでくださったあなた。

一歩を踏み出して、1day企画生になってみませんか。
あなたがあなたに出会えるきっかけになるかもしれません。

※チケットの販売は、12月20日(月) 19:00まで。


最後まで読んでくださり、とっても嬉しいです!ありがとうございます! これでおいしいもの食べますネ(*ˊᵕˋ*)