見出し画像

【映画感想】ジャーニー【伝承の文法とエンタメの文法】

見てきました。ジャーニー。
日本アニメの手法のサウジアラビアで制作されたアニメ映画という認識です。だから(アラビア語から)「日本語吹き替え」というテイストでした。

一応ネタバレはないけど、気になるから見に行くつもりって人は読まないほうがいいかも。


以下、感想です。

所感

テーマは好きなんだが、テンポの悪さが目立ってたかも。詰め込みすぎたなあというかテキストが多すぎると感じてしまった。

これは仕方ないって気もする。普段みる日本のアニメってどんなテーマをおくにせよ、あくまでエンターテイメントなので、エンタメのためならテーマを捨てさえするけど、この映画はテーマ主導で捨てきれんかった印象。

テーマ

で、そのテーマというのが「信仰」なんだよね。

エンタメとして突き抜けてた場合って、少々テーマを捨ててたとしても観客個々人が解釈して補完するから問題ないものです。でも宗教的なテーマであるがゆえに、そこに解釈の幅をもたせたくないという硬さがあった。

結果、教育教材っぽくなっちゃったかなーと。

挿話

具体的に言うと、主人公側が決意を固め直したりする際に、旧約聖書の逸話を思い出すか語り出します。長尺で3つも!それがアニメの手法としては挿話として描かれるんだが、伝承が伝承のまま語られる(おそらくそれは大事なんだろう)ので紙芝居的な描写で動きがなくテキストが多く長くてちょっと退屈。

ここはもっと一人称視点、スピードアップ、アクションマシマシ、油多め、味濃いめで行ってくれても大丈夫だぞと、ノアもモーゼも知ってるから補完できるよと!

あと、これは文化的な差異かもなあ。逸話の締めくくりは「苦難の中、信仰のすえ奇跡があった」と、主人公チームは信心を固め直す契機にするんだけど、その苦難と現状が観客としては完全に別個に見えるので、なんでそれで頑張れるようになるの?ってなっちゃう。
(信心がない人にに信心を教えるの難しいのまさにこれだろうなあ)

まとめ

観るとエンターテイメントとしてNGな部分って明白なんだけど、直せなかったんだろうなというのもよく分かる感じ。普段感じないけどアニメには文法がある。そんで伝承には伝承の文法があるからすり合わせが大変!

でも、もうちょっと頑張ってほしかったなあ。宗教をガチガチにテーマに据えてエンタメになったらそれはそれは新しいものになりそう!

おまけ

映画の影響で、中東っぽいもの食べたくなってトルコ料理食べてきました。

豆のトロ~リめの、あれクミンかな多分、の香りのスープ美味しかった。

画像1

あとコフテ?鳥かなの肉団子スープがメインで良かった。
ときどき食べたくなる感じ。

画像2



いつでもサポートお待ちしております。凍える荒野を行く旅人の足を前へ進めるのは、いつだって心地の良い熱を持った風だから・・・