トークンエコノミーを知ることで、信用スコアの認識が変わり始めたお話②

前回、インセンティブの大きな効果についての理解を深めるために「トークンエコノミー」を中心に書き綴りましたが、今回は「インセンティブは信用スコアを通じて人々の意識を変えていく可能性」について書き綴ってみたいと思います。

「信用スコア」を語るうえで私が気づいた「重要な本質」だと思うものは、これなのだと思います。

私たちの意識は、信用スコアで表示される「点数」という数字を追い求めて人生をさまようのか、日々人として高い意識を持ち、「点数」が高く維持されるように生きていくのか?

ということなのだと思います。すなわち、

「点数」という数字を追うのか、人生の高みを目指して「点数」を高く維持するのか

ということであり、

数字に囚われるのか、とらわれずに指標の一つとして自分の生き方の参考にするのか

ということだと思います。点数を「お金」ということばに置き変えると現代社会ですね。

・・全体像としては、こういう認識が大事なのだと思いますが、もちろん運用レベルではそんな単純なものではなく・・・

というのが以下のツイートのリンク先にある、(仲津正朗)さんのブログに詳細に書かれています。そして私のブログの芯になる?私のツイートです。

かいつまんで言うと・・・

信用スコアは、現実レベルでは「ユーザーがスコアが見れるかどうか」で賛否両論が渦巻いている状態です。開発レベルでは、わからない未来を手さぐりで模索しているので、当然そうなりますね。

仲津正朗さんのブログから引用させていただきます。

Uberで乗車後に運転手と乗客で「相互評価」の採点をしますが、これが降車直後に表示されてしまうと、「あいつか」とわかります。(苦笑)Uberの場合、次に顔合わせはほとんどないので問題は少ない・・・一方、Airbnbのように「泊まる」ことで滞在時間が長いとトラブルが起きてしまう・・・
クラウドソーシングのように、大手から個人事業主への仕事の発注の場合、「その人の評価」がわかるほうが大手も発注しやすく、かつ個人事業主も点数が高いほうが受注が増えるので、このケースではスコアは丸見えのほうがいいでしょう。

・・・というように、個別ではケースバイケースで、トラブルとモチベーションを天秤にかけながらスコア表示の有無を慎重に判断する必要がありそうです。

そして私の「信用スコア」の本質の部分の考えは・・・

それぞれのサービスではスコア表示なし(表示したほうがいい設計のものは表示)にして、無用なトラブルや数字をむやみに追うことにつながる意識を避ける設計にして
全体のスコアとしては、自分自身の総合スコアとして表示することで、ひとつひとつのサービスや求められることに過度に意識が囚われることなく(点数稼ぎのために人生を消耗することなく)、生き方そのものを良くしていく意識を持つ設計にする

自らの意識を高めることで、結果として総合スコアが高い点数につながる。

信用スコアをこんなインセンティブモデルで社会実装してくれたら、世の中全体の意識が変わって、本当にいい社会を創ることも可能ではないか??

・・・というところに期待を持てる方向に意識が変わりつつあるのです。

みんながそれぞれ、自分に意識を今より高めて、まわりの人のためにいいことをしよう・・・と思うことで自分の点数が高く維持できたら、自分にもいいことがある!!

そんな「お坊さんの悟り」のような意識を、テクノロジーの力でみんなの共通認識にしてしまおう!(笑)・・・こんな社会になってくれることを希望しますね。

またまた仲津正朗さんのブログからの引用なのですが、

すでにトラストスコア(信用スコア)が普及している中国のケースでいうと、2007年に上海を訪れたときはとてもマナーが悪かった印象を受けたのですが、2018年に再び行く機会があったときに、驚くほどのマナー改善が起きていることに驚きました。現地の友人が「もともとAlipayとWeChatPayの決済加盟店が都市部で普及していたところに、トラストスコアが入ってきたから、マナー改善しないと生活がしずらくなる」という話を聞いて、これは納得感がありました。

すなわち、マナーを改善しないとモノが買いにくくなる、ようなことが現実に起きているんですね。

ただこれは、アリババなどの大手が「良心的に」制度設計しているので実現できている、というところにはやはり注意が必要ですね。

大手が「自分たちが潤うように」設計されてしまうと、参加者みんなが奴隷になってしまいますので・・・。

だからこそ、「トークンエコノミー」のように、「参加者の声を」聞きながら制度設計していくことと、ルール決めや変更には、参加者の意見交換や同意が必要になるのだという認識です。

・・・怖くもあり、面白くもある、「諸刃の剣」のような「信用スコア」ではありますが、力のある人だけがルールを決めることのない、そんな運用が実現してくれることを願うばかりですね。



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