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やっぱり「のじゃ系」キャラは面白い

「美少女が,まるで老人のような語りをするキャラ」が結構好きである。昔の作品でも,普通にいるので,挙げていくとキリがないのだが,これを書こうと思ったきっかけになった,最近みたキャラでは,物語シリーズの「キスショットアセロラオリオンハートアンダーブレード(忍野忍)」,そして賢者の弟子を名乗る賢者の「ミラ」になる。
 まあ,後者は中の人が実は男キャラなので,定義に当てはまるか?というと微妙だが,立ち居振る舞いは前者と同じく定義通りなので,異論はあると思うが,ここは語りたいように語ってゆくことにする。

 どちらのキャラも語り口はタイトル通り,語尾の基本は「~なのじゃ。」であり,口調は老婆に近い。なのに外見はいずれも美少女で,後者は絵師さん渾身の「美少女」仕立てである。まさしく「カワイイ」のである。

 キスショット~(ryは,物語シリーズに登場する,最終的には主人公阿良々木暦の良き?パートナーとなる元吸血鬼であるが,パートナーとなっても,自由奔放な行動で主人公を惑わせ,困らせ,苦笑させつつも,大事なところでは息の合った行動で,主人公のピンチを救う,実はかなりの実力派である。普段は主人公の影に住み着き,ミスタードーナツをこよなく愛するキャラは,読んでいてとても面白いし,最初の出会いが最悪なだけに,その後の絡みはそこはかとなく同胞感が漂い,描かれ方もどこか暖かい。特にアニメのキャラについては,当人のヤバい感じがきちんと描かれつつ,美少女としての立ち位置も確保し,かわいさはひとしおである。もちろんノベルの扉絵に描かれる,吸血鬼時代の彼女の綺麗さはぜひ実際の絵を見てもらいたいところである。c/vもまあ,キャラに合っていて,楽しい。たぶん想像になるが,彼女の口調は「高貴な者の,年を重ねた感」を出すためではないかと思われる。

 さて,忍さんに較べると,ミラはさほど有名なキャラクターではないが,小説自体が面白いと言うこともあり,今だと,知名度はそれなりにあるのではないかと思っている。
 この「賢者の弟子を名乗る賢者」という作品,「なろう転生系」という王道の異世界転生小説の一つで,主人公はオンラインゲームの世界に転生してしまうのだが,実は転生前のゲームの中では,全プレイヤーの上位数人と評される高レベルプレイヤーであり,賢者として知名度も実力も兼ね備えていた。ところが,転生した際,その有名キャラではなく,主人公が手慰みで作った,自分好みの願望てんこ盛りで作成した別アバターを身にまとう形で転生してしまったがこの美少女キャラである。そのため,主人公は美少女になってしまったことで,元キャラである「老いた賢者」と名乗ることもできず,賢者の弟子「ミラ」を名乗って行動することになる。しかし,結局の所は「中の人」が変わっていないため,元キャラの口調である老人風の言葉を使い続けているということになっている。主人公は,自分の元キャラの姿に思いを馳せてしまうこともあるが,力一杯自分の好みをぶち込んだ,美少女キャラも相当気に入っており,時折放たれる「わし,かわいい」は,キャラの美しさと相まって,ギャップ萌え好みの皆様には,大変喜ばれること請け合いとなっている。そしてミラには,この口調のせいで,古い知り合いには話すだけでバレるという,面白い設定もある。小説自体もなろう系ならではの安定のチート無双ストーリーで,楽しく読み進められる作品になっている。そして,前者同様,ノベルの扉絵に表現された,前の方にも書いたが絵師さんの渾身の美少女は,本当に綺麗である。そしてコミカライズ作品のミラも,同じように綺麗に可愛く描かれている。とは言え,ミラは中に人が男性ということもあり,作品の中ではもう一人の仲間と共に,不思議な感じを漂わせていることも,また間違いない。

 忍さんも,ミラも,その外見とは大きくかけ離れた実力の持ち主でありながら,普段の行動はキャラそのものとも言えるかわいさがあふれているが,前者はやはり主人公の眷属として,守る存在がある分からであろうか,一歩引いた印象を与える一方,後者は,自分の正体を簡単には明かせないという場面が時折出てきて,異世界を歩く主人公の苦労が,キャラにとってもいい隠し味になっていると思う。

 それにしても,「のじゃ系」って,よく思いついたもんだと思う。先人の慧眼に感謝である。

(付記)最初,キスショット(ryはあくまでキャラなので,正式名にこだわろうと思ったのだけれど,読んでて,やっぱり「忍さんじゃね?」と思ったので,編集した。ぱないの。

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