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感染性胃腸炎に罹患した話

※こちらは記録用に書いたものとなりますが、MastodonBeer鯖のアドベントカレンダー12月24日分として公開いたします。

クリスマスイブになんて話してんだと思ったらまあ読んでください!
※ちなみに写真は40度を叩き出した体温計のみとなります。写真とってる余裕なんかねえんだよこちとら。


例えば、約30年生きてきて、死ぬほど辛かった思い出ってなんですか?と聞かれたら、迷いなくこの3日間をあげると思う。



時を戻そう



10月18日早朝、いつも通りベッド沿いの床で朝を迎えたわたしは、まあいつも通り腰いてえなーなんて思いながらトイレ済ませて歯磨きしてた。
歯磨きしながら鏡見ると顔面が白い。これもまあいつも通り(色素薄)
そしていつも通りの体温チェック。
医療業界で働くうちに、朝の検温が日課となった。
続けるって大事だね。
だけどここで、いつも通りじゃないことが起こった。

38.5

とりあえず平熱ではないことを理解
まあ、体めっちゃ元気やし、風邪症状なんもないし疲れとかそっちやろ!と自己解決し職場に連絡。

なんと先輩も体調悪くて休むらしい。
「一緒に休もう」
そんな連れションいいんすか・・・
てなことで休みを貰い、うどん食って即寝。
ここまでめちゃスピーディー!できる子職場!

昼前くらいにパって目が覚める。感覚的にまだ熱ありそう。吐く息が熱い。すかさず体温計を手に取った。

39.3

なにかの陰謀かしら。
不思議に思いつつも、体が動くうちに食料買い溜めようとコンビニに行っとく。
日が落ちかけていたこともあって、少し肌寒く感じた。
熱冷まシートが子ども用しかないってどないやねん。

だが不運にも買い溜めた食料は減らなかった。
食べる気さえ起きず、体温はジリジリと身体を蝕んでいく…
救世主はポカリと解熱剤。。


暗い部屋に明かりをつけ、体温計を脇に挟んだ

40.0

急上昇ランキング1位:熱
すげー熱だろ、体は元気なんだぜ、そいつ・・・(さすがにもう元気ではない)
職場に連絡し、明日も休むことに。
一人で家にいることに少し不安を覚えた。
ここでわたしが死んだとして、体が腐って異臭が漂って隣のおじさんが気づくまで何日かかるかな?なんてことを考えてた。
なんだか意識もふわふわしてきたよ、パトラッシュ・・・。

今週は普通に重要な仕事のある週だった。
休めない週だった。
だったから、、
10分おきくらいに体温はかってた。
トチ狂った体温測定ババアの爆誕である。
何度はかっても40.0!40.3!40.6!
上がるんじゃねええええ!!!

41.0

寝た。
明日、生きて起きられるのだろうか、、
飛べそうな意識の中、人生で初めて生命の危機を感じていた。

本当の戦いはここからだった。

翌10月19日早朝、起きて即体温測定(トチ狂いの朝は早い)

40.0

やぁ、また会ったね。
いつもは暴れん坊な寝相も、このときばかりは大人しかった。いつも大人しくあれよ。
布団の中で悪寒に震える。
ブルブル…ブルブル…ブルブルブルブルアイッアイッブルベリアイッ!!!!
パジャマが汗でぐっしょりしていた。
重い身体を引きずりながら着替え、ベッドに戻ると、ここで痛みが初来日した。

胃が痛い。。
お腹痛い。。

ずっとお腹の中でキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュル。DJがいる。
ときどきギュルギュル鳴る。ビート刻んでる?
こっちはもう、音楽にのる体力など微塵もないのに。
とりあえずトイレへ駆け込んだ。

大量の下痢(変な色してた)
それも水様便(ぜんぶ水)

なんか変なもの食べたかなーと思いつつ寝る。
寝たい。
寝たいのに。
ドストレートに襲いかかる腹痛にもだえ、唸り、気付けば3時間。
パジャマが汗でぐっしょりしていた。
着替えるためにも這うようにしてトイレへ。
同じく大量の下痢。天翔龍閃。下痢。

でも下痢したら熱は下がるってお母さんが言ってたもん。トトロいたもん。

39.9


誤差じゃねえか…
もう水分しか体内に入れられない。
脱水にならないよう、ポカリを狂ったように飲んだ(粉買えば良かった)
解熱剤の効果もなく役立たずに終わり、救世主はポカリだけになった。。

ここからずっと腹痛と下痢のオーケストラ
ちょっと波が引いたときに軽く寝る
痛みとともにもだえ始める
↑繰り返し


3枚目のパジャマを汗でぐっしょりにしたところで、朦朧とする意識の中考えてみた。
ひとまず最近食べたものを思い出してみる。
先週、鶏料理の店でハイボールとビールと日本酒、土曜日は日本酒、日曜は馬食ってたような・・・あと日本酒

酒しかねえな。。

鶏料理じゃないことを祈りつつ、とりあえず上司に連絡(鶏料理は上司と行った)
「胃腸炎ぽいんすけど、なんか食べましたっけ?」
「半生の鶏刺し食べてたしそれじゃない?」

食べてた。変なもの。
お店のサイトでも確認。
あった。串に刺さったささみ。
表面だけ炙ってあって、中はほんのりピンク色である。

これ、美味しかったなあ。。

可愛いビジュアルをしながら、今わたしの体を襲っているのは間違いなくそいつだった。

もうこうなりゃ、とことん付き合うぜ!(腹痛に)
精一杯出し切るからよ!(下痢を)

そこからはもう、
数分おきの腹痛と1時間おきの下痢
ずっと下痢のターン

寝られなかった。
赤ちゃんを育ててるお母さんの気持ちが少しだけわかったような気がした。
この時のわたし、ほぼ赤ちゃんみたいやけど。
ここから日にちとか曜日がよくわからなくなってくる。

10月20日
早朝、まだ外は暗い。
そしてやっぱり汗でぐっしょりしてる半袖のパジャマ(長袖はもうない)
震える手で体温計を脇に挟む
体温計もきっと手に汗握る緊張を感じているだろう。

38.3

チョト、、サガッタ、、、

もうお腹が痛いのかお腹が空いてるのか胃が痛いのか、そしてこれはいつ終わるのか。
とりあえず枕元に置いといた吸い上げるゼリーを飲む(正式名称なに?)
※この間ずっとこのゼリーかポカリしか飲んでません
口から出る言葉は「疲れた」だった。

太陽が顔を出してきて外がガヤガヤし始めた頃、なんだか体が軽く感じてきた。
天井がちゃんと見える…起き上がってもぐわんぐわんしない。こっこれは・・・!!
なんとなく体温を測定してみた。

37.4

37度ってなんだっけ?
思い出したんだよ、わたし。
40度は、平熱じゃないってこと。
久しぶりに目にした37度という数字に、後光が射していた(ただの朝日)

先輩からのLINEをかろうじて思い出す。
「微熱になってから病院に行ったよ」
37.4度は、微熱・・・だよな

こうなりゃほんとに鶏なのか検査だ!腹ン中で暴れ狂う下痢の正体、暴いてやるぜ!
(実際はこんなテンションじゃありません)
すぐ近所の内科に電話してみた。

「胃腸炎だとは思うんだけど、今は発熱してる人受け入れられないんだよ。ごめんね」

2020年から流行している某新型ウイルスが今も猛威をふるっている。
発熱や呼吸器症状が主な疾患だ。
そりゃそうよね。何も考えてなかった自分アホか。
人間は切羽詰まってるときほど周りを見ていない。
内科の先生は、発熱外来のある大きい病院に繋いでくれた。

「濃いお茶を煮出して飲むと少し良くなるよ。水分はたくさんとってね。脱水にならないように。診てあげられなくてごめんね・・・がんばるんだよ」

胃腸炎を発症して3日。初めて人にかけられた温かい言葉だった。
濃いお茶か・・・棚の奥にある麦茶のパック、賞味期限いつだったっけ。。
そんなことを考えながら電話切って泣いた。

すぐ近くの大きい病院から連絡があり、午後に救急で予約ができた。

午後まで熱は上がることなく、微熱を保っていた。
この3日、食べたもの(というか飲んだもの)はすべて下痢になり体外に排出されている。
熱で汗もかき、パジャマを3着ぐっしょりさせたわたしの体に、体力は僅かしか残っていなかった。

こんなんで病院、行けんのかな・・・

予約時間の30分前に家を出て、ゆっくり歩く。
いや、ゆっくりしか歩けない。
15歩くらい歩いたところで息切れし、止まる。
ゼエゼエ言いながら徒歩10分の病院に、まるまる30分かけてたどり着いた。

救急外来から出てきた看護師に支えられ、診察室へ向かう。
看護師も医者も全身を防護服で包んでいた。

ああなんか、宇宙に連れ去られるってこういうことなのかも…。

感染性胃腸炎と診断された。
必要な薬を処方してもらい、便を提出するセットも貰った。
薬局で薬をもらい、また30分くらいかけて帰宅。
削られた僅かな体力で、玄関になだれ込む。
初めて家が4階にあることを恨んだ。
エレベーターをくれ・・・

病院に行けただけで気持ちは晴れたし、少しずつだが食欲も出てきている。
それからは、熱はまだあるものの固形物が食べられるようになり、薬の効果で下痢の回数も減っていった。

焼き鮭って消化にいいらしい。

10月21日。午前中は微熱だったが、午後には平熱に戻り、維持していた。
少しずつ楽になる体が、嬉しかった。

コレガ・・・ニンゲンノカラダ・・・

この3日で、たぶん3〜4kgは減ったと思う。
生の鶏はもう二度と食べない。
あの憎たらしい赤い肉め。。
絶対に食べてやんない!
絶対。たとえめっちゃ美味しい焼き鳥屋でも。
絶対に。恐らく。たぶん。
あと、もう1着パジャマ買おうと思います。

ちなみに、わたしが罹ったのはカンピロバクターというやつでした。

めっちゃ長くなったけど、
人生初の胃腸炎体験記(?)でした。

みんな、赤いお肉には気をつけるんだよ。。
じゃっ、メリークリスマス!