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香りの本棚✴︎植物の本棚*『ガーデン』

タイトル:ガーデン
著者:千早 茜
版元:文藝春秋(文春文庫)

自然や森ではなく、ガーデン(庭)であるということ。

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植物は、草食系男子などといって、静的なイメージで語られることが多いけれど、濃い緑によって飲み込まれそうになっているカンボジアのアンコール遺跡しかり、実はしたたかに、強く生きている。

植物を愛する雑誌編集者の羽野が主人公の物語。
植物の気配、息吹の圧倒的な描写、登場する働く女性たちの発するリアルな言葉に一気に引き込まれました。

そして、各所で登場する植物が、とても印象的です。

例えば、時計草。
日本では、時計に見た目が似ているので、時計草と呼ばれていますが、またの名をパッションフラワー。パッションは、“情熱”ではなく、キリストの“受難”の意味。ハーブティーとして飲む効果は、安眠や鎮静。ただ、シングルで飲もうとすると、びっくりするほど臭いですが…。
パッションフラワーのくだりは、本の中では出てきませんが、この場面で、この花なんだ!と思いました。

千早さんの経歴を読んだら、「小学生時代の大半をアフリカ・ザンビアで過ごす」とあり、その経験も反映されているんだなあと。

精油なんかを嗅いでいる私も、ともすれば、つるんとしたままの日常に、自然の欠片を持ち込んで、抗おうとしているのかな。

久しぶりに、大好きな庭園美術館に足を運びたいと思いました。

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