見出し画像

マリファナマーチ in TOKYO - 2019年5月4日(土)/東京都港区〜渋谷区

2019年5月4日(土)、東京都港区〜渋谷区で行われた『マリファナマーチ2019 in TOKYO』の記録

 マリファナマーチは毎年5月に世界各地で行われている「大麻自由化(合法化・非犯罪化)」のアピールを行う世界同時イベントで、東京では2001年から開催されている。

(2020年5月4日に予定されていたマリファナマーチ2020は開催延期となりました。)

【動画】

マリファナマーチ2019 in TOKYO - 2019.5.4 Marijuana March JAPAN(16分2秒)

【写真】

 19回目の開催となる今年は5月4日(みどりの日)に行われ、大麻を意味するスラング「420」にちなみ、午後4時20分に青山公園を出発した。スタートからしばらくは人通りが少ない道が続くが、後半には表参道、原宿、渋谷という絶好のアピールゾーンがある。
 5.4kmもの長距離を歩くこのコースは都内で行われているデモとしては最長の部類で、麻布警察署、赤坂警察署、原宿警察署、渋谷警察署という4警察署の管轄を跨ぎ、ゴールまで2時間半〜3時間を要する。

 マリファナマーチinTOKYOの特徴の一つに良い音のサウンドカーの存在がある。この音響装置は、毎年デモのメインMCを務めているレゲエミュージシャンのランキン・タクシーさんによるもの。沿道に明るく語りかけ場を盛り上げているランキンさんは東京マリファナマーチの顔とも言える存在だ。

 大麻は、マリファナ、ヘンプ、ガンジャ、ウィードなど様々な呼び方をされているが、どれも同じ大麻取締法でいうところの「大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品」で、所持・譲渡・売買が禁止されている。
 なお、所持等ができない大麻でも使用には罰則規定がなく、摂取しても法律違反にはならない。大麻の吸引や使用自体に関して条文に書かれていないので法律違反ではないと言えそうだが、大麻を所持することなく使用することは難しく、実質的には使用も禁止されているのと同じだ。

大麻取締法(一部抜粋)
第一条 この法律で「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く。
第三条 大麻取扱者でなければ大麻を所持し、栽培し、譲り受け、譲り渡し、又は研究のため使用してはならない。
第四条 何人も次に掲げる行為をしてはならない。
一 大麻を輸入し、又は輸出すること(大麻研究者が、厚生労働大臣の許可を受けて、大麻を輸入し、又は輸出する場合を除く。)。
二 大麻から製造された医薬品を施用し、又は施用のため交付すること。
三 大麻から製造された医薬品の施用を受けること。

 日本では大麻の議論をすることすらタブーとされているところがあり、まずは大麻を知ることからはじめようというアピールがなされていた。
 医療大麻を認めて欲しいということだけでなく、嗜好品としての大麻も認めろという主張も隠さず、むしろ強く訴えていた。これは非常に良い戦略ではないだろうか。
 大麻は医療用や産業用など様々な用途があるが、日本では嗜好用としての使い方が一番知られているはずだ。そうすると、ここは「嗜好大麻」に力を入れるのが良いように思えてしまう。
 日本で大麻といえば嗜好品として認知されてるわけで、医療大麻と言われてもピンと来ないし、嗜好大麻解禁への言い訳だと思われて印象が良くないというマイナスポイントもある。ここはむしろ堂々と「嗜好大麻解禁」を叫ぶのが良いように思う。その点、一貫して嗜好大麻を肯定するランキン・タクシーさんの姿勢は清々しく好感が持てる。
 常識が覆ることはよくあることだ。乱暴な言い方になるが、日本に大麻禁止を押し付けたとも言えるのは米国だ。しかしながら、その米国では大麻の合法化や非犯罪化が進んできている。もちろん日本にも同じことが言えるとは言えないかもしれないが、パラダイムシフトは往々にして起こるものだ。

 沿道の反応は様々だ。デモ隊の様子を見てギョッとしたり、あからさまに引かれたり、中指を立てられたこともあったり、犯罪だとかこんなデモやっていいのなどと言われたり、ネガティブなリアクションがある一方で、手を振ってくれたり、声援をくれた方、音を聞いて踊りだしたりする方や飛び入りしてくれた方も多数いた。

 世界中で大麻解禁の流れがあり、多くの国や地域で議論が進んできている。アジアにも解禁の波が押し寄せてきていて、韓国でも医療大麻が解禁された。
 大麻解禁によって新たな雇用が生まれたり、莫大な税収が生まれたという例もある。このように、マリファナに関する事情は日々変わりつつある。
 しかし日本を見てみると、「法律で禁止されてるから大麻は禁止なんです」という、小泉進次郎話法で議論は止まっている。まずは、この「進次郎話法」から一刻も早く卒業するべきだろう。

全国各地のデモや抗議などを自腹で記録しています。サポート頂けますと活動資金になります。よろしくお願いします。