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できると思えばできる。できないと思えばできない。

昔から信憑性があると考えている言葉の一つに、『できると思えばできる。できないと思えばできない』というのがあります。

おいおい自己啓発の話かよ。くだらねえ。いいか自己啓発ってのは情弱を騙して儲けようっていうやつのもんだぜ。あんなもん信じるからてめえは底辺なんだよ。かぁっ、ぺっ(痰を吐き捨てる)

まあそういう人はスルーしてもらっていいんですが、これまでの自分の経験や売れている芸人さんを間近で見てきてこれはあるんじゃないかなと。

一番わかりやすい例として、陸上競技の百メートルがあります。

スポーツってもっとも生まれつきの才能が左右するものじゃないですか。球技やチームスポーツならば、それぞれの役割ごとに必要とされる能力が異なりますが、こと百メートル走は速いかどうかの一点のみ。そこには純然たる才能が必要です。

でもそんな百メートルの世界ではこんな傾向があります。

『誰かが記録の壁を破れば、後続がなだれ打つように続く』

日本記録も世界記録もいったん記録更新がはじまると、一気に記録更新が進むそうなんです。もちろんトラックやスパイクの進化など環境が変わるのも一因としてありますが、一番は心理的要因でしょう。

「あっ、10秒って切れるのか。じゃあ俺もできるかも……」

思考がそうなれば記録が伸びるんです。つまり、『できると思えるようになったからできるようになった』というわけです。まず思考があってそれから現実がついてくるんです。

さらにそのときは敗れたとしても、「今は負けてもいつか勝てる」と思える人間と、「もうこいつには一生勝てない……」とあきらめる人間を比較してみれば、将来的に勝利できる可能性が高いのはあきらかに前者でしょう。

思考で負けたら、現実も負けるんです。つまりできないと思えば、できない。

純然たる走力のみで結果が左右される百メートル走でそうなんですよ。その他のジャンルにおける心理面での影響は計り知れないでしょう。

じゃあどうすれば、『自分はできる』と思えるのか? それは自信ですよね。自信があればできると思える。だから結果できるようになる。これです。

自己肯定感が強い人は自虐的な人よりも目標を達成する確率は高いものです。

起業家でも高学歴でMBAを取得した慎重派のエリートよりも、「市場分析? そんなのくそくらえ。俺はこういうビジネスがやりてえからやるんだよ」という猪突猛進型の人の方が成功するケースは多いんですよね。

そういう人って根拠はないけど自信だけは人一倍ある。自信があれば困難があっても、「大丈夫。自分はできる」と土俵際で踏ん張ることができる。

起業っていうのは荒波の海の中を小舟でこぎ出すようなものですからね。転覆の危機に幾度も襲われる。いくら想定に想定を重ねて準備をしても、計算外のことばかりが生じるんです。そのピンチの連続にめげないためには、強固な自信が必要になります。

だから目標達成のためには、「できる」と思うことが一番大事なんです。

いやいや、その自信をつけるのが難しいんだよ。

そう言われる人も多いんじゃないですかね。じゃあ簡単に自信をつけるにはどうすればいいか? 答えはこうです。目標を達成した人が近くにいればいいんですよ。

自分のことを振り返ってみて、「プロの小説家になれる。ベストセラー作家になれる」っていう自信は不思議なほどあったんですよ。そこに関しては微塵も疑わなかった。

元々そういう性格だというのもあるんですけど、身近にプロの小説家がいたからなんですよね。

まず第一に、『筒井康隆先生』と一緒に番組をやっていたのは大きいです。

筒井康隆といえば、レジェンド中のレジェンドですよ。ご存命の作家の中ではトップと言っても過言ではない。僕も子供の頃から筒井作品を読んでいました。

そんな人が番組の収録に行けば会えるわけです。打ち上げで一緒にお酒を呑ませてもらったこともあります。

最初に会ったときは「筒井康隆って実在するんだ」と感動したものですが、何度か接するうちに筒井康隆も同じ人間だと感じてくるんですよね。不思議なもので。

さらに僕の場合、百田尚樹さんの存在も大きかったですね。今では大ベストセラー作家ですが、当時は僕と同じ番組を担当していた放送作家です。いわば身近にいる先輩です。

それが『永遠の0』を執筆されて、あっという間にベストセラー作家になられましたからね。「百田さんがベストセラーを出せたんならば自分もできる」と自然と思い込めるようになったんです。この「できる」という感覚があったから、新人賞もとれてデビューして作家でいられるわけです。だから百田さんには感謝しています。

作家ではないですが、他にも島田紳助さんややしきたかじんさんや宮根誠司さんとかその他凄い人と一緒に仕事ができたのもよかったです。

あと売れてない芸人さんが急激に売れていく光景を見れたのもよかったです。この点だけでも放送作家になってよかったなと思いますね。

偉大な人だけど実際に会って接していると、自分と同じ人間だと思えるんですよ。

こういう格言があります。

『ナポレオンの召使いにナポレオンの偉大さはわからない』

日常接していると英雄でもくしゃみをするし、よだれも垂らすし、屁もこくことがわかるんですよ。

まあこの召使いは、そのせいでナポレオンを尊敬しなかったそうなんですが、彼は他の人間よりも、「自分もナポレオンにみたいになれる」と思えたんじゃないですかね。

吉本がなぜあれほど売れっ子芸人を輩出できるかというと、普段から若手が売れっ子芸人と接する環境があるんですよ。つまり劇場ですね。

もちろん舞台でその実力差をまざまざと見せつけられて自信をなくすこともありますが、一緒に吞みに行ったりすれば、「ああ、あれだけ売れている兄さんも同じ人間だな」って思えるんです。すると、「自分もできないことはない」という思考に傾くんです。

他にもいろんな要素があるんですが、これが一番じゃないですかね。

100人中99人が金メダリストの村で暮らしていたとして、「ああ自分は金メダリストには到底なれない」って思う方が難しいんですよ。

自信と思考は環境に影響されるものなんです。

だから自分がこうなりたいと思える人がいたら、彼らと身近に接することができる環境に身を置くことが大事なんです。

古くは『かばん持ち』と言われる人たちですよね。かばん持ちから栄達した人というのは歴史を見ても数多いです。彼らは勇気と知恵をふりしぼり、なりたい人たちの懐に飛び込んだんです。

そこまでしなくても講演会やイベントがあれば出席して、目標とする人物をこの目で見るといいんですよ。今はコロナでちょっと難しいですが。

会わなくてもSNSでフォローしたりでもいいですよね。効果は薄いかもしれませんが、要はどれだけ身近にその人を感じれるかなんで。「ああこの人も同じ人間だな。だったら自分もできるな」という感覚を掴むことが自信をつける第一歩です。

おいおい、俺にはそんなツテもコネも度胸も知恵もねえよ。簡単にできるわけないだろうとおっしゃる方もいるでしょうが最初に書いたとおりです。

『できると思えばできる。できないと思えばできない』

まさに真理です。


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