見出し画像

気がつけば、社会人になっていた。

4月も3週目に突入し、社会人と呼ばれるようになって約2週間が過ぎた。新しい環境が始まるまでにあれこれ余計なことを考えるたちなので、社会人になる前日は、明け方の3時まで寝れないという緊張っぷりを発揮した。

さあさあ、いよいよ始まった社会人生活。不安と期待を胸に、いざ…!と意気込んでスタートできれば良かったのだけど。例のウイルスのせいで、平穏に学生を終えることができなかったことと同様に、平穏に新生活も始められないことはある種、自明であった。そうだった。

私の勤め先は、先日ついに完全リモート研修となった。新人研修の担当を務める人事の部隊と、社内ITシステム・セキュリティー担当の方々の苦労が透けて見えて、先輩方の涙ぐましい対応の早さと気遣いに正直感謝せずにはいられない。このご時世に、研修を受けながら、お給料をいただけることにまず大感謝である。

社会人が始まってどうか。正直、在宅で研修を受けているためか、学生の延長気分を味わっているような罪悪感を抱きつつも、今の世の中は、在宅勤務で行う仕事の範囲が無限に広がる一種の「可能性時代」だという思いが湧く。例のウイルスは、見えないくらい小さいくせに、世の中の「あたりまえ」を次々と覆していく。劇的に変わる日常の中で、当たり前なのだが、私は「現在(いま)」を生きていて、そして歴史の一部でもあると痛感する毎日だ。

社会人になってまだいくらも経っていないが、いくつか気づいたことがある。仕事が早く終わる日は、授業が早く終わることの比じゃないくらい嬉しく、どこにでも行けそうな、何でもできそうな開放感に満たされること。プライベートな付き合いだと敬遠しそうなタイプの人とも、仕事に対するやる気や、将来のことについては熱量を持って話し合えること。想像していたよりも、何だか楽しそうな、まだまだ私が知らない広い世界がドンと待ち構えているということ。

リモートでもたくさんのことに気づくことは十分可能で、人間の適応能力はやはりすごいと思う。会社の同期とは直接会ってより深い話をしたい気持ちは山々だが、正直「飲み会」特有の雰囲気は好きではないので、自粛ムードが少しありがたかったりもする。お金も節約できるし。本来なら、インプット型の研修は二週間で終わり、今週からは各部署に配属されてOJT研修に移行されるはずだったわけで。GWまでリモートによる研修が続く今の状況をポジティブに考えると、インプットする内容と期間を増やしてもらった、とも言える。

これは、例のウイルスが落ち着き、いざ現場に出向くようになった時、普通に研修を受けることができた場合よりも2倍くらいやる気が増すんじゃあないだろうか、と思ったり。とにかく、何であれ環境のせいにしないで、今できること・やるべきことをしっかりやっておけば、未来はきっと2倍はハッピーになっているはずだ。だって通常下の2倍以上は考えて、何らかの形では苦労していると思うから。

こんなことをぼやぼや考えつつ、社会人生活がいよいよ本格化していくのだろう。明日からも腰を最大限労り、運動不足解消を心に刻みながら、研修がんばろう私。近いうちに、「私、コロナ新卒なんです」と冗談で笑って言える未来を夢見て。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?