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「自分」という人間を丸裸にされた気持ち

就職活動を本格的に始めた3月から6月は、正直とても学びが多い期間だった。しんどい時が無かったと言えば嘘になるけれど、特に面接で、様々な方とお会いできた経験はこれから先もきっとプラスに働くと思っている。

今日はたくさん受けてきた面接の中でも、特に印象に残っているエピソードを記録しておこうと思う。「自分」という人間について、丸裸にさせられた体験だ。

私はもともと話すことが好きであるし、自分を言葉で整理してそれなりに魅せることは得意だったため、就職活動の面接も始まると割とすんなりチャッチャッチャと進んだ。(ちなみにGDは死ぬほど苦手でした)

5月に一社、面接の感触が良かった会社に内定を頂いて、嬉しい!と思った反面、違和感と罪悪感も感じていた。私、嘘は言っていないけど、必ずしも全て本心だけ言ってるわけじゃないんだよなぁ。なんかなあ。と。

正直なこと言って、話を盛り盛り盛り子な面も否めなかったし、内定を頂いたその会社の期待に100%添える人物かと言われると、自分自身う〜んとも思っていた。

そのあと受けた面接はうまく行ったり行かなかったりしたけれど、結局来年からお世話になる会社の面接が、質問自体の個数は少なかったにも関わらず、最もヘビーだったことは、おそらく一生忘れない。

業界の特性上、この会社は「あなたが弊社で具体的にやりたい業務内容は何か」という質問よりも、「あなたという人物について徹底的に教えて」という質問が多かった。自分のことについてなんて、得意中の得意よ!と思って意気揚々と話し出したが、これがとんでもなく冷や汗をかく面接になった。

まず自身の長所と短所を最初に答えさせられた上で、人から見た私の評価について聞かれた。ここで、私が思っている「私」と人から見られている「私」に矛盾が生じてないか徹底的に検証された、ような気がする。冷や汗ポイント①だ。

次に、自身が描く理想の将来像→そのためには具体的にどんなことが必要か→仕事をする上で何を大切に考えているかという流れの質問をされた。うん、普通に聞かれるような内容じゃんって思うでしょ。これが冷や汗ポイント②だ。

何が冷や汗かというと、冷や汗ポイント①で検証した私の特性や人物像を踏まえた上で、冷や汗ポイント②で私が具体的に提示した将来像や行動様式、理念が検証した「私」という人物像の枠とずれていないか、擦り合わせ確認作業を1時間丸々永遠とされたんですね。

いや、これは嘘絶対つけねえ!(というか嘘だったらバレてるだろうし)
話も盛れねえ!盛ったところで、矛盾点として全て暴かれるだけだわ!

ということを、面接中めちゃくちゃヒシヒシ感じた私は、この会社には自分を魅せることは無意味だと悟り、諦めてありのままの自分を見せた。これは落ちたと思っていたが、結果は合格だったので素直に自分を見せたことが正解だったのだろう。

この面接中、私は「自分」という人間を矛盾した存在にしないために、自分自身を一本の軸として考え表現した。正直、対する人によって、接する反応は異なると思うし、人間って矛盾した生き物だから、一本の軸になど表すことは不可能だ。

けれど、ケースバイケースを一切抜いた、ブレない「自分像」を面接中追い求めて行く内に、自分で気がつきたくないと思って、おそらく見て見ぬ振りしていた「私」がたくさんいた。

例えば私は結構唯我独尊タイプで、もともとチームワークはあまり好まない性質。自分の考えを相手に押し付けることは、絶対しないけれど、逆を言うと人から考えを押し付けられることがとっても嫌い。私の勝手でしょって思ってしまう。

これって社会人、というか会社に所属する人として致命的じゃない?チームワーク嫌いとか、終わっているでしょう。と無意識に思っていた自分がいて、多分必死に自覚しないようにしてた。

でも、面接官の人は「あなたはチームワークが好きではないかもしれないけど、自分一人で仕事ができないことは自覚している。これからは、自分の苦手なことを見て見ぬ振りをしないで常に意識して克服していくと、あなたの仕事における成長速度と行動範囲ってめちゃくちゃ広がっていくと思う」と丁寧なフィードバックを返してくれた。

自覚して、成長してください。という大人な反応に、正直痺れた。

これって、きっと仕事以外のプライベートな場面でも、応用が効く観点だと思う。

知らないことは罪だ。ってジャーナリストの清水潔さんは言っていた。自分のことを自分で見て見ぬ振りをすることも、確かに、誰かに迷惑をかけたり、傷つけている行為になっているかもしれない。

就職活動を通じて、「自分」を丸裸にさせられたような、自分の見たくない部分まで見つめた直した経験をしたけれど、嫌な自分もいるって知ることができた感覚は嫌いじゃない。

すこーし、ほんのすこしは成長できたんじゃあないだろうか。と思えるくらいに、今は心地がいい。今日のところは、ひとまずこれにて退散。また気づいたこと、ここに記録として残しておきたいことがあったらアップしようっと。



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