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星屑195 たいふうばなし

2019年10月16日

 異例の大きさの台風一九号は、各地に爪痕を残して去って行きました。都内では前日から、窓ガラスが割れる危険性があるから養生テープを貼ったほうがいい、食料は確保して、停電や断水が起こった時のためにきちんと備えましょう、と万全の体制で身の安全を守れ、というアナウンスがありました。公共交通機関の計画運休、避難場所の確認、早い段階で発表があったため、準備自体はスムーズだったと思います。

 結果的に、都内でも川の氾濫や浸水などが見受けられましたが、私の家近辺は普段よりも雨が強いかな、という体感で終わりました。家から出ていないから気がつかなかっただけかもしれません。私の住んでいる区はかなり広いのですが、区内の警報や情報はすべて一括なので、携帯の緊急速報がけっこうな頻度で鳴り響いていました。夜中にも容赦無く通知が鳴るので少し心臓に悪いですが、警報という役割はきちんとこなしていました。家族や友人からも確認の連絡をたくさんもらいました。区の端では大変なことが起きているけど、私の家近辺はなにもなかったので、どこか非現実的な時間でした。次の日は台風一過、眩しい晴天と暑さ。被災された方々や地域の、一刻も早い復旧をお祈りします。

 来るとわかりきっている災害に対して、人々は若干、異様ともとれる熱気に包まれる感じがあります。若干の興奮と、自分は大丈夫だという謎の自信。会話の中心はすべて災害、テレビやSNSでは逐一状況がシェアされ、拡散され、情報の渦に飲み込まれます。関心が向くことはもちろん大事で、人ごとだと思わずに、きちんと対応できるのであれば問題ないかと思います。でも、ネットではデマが飛び交い、正しい情報なのか否かの判断をするうちにまた新たな情報が出てくる……。

 私は途中、情報を追うのがしんどくなってしまって、本を読んだり、台風情報の比率が少ないテレビ番組を選んだり、音楽ラジオを聴いたり、現実逃避していました。一番ひどい時間帯は寝てしまっていたので、本当になにもなくてよかったです。下手すると災害に直面したときにすぐに対応できませんよね。一緒に過ごしてくれる人がいたから心強かったのもあったかもしれませんが。

 いろいろと被害の様子が見えてきています。どんどん寒くなって、また雨が降るという予報も出ています。どうか、安全に、あたたかく過ごせますように。

 今回はこのへんで。


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